【ラブライブ!ニジガク TVアニメ】第4話「未知なるミチ」感想ひとりごと
『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』第4話「未知なるミチ」
ファン待望のダジャレも登場したムードメーカー的な存在の元気印の愛さん回。
前回で一人ひとりの大好きを最大化するためにラブライブ!に出るという選択肢を見送ったニジガクの面々ですが、今回はそのソロアイドルとしての第一歩になる”自分の色を出せるのかという不安”をテーマにしたストーリーでありました。
その大きな一歩を推し進めたのが、せつ菜のステージで盛り上がるファンの姿に感銘を受けたニュースクールアイドルの愛さんであり、そして彼女自身の自分色を見つける主役回にもなるという、一度で二度美味しい回でもありました。
屋上から聞こえる歌に盛り上がってるみんなを見て…自分も未知なるミチにチャレンジしてみたいって…そう思えたんだ。
今回もトキメキの連鎖は続きます。せつ菜の新しい始まりを告げるライブに歓喜の声を上げるファンの姿を見て、またひとりトキメキに目覚める少女がいました。
入部するために部室へと足を運ぶ愛さんとりなりー。本当にトキメキだけを持って訪れたので、スクールアイドル同好会が何をするところなのかも分かっていません。
同好会が再始動する中、どんなライブをするか考える会議が始まります。様々な意見が飛び交う中、愛さんは「とにかく”楽しい”のがいいかな!」と言いました。この場面でも、十人十色、ひとりひとり個性がバラバラであることが伝わってきますし、愛さんもその様子を口にします。
その後の特訓では、「ちょっとでもできるようになると”楽しくない?”」と柔軟に苦労するメンバーのやる気を引き出すようなことを愛さんは言ったり、歌唱の練習の時もみんなにあだ名を付けて場を盛り上げたり、「せっつーの熱い語り聞いてたら”楽しそう”だなって思ってさ!」と自分自身が楽しむ様子も伝わってきます。
その後も感情が分かりづらいりなりーが楽しんでることを言い当てたり、自分自身も楽しいんだと言います。
みんなが部活終わりに集まるなか。
かすみんが、アイドルはどれも正解って言ってたけど、実際その通りっていうか。みんなやっぱりタイプ違うけど。そこが最高って感じだし!
このメンバーでどんなライブをするんだろうって、考えただけでめっちゃワクワクするよ!
愛さんはこう言いますが、他のメンバーは”グループは協力し合えるけど、ソロアイドルは誰にも助けてもらえないかも”、”ファンに喜んでもらえるものが自分一人にあるのか”という不安があることを口にします。
正解がひとつなら分かりやすいよね
愛さんもメンバーが口々に言う”ソロアイドルとしてステージに立つ不安”を聞いて、自分自身のことも回想しながら悩むようになります。
スポーツにはルールがある。でも愛さんたちが目指すスクールアイドルにはそういうのは無くて自分ひとり。愛さんだけでどんなスクールアイドルがやれるのかな。愛さんの正解って何なのかな。こんなのって今まで考えたことなかったよ…
愛さんは色んな部活の助っ人にもなる存在。でも、それはどこでも”ルールがある”し、”チームでやる”部活だった。彼女は、勉強もできる。テストは問題があって、”正解はひとつ”だけ。”自分自身のことを振り返った時に、これから自分がやろうとしているソロアイドルは、これまで自分がやってきたことと真逆の存在。
ルールが無くて、正解が無い、みんなで助け合うことさえできないソロアイドルをやろうとした時、一体自分が何者になれるのか。そういった不安を、メンバーそして愛さん自身も考えるに至りました。
あくる朝、愛さんはランニングに出かけた先で、エマに出会います。
