きりんログ

-愛と青春と声豚の記録-

憧れ星追う小小星|ラブライブ!スーパースター!!第3話に寄せて

ラブライブ!スーパースター‼公式サイトより

ラブライブ!スーパースター!!』第3話「クーカ―」

ラブライブ!前半の山場である第3話。ラブライブ!のエッセンスが凝縮した物語がテンポ良く描かれた第1話、2話を受け、予告映像から早くも神回を確信した人は多いのではないでしょうか。


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そして待ちに待った3話を見ましたが、かのんとクゥクゥの気持ちがひとつになり夢のステージへと向かう物語は、まるでワンクールアニメの最終回かと思うほど濃密なストーリーで涙を禁じえませんでした。

 

最高のライブができたから!|気持ちは結果を超越する

スーパースターを見ていると、ラブライブ!シリーズを通して描かれる「本当に好きなもの」「本当にやりたいこと」に向き合うことの尊さが強く感じられるのが、とても大好きなところです。

"フェスで一位を取らなきゃならない"というプレッシャーから人前で歌えなくなるかのんでしたが、クゥクゥから熱い言葉をもらい、「1人じゃない」「2人で最高のライブをしたい」という想いを持つことで、その困難を乗り切ってみせました。

ラブライブ!やサンシャイン‼︎でも、廃校を救う目標やラブライブ!に出場する目標よりもっと大切な気持ちがあると謳い続けてきましたが、このスーパースターではたった3話でこれほど熱くラブライブ!の核を物語に投影していたことに驚きました。

その日のフェスは新人特別賞をもらえた。
でも一位はやっぱりサニーパッション。
だから私たちはスクールアイドルを続けられないかもしれない。
でも全然後悔してないんだ。
だってクゥクゥちゃんと約束した最高のライブができたから!

2人で約束した最高のライブが実現できたこと。結果よりも大切なものがあったことが、かのんの言葉から伝わってきます。

気持ちは結果を超越する。この物語では結果が後から追いかけてくるのです。

 いよいよ登場したスーパースターのライバルグループ的存在サニーパッション。
 よりによってクーカーが一位を取らなきゃいけない代々木スクールアイドルフェスに出場しましたが、ゲームで言う主人公の負け確定イベントとしては最高の出方だと思いました。
 スクールアイドルフェスの大会にもしもサニパが出ていなかったら、クーカーが一位を取れていたかもしれません。そうすると本来描きたかった物語にならなかったでしょう。
 また他の名もなきグループが優勝したとしても、前回の東京代表サニパが一位を取るほど説得力や納得感は出なかったと思います。
 ライバルグループが登場して存在感をアピールする姿を描きながら、クーカーが新人特別賞というギリギリ次に繋がりそうな絶妙なラインにプロットした辺り、素晴らしいシナリオだなと感じました。

歌える、ひとりじゃないから!|相手を信じる自分を信じる

3話で特に印象に残っているのは、かのんとクゥクゥが本当の気持ちをさらけ出すシーンでしょうか。

かのんがステージで歌えない問題を解決したのは時間ではなく、千砂都が2人で話し合う場を作り、クゥクゥと想いを交換し、相手を信じる自分を信じることができたから。

かのんさんがいたから今のククは頑張れてるんです!
無理に歌わなくていい…
かのんさんが歌えるようになるまで諦めない!

かのんがいたからクゥクゥは頑張れる。クゥクゥはかのんを信じるからこそ諦めない。千砂都を再び勧誘した理由もかのんが嬉しいからと言ってましたが、彼女が頑張れる原動力はここにあるのかもしれません。

クゥクゥちゃんの夢が終わってしまうかもしれない…私のせいで。
せっかく上海から来て、やりたいことがあって、こんな夢に向かって始まったばかりの時に
私のせいで夢を諦めなきゃならないとなったら申し訳なさすぎるよ…
ステージに立てない。ごめんなさい。
 
自分のことを悪く言わないでください。
かのんさんに心奪われた私も可哀想になっちゃいます。

このクゥクゥのセリフは3話の中で特に印象に残ってるセリフです。かのんが自分を否定することで、彼女を信じるクゥクゥ自身の気持ちも否定されることになる。クゥクゥが他の誰でもない自分自身の感情をストレートにぶつけたからこそ、かのんの心に深く刺さっていくのでしょう。

クゥクゥは、教育熱心な家庭に生まれたこと。自分自身もやりたいことが無かったことを告白します。

そんな時にスクールアイドルに出逢って心が惹かれたこと。そしてかのんにも同じ気持ちを抱いたと語ります。

こんな風に自分の気持ちや感じたことを自由に歌ってみたい。
かのんさんの歌を初めて聴いた時、それと同じくらいワクワクしたんです。
だからもうかのんさん、私にとってのスターなんです。夢なんです。
かのんさんと同じステージに立つことは夢の一つなんですから。
 

クゥクゥちゃんがこんなに頑張ってるんだもん。
こんな私でも一緒にステージに立ちたいって言ってくれたんだもん。
ギリギリまで自分を信じてやれることを精一杯やってみる。

 

"憧れのかのんとステージに立つことが夢"という最上級の肯定の言葉を受けて、遂にかのんも自分自身のことを肯定することができました。

かのんって呼んでよ。

 

お互いの気持ちが本当の意味で対等になります。

相手が信じる自分を信じるということ。その心強さが、とてつもなく説得力のある言葉の掛け合いから感じることができました。

Tiny Stars|憧れ抱いて叶えた夢のステージ

遂にたどり着いた代々木スクールアイドルフェスのステージ。これからLiella!になる5人が集結する”これぞラブライブ!”な熱い演出もありました。

歌える、1人じゃないから!

信じる仲間と一緒だから立つことができたステージ。最後はお客さんの声援や光がかのんの背中を後押ししました。

ずっとかのんの手を引っぱってくれたクゥクゥが緊張と不安で震えますが、今度は覚醒したかのんが力強くクゥクゥの手を握り"合図"を送ります。

仲間と一緒だから歌える。みんなのために歌いたい。2人で作った初めての曲「Tiny Stars」が披露されます。

 


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スクールアイドルという夢に出逢えたクゥクゥの気持ち。1人じゃないから夢を見れる、追いかけたい夢があるという2人の気持ち。

星空の下まばゆい光に包まれ歌うかのんとクゥクゥの姿は、星に願いを込めて夢見る王女様のようでいて、美しく輝いて見えました。

大きな流れ星を追いかけ始めた2人の輝きはまだ小さい。けれども、ずっと追いかけたいと思えるそんな煌めき放つ小小星。

かのんとクゥクゥ、2人のはじまりにふさわしく、綺羅り光る輝きに満ち溢れた最高の夢舞台でした。