きりんログ

-愛と青春と声豚の記録-

【ラブライブ!ニジガク TVアニメ】第1話「はじまりのトキメキ」感想ひとりごと

TVアニメ『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』がスタートしました。

ラブライブ!の作品から長い間離れていましたが、このニジガクの第1話「はじまりのトキメキ」見て再びラブライブ!と出会い直す決意を固めました。

それぐらい最高の1話だったということを感じながら感想を綴りました。

これまでのニジガクのコンテキストがほとんど分からない状態なので的はずれな部分もあるかと思いますが、私が見て率直に感じたことを書いたので、ご覧いただければ大変嬉しい限りです。

そして、既にニジガクを追いかけているという方々は、是非これから色々とご教示いただければ幸いです。

それでは早速、第1話の感想を始めさせていただきます。

 

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生まれたトキメキ、あの日から世界は変わり始めたんだ!

ノローグから始まる”また、新しい物語が始まるんだ!”というワクワク感。

”トキメキ”。この言葉がやはり物語のキーワードになりそうです。

 

序盤の雑貨屋さんめぐりや屋外でランチをしているシーンでは侑と歩夢が暗にトキメキを求めながらも、それとは無縁な日常を過ごしていることが描かれています。

侑の「イマイチ、トキメキが足りないね」という言葉。そして、歩夢が可愛らしい洋服を見ても「もうそういうのは卒業だよ」と言うところ。

子供の頃はトキメキに溢れていたであろうことも伺えます。幼少期の出来事は”今”の彼女たちの行動原理に説得力を持たせる大事な要素にもなると思うので、今後それが語られることも楽しみにしています。

 

そして、不満は無いけどどこか退屈な侑の日常に、一陣の激しい熱風が吹き込みます。

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CHASE! / 優木せつ菜

衝撃的な出逢い。目を奪われ瞳を輝かせる侑。

これこそが、彼女の日常に届いた”トキメキ”。ここから、彼女のトキメキの物語が走り始めるのでしょう。歌詞も今の侑の感情にぴったりです。

この出逢いの瞬間の感情を私は何度も知っているので、思わず涙してしまいました。

 

そして、印象的だったのが、炎が吹き荒れるシーン。

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侑が少女の歌を聴いた時の感情の昂りが象徴的に描かれています。これまでもスクールアイドルが歌う姿が象徴的に描かれているシーンはありましたが、観客の”あなた”の心象風景をここまで目に見える形で大胆に表現したのは初めてではないでしょうか。この表現に、”ニジガクらしさ”の断片を感じ取ったような気がします。

 

実はこの歌唱シーンの前に観客から不穏な言葉が飛び出していました。

あれ?せつ菜ちゃんひとり?

新しいグループのお披露目だったよね

最後に深々とお辞儀をして汗を流し去るシーンがありますが、どこか決意を固めて歌い上げた様子が伝わってきます。

侑たちにとってはトキメキに出逢う重要なシーンでしたが、もしかするとせつ菜にとってはこのライブが別の意味で重要な岐点となるライブだったのかもしれません。その対比もあって、今後振り返った時に見え方が変わりそうな場面のひとつだなと思いました。

 

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そして、ライブでは侑のトキメキにフォーカスされていましたが、実はこの時歩夢も感じ取ったものがあったことが、この一瞬の表情や後半の話から分かります。

 

それから侑は、夜遅くまでスクールアイドルを調べ、動画を漁り「みんな格好良くて、可愛くて、輝いていて、もう完全にときめいちゃった!」と言葉にするくらい、すっかりスクールアイドルに夢中になっていることが分かります。

大学受験も控えているからと歩夢は口にしますが、むしろ勉強が捗るとスクールアイドルのチカラが日常にいい影響を及ぼしていることを侑はキラキラと語ります。

 

自分の学校にスクールアイドル同好会があることを知り部室を探す侑。

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しかし、そこに現れた”謎の生徒会長”から、スクールアイドル同好会が廃部になることを言い渡されます。失意を目に浮かべる侑。歩夢もそんな侑を見てやるせない気持ちになります。

また、次々と同好会メンバーが映し出されるなか、みんな同好会の廃部を憂いていることが分かります。

この物語が今後どのように展開して、彼女たちのストーリーがクロスしていくのか。挫折の場面で辛くはあるものの、それが楽しみな気持ちもある場面でもありました。

 

時は夕方に変わり、侑を励まそうとする歩夢の姿がありました。学校を探せばせつ菜さんがいるかもと歩夢は励ましますが、侑はせつ菜さんが同好会を辞めるのも理由があると思うから、と事情があるだろうことをしっかり受け入れながら”現実”を口にします。

やっぱり、難しいのかな。夢、追いかけるのって。

アイドルやるってそういうことでしょ?自分の夢はまだ無いけどさ。

 

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夢を追いかけてる人を応援できたら、私も何かが始まる。

そんな気がしたんだけどな。なんてねっ!

 

侑はアイドルの難しい現実を想像しながらも、同時にアイドル(夢を追いかける人)を応援することによって”自分のなかの可能性”が広がることを直感で感じ取っていました。この”アイドル観”が後に彼女のストーリーに大きな影響を及ぼすことになりそうです。

 

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侑の話を聞いて一瞬立ち止まる歩夢でしたが、すぐに笑顔を浮かべます。彼女のなかでも侑の話に共感して前向きになる部分がこの時にあったのでしょう。

ここまではどちらかといえば侑の感情の機微にフォーカスされていましたが、ここから歩夢の物語が動き始めるんだと言わんばかりに、彼女の心の動きに焦点が当てられ始めます。

 

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歩夢は最初に目にした洋服をショーウィンドウ越しに再び眺めますが、冒頭の時とは打って変わって神妙な面持ちです。最初は無意識で遠慮していたように見えても、”意識”をし始めると何か思うところが出てきたようです。

 

そして、場面は夜の帰り道に―

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二人で始めようよ、侑ちゃん!