愛さんは、みんなの悩みが”自分を出せるのかという不安”と置いた上で、彼女自身も経験が無いことに戸惑っていること、乗り越えるためのハードルが高いことを口にします。
そろそろ走ろっか。9時だしもう行く時間だよ
エマの何気ない一言。なぜか愛さんはそれにツボったらしくて、ダジャレだと思ってお腹を抱えて笑い始めました。
愛さんの笑いで場が一気に和やかになる中、「愛ちゃんが同好会に来てくれてよかった。すっごく前向きでいてくれるから」とエマは語り始めます。
みんなといる時いつも楽しそうにしてたよね。きっとみんなが不安で、でも本当はそれと同じくらいこれからに期待してると思うんだ。そうじゃなきゃ悩まないもの。まだ一歩を踏み出す勇気が出ないだけ。愛ちゃんが来てから同好会のみんなの笑顔すっごく増えてるんだよ。
愛さんが同好会で楽しそうにしてること。そんな愛さんがいると、期待の反面悩みも不安を持つみんなが笑顔でいられること。
愛さんは自覚が無いと言うけど、エマもだから凄いんだと言います。確かに、彼女は自覚は無いようですが、普段から自分が楽しむこと、楽しむことが好きなこと、みんなが楽しくなるように促すこと。これまでのいくつもの場面から、愛さんがそんな気持ちで同好会の活動を楽しんでいることを伺い知ることができました。
何かが吹っ切れたように愛さんは駆け出します。
そんなことでいいんだ…誰かを楽しませることが好き、自分が楽しむことが好き!そんな楽しいを、みんなと分かちあえるスクールアイドル…それができたら私は未知なるミチに駆け出していける…未知だけに!
自分では自覚してなかったこと。エマに言われて初めて気づいたこと。
それは、”誰かを楽しませること”、”自分が楽しむこと”が自分は好きだということ。
”楽しい気持ちを分かち合えるスクールアイドル”になること。そんな存在でいられることこそが自分の喜びであり、なりたい姿であり、"彼女らしいソロアイドル”なのかもしれないということ。
自分の”好き”に気づいてワクワクできる”夢”を見つけた瞬間、彼女はソロアイドルとしての第一歩を踏み出すのでした。
サイコーハート
歌詞からも、新しいことに自分自身がワクワクしていること。みんなが笑顔でいることが好きで、みんなを笑わせる存在になりたいことが伝わってきます。曲調もとにかく明るくて前向きな愛さんの性格が伝わってきて、聞いてるだけで元気になれる愛さんらしい素敵な曲でした。
ふと歌い終わった後、自分の歌がみんなの笑顔を作り、みんなに喜んでもらえていたことに気が付きます。
みんなと一緒、ステージはひとりじゃない!
最初ソロアイドルは孤独なものと思っていたけど、実際にやってみたらソロアイドルとして立つステージは決して”ひとりじゃない”ということ。
侑ちゃんも、そんなソロアイドルの道を一歩踏み出した愛さんを見て言います。
凄いね、あれが愛ちゃんのステージなんだ!
自分のなりたい姿を見つけて、自分だけの好きを思いっきり表現した愛さんだからこそ作ることが出来た、トキメくオンリーワンのステージ。
思えば、彼女が最初にスクールアイドルを始めたいと思ったのも、学校の屋上から聞こえる歌を聞いて盛り上がる周りのみんなの姿を見たことがキッカケでした。
最初から彼女の中にはトキメキの種があったのかもしれません。それでも、一度はソロアイドルとして”自分らしさ”を考えた時に思い悩みました。でも、実際に周りのみんなを自分が気づかない内に笑顔にできていたこと、そしてそんなことができることが自分の幸せであること。それに気がついた瞬間、自分自身のなりたいソロアイドルの姿を見つけることができました。
侑ちゃんは続けて言います。
私、みんなのステージも見てみたい!
ひとりだけど、一人ひとりだからこそ色んなこと出来るかも
そんなみんながライブをやったら何か凄いことになりそうな気がしてきちゃった!
