【ラブライブ！ニジガク TVアニメ】第3話「大好きを叫ぶ」感想ひとりごと
『ラブライブ！虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』第3話「大好きを叫ぶ」
2話のかすみんとは対象的に格好いいアイドルを極めたいせつ菜回。
ラブライブ！シリーズにおいてターニングポイントになる第3話において、ニジガクでは本当にやりたいことをするために”ラブライブに出場しない”という決断をしながら、せつ菜の過去のトラウマも乗り越え、更にここから新しい始まりを予感させるような今後が楽しみになる回になっていました。
前回のかすみん回からの延長線上で、スクールアイドルとラブライブ！と決別する想いをせつ菜は部員にぶつけます。
「大好きを叫びたかった私が、他の人の大好きを傷つけた。だから…」
しかし、彼女はまだ葛藤の中にありました。
そんな中、せつ菜は自身の曲をピアノで弾く侑と出会います。
「でも時々思っちゃうんだよね。あのライブが最後じゃなくて、はじまりだったら最高だろうなって」
せつ菜のライブに感動してスクールアイドルのことが大好きになった侑の純粋な言葉に対して、「なんでそんなことを言うんですか？」と生徒会長は否定します。そして、せつ菜はあそこで辞めて正解だった、スクールアイドル同好会は再起不能になっていたはずだ、と。前回を見ていると、自分の好きとスキルに偏重したパフォーマンスを一方的に押し付け続けていれば生徒会長が言うような状態になるのも頷けます。
「ラブライブ！はそのファンにとって最高のステージ。あなたもせつ菜さんのファンならそこに出て欲しいと思うでしょ。勝利に必要なのは、メンバーがひとつの色にまとまること。せつ菜さんの”大好き”は自分本意なワガママに過ぎませんでした。」
遂にニジガクでも登場した”ラブライブ！”というキーワード。”ラブライブ！に出るのは必然”と語った上で、サンシャインにも見た技術偏重型の色が強い大会において”ひとつの色にまとまることこそが勝利の条件”と語ります。
後者については生徒会長自身も”自分本意なワガママに過ぎない”と言い、前回でも解決済のテーマです。しかし、ラブライブ！を目指す上では技術偏重型の大会にどう挑むかというテーマは捨てておけません。このニジガクではどのようにしてその壁を乗り越えるのか。楽しみで仕方ありません。
期待されるのは嫌いじゃないけど。ひとつくらい自分の大好きなこともやってみたかった。
私の大好きはファンどころか、仲間にも届いていなかった。
せつ菜は自分本意のワガママだと言っても、やはり自分の大好きなこともやってみたかったという想いも同時に持っているようです。それでも、その大好きは他の人の大好きを傷つけてしまうのだと。そのジレンマの中、せつ菜は自分の進退に変えることこそが同好会を存続させる道になると、”最後のワガママ”を断行することを誓います。
その一方で、同好会再結成のためにメンバーが集まります。もう目的は達成した、せつ菜が辞めることを無理に引き止める必要は無いのでは？という果林の投げかけに対して、侑は「本当にやめたいのかな。せつ菜ちゃん辞めてもいいんですか？」と全員に問いかけます。”せつ菜は素敵なスクールアイドル”、”自分たちの力不足もあった”、”みんなでステージに立ちたいから”と、本当はせつ菜を引き止めたい気持ちを部員全員が顕にします。
今はちょっとだけ気持ちが分かる気がするんですよ。前の繰り返しになるのは嫌ですけど、きっとそうじゃないやり方もあるはずで。それを見つけるにはかすみんと全然違うせつ菜先輩がいてくれないとダメな気がするんです！
具体的な壁の乗り越え方は分からないけど、新しいスクールアイドル同好会として前に進むために”自分と全然違う”からこそせつ菜先輩が必要だという気持ち。前回同じような葛藤を乗り越えて成長したかすみんだからこそ説得力のある言葉。胸に響きました。
そして、せつ菜を屋上へと呼び出すみんな。想いを伝えるのは侑でした。
スクールアイドルとしてせつ菜ちゃんに同好会に戻って欲しいんだ
侑は事情を知った上でこのように言ったので、せつ菜は当然のように激昂します。
私が同好会にいたらみんなのためにならないんです！私がいたらラブライブに出られないんですよ！
だったら…だったらラブライブなんて出なくていい！
力強い侑の言葉。せつ菜も思わず面食らいます。
ラブライブがどうだからとかじゃなくて…私はせつ菜ちゃんが幸せになれないのが嫌なだけ。ラブライブみたいな最高のステージじゃなくてもいいんだよ。せつ菜ちゃんの歌が聞ければ十分なんだ
一番大切なのは、何を成し遂げたいかではなく、どうありたいかという気持ち。ラブライブ！といえば、これまで描かれてきた通り最高のステージであることは火を見るより明らかですが、それに代えてでももっと大切なことがある。大胆でせつ菜想いで、ある意味で”ワガママ”な侑の熱い気持ちに思わず涙してしまいました。
スクールアイドルがいて、ファンがいる。それでいいんじゃない？
こんなに好きにさせたのはせつ菜ちゃんだよ！
せつ菜というスクールアイドルに出会い、彼女や歩夢のファンになった侑だからこそ言える説得力のある言葉。
私の本当のワガママを…大好きを貫いてもいいんですか！？
「もちろん！」という侑の真っ直ぐな言葉に目を潤ませるせつ菜。根底では自分の大好きなことをやってみたかったという偽りのない想い。それをありのままに出していいんだよと。
分かっているんですか？あなたは今自分が思ってる以上に凄いことを言ったんですからね！どうなっても知りませんよ！
生徒会長中川菜々という仮面を脱ぎ捨てて、本当になりたい優木せつ菜として生まれ変わった姿。
これは始まりの歌です！
DIVE！
せつ菜らしい格好良くて凛々しい激しいパフォーマンス。自分の大好きが爆発していました。
自分の本当の始まりを告げる歌。抑えていた大好きを解き放つような鮮烈な歌詞が印象的です。
虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会、優木せつ菜でした！
最高に格好いいスクールアイドル優木せつ菜が誕生した瞬間でした。
ニジガク第3話。ラブライブ！に出るのは必然というこれまでのシリーズの常識を置いておきながら、技術偏重型の大会を乗り越えるためには誰かの大好きを否定しなければならないという難題に対して、「ラブライブ！に出ない」という思い切った決断をした既存シリーズを通貫した守破離でいえば破に当たるような回。
確かにラブライブ！に出ないという選択肢も前作までにありましたが、ターニングポイントとなる第3話でこの決断をした上で、新しい始まりを告げて次に進むためのお話としては重要な回だったのではないでしょうか。
そうなるとやはり気になるのは離。じゃあニジガクのスクールアイドルとしての走り方は？トキメキ方は？です。
ニジガクの真の始まりはここからになると思うので、次回からの展開を楽しみに待ちたいと思います。