 

歩夢が、はじめて自分の感情を口にします。

 

私も見てたの、動画。スクールアイドルの

せつ菜さんのだけじゃなくて、沢山

本当にすごいと思ったよ!自分の気持ちをあんなに真っ直ぐ伝えられるなんて…

スクールアイドルって本当にすごい!

私もあんな風にできたら何て素敵だろうって。

 

歩夢のスクールアイドルに対する純粋で素直な強い気持ちが、優しい劇伴に乗って溢れ出しました。そして、そんな気持ちが”はじめから”あったことを打ち明けます。確かにせつ菜のステージを見た場面でも、彼女の気持ちが揺さぶられたことが見て取れるシーンがありました。

 

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それでも、動き始めたなら止めちゃいけない。

我慢しちゃいけない。

 

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わたし、好きなの!

ピンクとか可愛い服だって”今でも”大好きだし、着てみたいって思う!

 

もしかしたら最初にショーウィンドウのピンクの洋服を見た時も、表情や言葉からは見て取れませんでしたが心のなかには”正直な自分”がいたのかもしれません。

それをキラキラと輝きながら”好き”を歌うスクールアイドルを見て、そして幼馴染で親友の侑が”好き”を真っ直ぐに熱く語る姿を目の当たりにしたからこそ、自分の中の”好き”という正直なトキメキの感情を歩夢は外に出すことが出来たのでしょう。

先ほど、歩夢の感情にフォーカスされ始めたときに彼女の物語が動き出したと言いましたが、彼女の物語は最初から始まっていたのかもしれません。

 

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自分に素直になりたい

だから見てて欲しい

 

私はスクールアイドルやってみたい!

 

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階段の上で目をつぶり静かに歌い出す姿。”あの瞬間”もリフレインします。

 

『Dream with You』

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普通の階段でも歩夢が歌うことでありったけの想いを込めて歌うステージに生まれ変わります。せつ菜も階段のステージで歌ってましたが、スクールアイドルは輝ける場所がいつでもステージになることが対照的に証明されています。

『CHASE!』の炎の表現もそうでしたが、ピンクの衣装を着てメルヘンなステージで歌う歩夢の姿は彼女が夢に見たアイドルの姿そのものであり、きっと侑も同じように彼女の姿が見えていると思います。

衣装やステージは「ふしぎの国のアリス」がモチーフかと思いますが、非日常を夢見る少女のモチーフとしてはバッチリだと思いました。それが特に歩夢がずっと好きだった可愛いピンクの衣装とマッチして、オリジナルなアリスの姿に生まれ変わっていたのが大変よかったです。

そして、特に見逃せないのが歌詞。「ひとりじゃないからどこまでも行ける気がするよ」「繋いだ手 その温もりが胸いっぱいの勇気をくれたから」。”夢を追いかける勇気”を侑がくれたから”歩き出そう”と決意できた歩夢の物語が、そのまま歌に乗せて届けられています。

歩夢という名前にピッタリの歌詞。そして、きっと『Dream with You』というタイトルは”あなたとなら夢を見れる”という意味と同時に、”侑となら夢を見れる”というダブルミーニングにもなっているのでしょう。

 

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「私の夢を一緒に見てくれる?」という歩夢の言葉に対して「もちろん!」と侑は笑顔で手を握り返します。

 

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いつだって私は歩夢の隣にいるよ!

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うんっ!

 

二人の夢が始まることを描いて、第1話は幕を閉じました。

 

さて、TVアニメ『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』の第1話が終了しました。

最初は楽しめるか不安でしたが、実際に見てみるとラブライブ!やサンシャイン!!を見た時と同じような得も言われぬエモい感情になっている自分がいることに気が付き安心しました。

というのも冒頭でも触れましたが、実はニジガクのコンテンツにこれまでほとんど触れてきませんでした。色々とタイミングが重なったのかもしれません。

理由はさて置き、これまで虹ちゃんを追いかけてこなかったのを後悔するくらい素晴らしい第1話でした。

とはいいつつも、過ぎ去った時間を後悔しても仕方がないので、えみつん先輩の「出会った瞬間がラブライブ!の始まり」というありがたいお言葉を借りながら、再び出会い直そうと思ったのが第1話を見終えての個人的な気持ちの結びとなります。

 

繰り返しになりますが、第1話「はじまりのトキメキ」は本当に素晴らかったです。

やはり普通の少女が”夢と出逢う瞬間”は輝いて見えますし、何度も胸が震える場面がありました。

自分はラブライブ!の”好き”を叫びながら”好き”が伝播していく過程がやはり大好きなので、これまで連綿と続いてきたスクールアイドルの継承がせつ菜から侑や歩夢へと繋がっていったのが嬉しくて仕方ありませんでした。

さらにこの1話では、前半でせつ菜のステージを見てスクールアイドルを応援することのトキメキを知った侑がその”好き”の感情を表すことで、後半で本当の気持ちを隠していた歩夢が一歩踏み出せた、しかも侑となら一緒に歩き出せると歌ったのは、本当に素晴らしい構成だなと思いました。

『CHASE!』の歌詞の通りに侑や歩夢の物語が展開し、『Dream with You』で歩夢の気持ちが最大限に表現されたのも、伝統的なミュージカルらしい表現で感動しました。新しい大胆なステージングの演出もあったのも、次回からどんなスクールアイドルのライブが見られるのか楽しみで仕方ありません。

 

ときめきが伝播していく過程。それこそが本作のテーマでもある「届け!ときめき―。」の大切なもののひとつであり、それが同時に私たちのもとにも届くということなのかなと1話を見て思いました。