”一人だからこそ色んなことが出来る”。
ソロアイドルは、正解もルールも無いし、ひとりでもある。でもだからこそ、その人にしか描けない”未知なるミチ”を描くことができる。
侑ちゃんが抱いた期待は、まさに今回の部室の光景にもあった十人十色の光景そのものであり、かすみんが言っていたアイドルの正解はひとつじゃないということであり、愛さん自身も言っていたタイプの違うみんながどんなライブをするのかがワクワクするということでもありました。
そして、前回までの話にも繋がる、自分だけの”大好きを叫ぶこと”こそが、唯一無二の個性のステージを作ることに繋がるんだということ。
太陽を浴びる愛さんのステージを見て、全員がソロアイドルとして羽ばたく期待を胸に抱いたところで第4話はEDを迎えました。
(終)
さて、第4話「未知なるミチ」は愛さん回ということもあり、全体的に明るい雰囲気の回でもありました。
ムードメーカーな彼女の一面が伺える中、みんなで楽しくいられること自体が彼女自身の”大好き”の形であり、"彼女らしいソロアイドル"の形になるストーリーは、まさにそれ自体が宮下愛らしい一歩と形容するにふさわしい物語でした。
そして、それがラブライブ!に出場せずに個々人が幸せになれる道を進むことを誓った同好会の面々が、ソロアイドルとして旅立つ不安を乗り越える第一歩の一助にもなったことは、物語を推し進める大事な回でもあったと言うことができると思います。
回を追うごとにニジガクらしさが出てきたと思うこの頃。まさに、虹の名にふさわしい個の色に焦点を当てたストーリー進行であると共に、全体からパーソナルへという今の時代らしいテーマだなというのが第4話まで見てきての感想になります。
ちなみに、愛さんの鋭さに気づいた意外と抜け目のない彼方ちゃんですが「なんか侑ちゃんも凄いね」と言ったことが気になっています。侑ちゃんはこれまで問題解決に導くキーマン的な言葉をいくつも紡いできましたが、それが彼女自身がなりたい姿や今後のストーリーに結びついてくるのでしょうか。
ニジガクの他のメンバー、そして侑ちゃんの今後の個がトキメくストーリーが今から楽しみで仕方ありません。
【ラブライブ!ニジガク TVアニメ】第3話「大好きを叫ぶ」感想ひとりごと
『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』第3話「大好きを叫ぶ」
2話のかすみんとは対象的に格好いいアイドルを極めたいせつ菜回。
ラブライブ!シリーズにおいてターニングポイントになる第3話において、ニジガクでは本当にやりたいことをするために”ラブライブに出場しない”という決断をしながら、せつ菜の過去のトラウマも乗り越え、更にここから新しい始まりを予感させるような今後が楽しみになる回になっていました。
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【ラブライブ!ニジガク TVアニメ】第2話「Cutest♡ガール」感想ひとりごと
『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』第2話「Cutest♡ガール」
天真爛漫なかすみんの可愛さが弾けた第2話。
可愛いアイドルであることに強いこだわりを持つ中須かすみと、格好いいアイドルであることに強いこだわりを持つ優木せつ菜の対立から今回のテーマが生まれます。
ともすればスタイルウォーズになりがちな”アイドルらしさとは?”というテーマですが、”みんな違ってみんないい”というありふれた答えではあるものの、多様性を尊重し各人の好きを形にし合う「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」というグループの指針としてはこの上ない答えだと思い、これからの物語の方向性すら視聴者に予感させる思わず膝を打ちたくなるような回でした。
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Aqoursオンライン1stライブ~LOST WORLD~に感じた可能性
「Aqours ONLINE LoveLive! ~LOST WORLD~」が”これからの可能性”を強く感じすぎたライブだったので思ったことを書いてみます!
オンラインライブでも変わらぬAqoursらしさ、ラブライブ!らしさ
まず、私はAqoursとして初の開催となったオンラインライブから、これまでと変わらぬ”Aqoursらしさ”や”ラブライブ!らしさ”を感じられたことが一つありました。
”LOST WORLD”というタイトルは「20XX年、世界は混沌に疲れ切っていた」というイントロダクションからも分かる通り、我々のいる”コロナ禍”の世界を暗示していたことは明らかでした。幕間映像からも、
- Amazing Travel DNA
- PERFECT WORLD
- DOME TOUR
がロストした世界のお話というコンセプトが分かります。
最初にこのタイトルを聞いた時は、ラブライブ!運営の憤りすら感じるショッキングなタイトルだと感じましたが、そもそもラブライブ!の歩みを振り返った時に”現実”を取り入れることは不思議なことではなく、むしろ現実を取り入れた上で展開する物語にこそリアリティや説得力といった魅力があったように思います。
そう考えるとこの一見不穏なタイトルも、もはや素通りできない現実世界を受け入れて、それすらも壮大な冒険の1ステージにして突き進んでやるぞ、という強い意思すら感じられるようになりました(コロナ禍をシャゼリアキッスの荒廃した世界にになぞらえてポップに仕上げていたのはかなりGoodでした)。
メンバーもMCで5周年という記念の年に思うように活動できない悔しさを口にしていましたが、その後の覚悟を感じられるMCからも、このLOST WORLDは逆境をバネにして羽ばたくためのライブであり、1stオンラインライブ(本当にいい言葉)であり、新たなゼロからイチへ!の挑戦なのだということを信じさせてくれたような気がします。
#LOSTWORLD_DAY2
— 高槻かなこ (@Kanako_tktk) 2020年10月11日
オンライン会場へ足を運んでくださった皆様ありがとうございました!!
1st ONLINE LOVELIVEっていい言葉💛
新たな0から1を感じました!!
次は今冬☃️楽しみだねっ!🙆🏻♀️ pic.twitter.com/6wWKMPAJSU
太陽は何度でも昇るし、何度でも立ち上がる姿が”Aqoursらしい輝き方”というのはその輝跡をもって何度も証明してくれましたよね。そして、今までやってきたことは何ひとつ消えたりしないことも。
このように、現実(挫折)を受けても尚立ち上がる姿勢に、”Aqoursらしさ”、”ラブライブらしさ”を私は真っ先に感じました。
オンラインライブの新しい楽しみ方の提案
そして、オンラインライブの新しい楽しみ方を提案してしっかり届けてくれたのも可能性を感じた2つ目のポイントでした。
特にそれを強く感じられたのが、君ここ冒頭の円陣のカメラワークです。有観客ライブだとお客さんの目があるのでどうしてもカメラマンさんが立ち入る隙がありませんでしたが、こと無観客となるとこういった演出ができるのかと膝を打ちました。
この”新たな視点”というのは既存曲でも楽しみが増えるので次のオンラインライブでも注目したいポイントです(特に君ここは自分が中心にいるというエモーショナルな体験でした)。
そして、オンラインライブでも、リアルライブの良さは変わらないように工夫をしていたのも感心したことのひとつでした。
それがファンの歓声やペンライトの光の海の再現です。
これまでのAqoursのライブでは当たり前にあった応援ですが、オンラインライブとなるとどうしても陸の孤島にポツンと立つだけの絵になりがちなので、それを感じさせないようにCGや合成で再現していたのはお見事でした。
こうすることで、”いつものAqoursのライブ”の華やかさが損なわれませんし、家にいるファンも普段と変わらず一体感を味わえるという効果が生まれていたと思います。ライブ中やアンコール中にファンの声が届く仕組みになっていたのも同じ効果があったように思いました(双方向のコミュニケーションが感じられるというのもあると思います)。
他にも振りコピ勢には嬉しい『JIMO-AI Dash!』など家でも簡単に踊れる振り付けがあったのも良きポイントでした。
このように、オンラインライブならではの新しい楽しみ方を魅せてくれたAqoursですが、もちろん生のライブは何よりも臨場感を味わえて楽しめる場所なので、オンラインライブとリアルライブの両輪で突き進んでくれることを楽しみにしています。
これからも走り続けるAqoursの姿
今も、そして未来に向かって走り続けるAqoursの姿が見られたのも、これからの可能性を感じられたオンラインライブにおける大きな意義のひとつだったと思います。
#LOSTWORLD_DAY2
— 逢田梨香子 (@Rikako_Aida) 2020年10月11日
二日間本当に楽しかった!
観てくれたみんな、本当にありがとう🌸
画面越しだけど、やっとみんなに会えた!!!
またいつか絶対会えると信じて、、
今日からAqoursはまた前に進みます。
これからも9人で助け合って!
5周年、まだまだ突っ走ります! pic.twitter.com/csMsODbNd3
これはオンラインライブに限ったことではありませんが、まだまだAqoursが走り続けることを知れたのはファンとして大きな励みになったのではないでしょうか。
”アニメが終わっても走り続けるAqours”。ラブライブ!は無印からサンシャインへ、サンシャインから虹へという大きな枠組みで捉えても、常に”輝き方はひとつじゃない”ことを追究してきました。前作と違う決断や行動をしても、それがスクールアイドルグループの輝き方のひとつであり、ひいては個人の輝き方なのだと紡がれてきました。ラブライブ!シリーズは、”本当にそれが自分たちにとっての唯一の正解なのか?”という疑問を常に自問たち自身に投げかけてきた歴史といっても過言ではないでしょう。
そんな中、アニメが終わってもなお変わらず活動をし続けるというAqoursの歩み方は彼女たちらしさでもあると私は思っているので、このライブであらためてその決意を聞くことができたのは、大きな元気と勇気になりました。
また、それは言葉だけではなく、彼女たちのパフォーマンスからも強く感じることができました。このライブが無い時期も彼女たちは練習を続け、これまでよりも難しいダンスや歌、演目にチャレンジして成功する姿を見せてくれました。それは、これからの成長する姿もまだまだあるんだぞという未来への期待にも繋がりました。
Aqoursらしい形で永遠を希求して歩み続ける姿。LOST WORLDから次のWHITE ISLANDへ。ありしゃが忙しなくライブがある様子を「最初の頃を思い出すね」と言ってるのを聞いてエモーショナルな気持ちになりましたが、”新しいミッション”を胸にまだまだ走り続ける姿を見せてくれたのがこのオンラインライブに感じた可能性の3つ目でした。
さて、ここまでAqours 1stオンラインライブに感じた可能性について書いてきました。
新しい生活でも変わらず現実を受け入れて突き進むAqoursやラブライブ!らしい姿、オンラインライブでの新しい楽しみ方を魅せてくれたこと、そしてこれからも輝き続けるぞという強い意思を感じた言葉やパフォーマンス。
そのどれもが、中止を余儀なくされたドーム公演の代替と呼ぶにはもったいないくらい素晴らしいものの数々でした。これらがオンラインライブで見られたので、これからのAqoursの航海も楽しみで仕方ありません。
”いまだってここからだよね”
『Fantastic Departure!』の大好きなフレーズですが、まさにこのオンラインライブという機会を象徴した言葉だと感じました。
先の見えないLOST WORLDにもAqoursがいるよというメッセージ。絶対的な希望の輝き。それだけで私は生きる元気と前を向く勇気をもらえたような気がしました。
【ラブライブ!ニジガク TVアニメ】第1話「はじまりのトキメキ」感想ひとりごと
TVアニメ『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』がスタートしました。
ラブライブ!の作品から長い間離れていましたが、このニジガクの第1話「はじまりのトキメキ」見て再びラブライブ!と出会い直す決意を固めました。
それぐらい最高の1話だったということを感じながら感想を綴りました。
これまでのニジガクのコンテキストがほとんど分からない状態なので的はずれな部分もあるかと思いますが、私が見て率直に感じたことを書いたので、ご覧いただければ大変嬉しい限りです。
そして、既にニジガクを追いかけているという方々は、是非これから色々とご教示いただければ幸いです。
それでは早速、第1話の感想を始めさせていただきます。
生まれたトキメキ、あの日から世界は変わり始めたんだ!
モノローグから始まる”また、新しい物語が始まるんだ!”というワクワク感。
”トキメキ”。この言葉がやはり物語のキーワードになりそうです。
序盤の雑貨屋さんめぐりや屋外でランチをしているシーンでは侑と歩夢が暗にトキメキを求めながらも、それとは無縁な日常を過ごしていることが描かれています。
侑の「イマイチ、トキメキが足りないね」という言葉。そして、歩夢が可愛らしい洋服を見ても「もうそういうのは卒業だよ」と言うところ。
子供の頃はトキメキに溢れていたであろうことも伺えます。幼少期の出来事は”今”の彼女たちの行動原理に説得力を持たせる大事な要素にもなると思うので、今後それが語られることも楽しみにしています。
そして、不満は無いけどどこか退屈な侑の日常に、一陣の激しい熱風が吹き込みます。
CHASE! / 優木せつ菜
衝撃的な出逢い。目を奪われ瞳を輝かせる侑。
これこそが、彼女の日常に届いた”トキメキ”。ここから、彼女のトキメキの物語が走り始めるのでしょう。歌詞も今の侑の感情にぴったりです。
この出逢いの瞬間の感情を私は何度も知っているので、思わず涙してしまいました。
そして、印象的だったのが、炎が吹き荒れるシーン。
侑が少女の歌を聴いた時の感情の昂りが象徴的に描かれています。これまでもスクールアイドルが歌う姿が象徴的に描かれているシーンはありましたが、観客の”あなた”の心象風景をここまで目に見える形で大胆に表現したのは初めてではないでしょうか。この表現に、”ニジガクらしさ”の断片を感じ取ったような気がします。
実はこの歌唱シーンの前に観客から不穏な言葉が飛び出していました。
あれ?せつ菜ちゃんひとり?
新しいグループのお披露目だったよね
最後に深々とお辞儀をして汗を流し去るシーンがありますが、どこか決意を固めて歌い上げた様子が伝わってきます。
侑たちにとってはトキメキに出逢う重要なシーンでしたが、もしかするとせつ菜にとってはこのライブが別の意味で重要な岐点となるライブだったのかもしれません。その対比もあって、今後振り返った時に見え方が変わりそうな場面のひとつだなと思いました。
そして、ライブでは侑のトキメキにフォーカスされていましたが、実はこの時歩夢も感じ取ったものがあったことが、この一瞬の表情や後半の話から分かります。
それから侑は、夜遅くまでスクールアイドルを調べ、動画を漁り「みんな格好良くて、可愛くて、輝いていて、もう完全にときめいちゃった!」と言葉にするくらい、すっかりスクールアイドルに夢中になっていることが分かります。
大学受験も控えているからと歩夢は口にしますが、むしろ勉強が捗るとスクールアイドルのチカラが日常にいい影響を及ぼしていることを侑はキラキラと語ります。
自分の学校にスクールアイドル同好会があることを知り部室を探す侑。
しかし、そこに現れた”謎の生徒会長”から、スクールアイドル同好会が廃部になることを言い渡されます。失意を目に浮かべる侑。歩夢もそんな侑を見てやるせない気持ちになります。
また、次々と同好会メンバーが映し出されるなか、みんな同好会の廃部を憂いていることが分かります。
この物語が今後どのように展開して、彼女たちのストーリーがクロスしていくのか。挫折の場面で辛くはあるものの、それが楽しみな気持ちもある場面でもありました。
時は夕方に変わり、侑を励まそうとする歩夢の姿がありました。学校を探せばせつ菜さんがいるかもと歩夢は励ましますが、侑はせつ菜さんが同好会を辞めるのも理由があると思うから、と事情があるだろうことをしっかり受け入れながら”現実”を口にします。
やっぱり、難しいのかな。夢、追いかけるのって。
アイドルやるってそういうことでしょ?自分の夢はまだ無いけどさ。
夢を追いかけてる人を応援できたら、私も何かが始まる。
そんな気がしたんだけどな。なんてねっ!
侑はアイドルの難しい現実を想像しながらも、同時にアイドル(夢を追いかける人)を応援することによって”自分のなかの可能性”が広がることを直感で感じ取っていました。この”アイドル観”が後に彼女のストーリーに大きな影響を及ぼすことになりそうです。
侑の話を聞いて一瞬立ち止まる歩夢でしたが、すぐに笑顔を浮かべます。彼女のなかでも侑の話に共感して前向きになる部分がこの時にあったのでしょう。
ここまではどちらかといえば侑の感情の機微にフォーカスされていましたが、ここから歩夢の物語が動き始めるんだと言わんばかりに、彼女の心の動きに焦点が当てられ始めます。
歩夢は最初に目にした洋服をショーウィンドウ越しに再び眺めますが、冒頭の時とは打って変わって神妙な面持ちです。最初は無意識で遠慮していたように見えても、”意識”をし始めると何か思うところが出てきたようです。
そして、場面は夜の帰り道に―
二人で始めようよ、侑ちゃん!
歩夢が、はじめて自分の感情を口にします。
私も見てたの、動画。スクールアイドルの
せつ菜さんのだけじゃなくて、沢山
本当にすごいと思ったよ!自分の気持ちをあんなに真っ直ぐ伝えられるなんて…
スクールアイドルって本当にすごい!
私もあんな風にできたら何て素敵だろうって。
歩夢のスクールアイドルに対する純粋で素直な強い気持ちが、優しい劇伴に乗って溢れ出しました。そして、そんな気持ちが”はじめから”あったことを打ち明けます。確かにせつ菜のステージを見た場面でも、彼女の気持ちが揺さぶられたことが見て取れるシーンがありました。
それでも、動き始めたなら止めちゃいけない。
我慢しちゃいけない。
わたし、好きなの!
ピンクとか可愛い服だって”今でも”大好きだし、着てみたいって思う!
もしかしたら最初にショーウィンドウのピンクの洋服を見た時も、表情や言葉からは見て取れませんでしたが心のなかには”正直な自分”がいたのかもしれません。
それをキラキラと輝きながら”好き”を歌うスクールアイドルを見て、そして幼馴染で親友の侑が”好き”を真っ直ぐに熱く語る姿を目の当たりにしたからこそ、自分の中の”好き”という正直なトキメキの感情を歩夢は外に出すことが出来たのでしょう。
先ほど、歩夢の感情にフォーカスされ始めたときに彼女の物語が動き出したと言いましたが、彼女の物語は最初から始まっていたのかもしれません。
自分に素直になりたい
だから見てて欲しい
私はスクールアイドルやってみたい!
階段の上で目をつぶり静かに歌い出す姿。”あの瞬間”もリフレインします。
『Dream with You』
普通の階段でも歩夢が歌うことでありったけの想いを込めて歌うステージに生まれ変わります。せつ菜も階段のステージで歌ってましたが、スクールアイドルは輝ける場所がいつでもステージになることが対照的に証明されています。
『CHASE!』の炎の表現もそうでしたが、ピンクの衣装を着てメルヘンなステージで歌う歩夢の姿は彼女が夢に見たアイドルの姿そのものであり、きっと侑も同じように彼女の姿が見えていると思います。
衣装やステージは「ふしぎの国のアリス」がモチーフかと思いますが、非日常を夢見る少女のモチーフとしてはバッチリだと思いました。それが特に歩夢がずっと好きだった可愛いピンクの衣装とマッチして、オリジナルなアリスの姿に生まれ変わっていたのが大変よかったです。
そして、特に見逃せないのが歌詞。「ひとりじゃないからどこまでも行ける気がするよ」「繋いだ手 その温もりが胸いっぱいの勇気をくれたから」。”夢を追いかける勇気”を侑がくれたから”歩き出そう”と決意できた歩夢の物語が、そのまま歌に乗せて届けられています。
歩夢という名前にピッタリの歌詞。そして、きっと『Dream with You』というタイトルは”あなたとなら夢を見れる”という意味と同時に、”侑となら夢を見れる”というダブルミーニングにもなっているのでしょう。
「私の夢を一緒に見てくれる?」という歩夢の言葉に対して「もちろん!」と侑は笑顔で手を握り返します。
いつだって私は歩夢の隣にいるよ!
うんっ!
二人の夢が始まることを描いて、第1話は幕を閉じました。
さて、TVアニメ『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』の第1話が終了しました。
最初は楽しめるか不安でしたが、実際に見てみるとラブライブ!やサンシャイン!!を見た時と同じような得も言われぬエモい感情になっている自分がいることに気が付き安心しました。
というのも冒頭でも触れましたが、実はニジガクのコンテンツにこれまでほとんど触れてきませんでした。色々とタイミングが重なったのかもしれません。
理由はさて置き、これまで虹ちゃんを追いかけてこなかったのを後悔するくらい素晴らしい第1話でした。
とはいいつつも、過ぎ去った時間を後悔しても仕方がないので、えみつん先輩の「出会った瞬間がラブライブ!の始まり」というありがたいお言葉を借りながら、再び出会い直そうと思ったのが第1話を見終えての個人的な気持ちの結びとなります。
繰り返しになりますが、第1話「はじまりのトキメキ」は本当に素晴らかったです。
やはり普通の少女が”夢と出逢う瞬間”は輝いて見えますし、何度も胸が震える場面がありました。
自分はラブライブ!の”好き”を叫びながら”好き”が伝播していく過程がやはり大好きなので、これまで連綿と続いてきたスクールアイドルの継承がせつ菜から侑や歩夢へと繋がっていったのが嬉しくて仕方ありませんでした。
さらにこの1話では、前半でせつ菜のステージを見てスクールアイドルを応援することのトキメキを知った侑がその”好き”の感情を表すことで、後半で本当の気持ちを隠していた歩夢が一歩踏み出せた、しかも侑となら一緒に歩き出せると歌ったのは、本当に素晴らしい構成だなと思いました。
『CHASE!』の歌詞の通りに侑や歩夢の物語が展開し、『Dream with You』で歩夢の気持ちが最大限に表現されたのも、伝統的なミュージカルらしい表現で感動しました。新しい大胆なステージングの演出もあったのも、次回からどんなスクールアイドルのライブが見られるのか楽しみで仕方ありません。
ときめきが伝播していく過程。それこそが本作のテーマでもある「届け!ときめき―。」の大切なもののひとつであり、それが同時に私たちのもとにも届くということなのかなと1話を見て思いました。
最高の夢を叶える物語~ラブライブ!フェスに寄せて~
LoveLive! Series 9th Anniversary ラブライブ!フェス
2020年1月18日、19日両日共に参加してきました。
まずは、ラブライブ!プロジェクト本当に9周年おめでとうございます!
そして、ありがとう!
これに尽きますね。
「9th Anniversary」なんですから。
3rdライブでμ'sに出会って。
AqoursにもSaint Snowにもニジガクにも。
それから全部ぜんぶ自分の中に残っているから、予習とかは特にしなかったよね。
だって何が来ても最高!だったし、3時間ずっと”スクールアイドルだらけの大運動会”とかやられても「やっぱラブライブ!なんだよな~」ってなる未来しか見えなかったし。
細かいセトリとか演出とかに言及してるといくら時間があっても足りないので要点だけまとめておきます。
- 9年分の「ありがとう」と「おめでとう」を
- スキのちからで 飛んで飛んでみようか
- あの頃のまま、変わらないもの
- ラブライブ!の舵取りはAqours
- スクールアイドルが繋いできた場所
- 青春はずっと僕らのそばに