【ラブライブ！ニジガク TVアニメ】第2話「Cutest♡ガール」感想ひとりごと
『ラブライブ！虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』第2話「Cutest♡ガール」
天真爛漫なかすみんの可愛さが弾けた第2話。
可愛いアイドルであることに強いこだわりを持つ中須かすみと、格好いいアイドルであることに強いこだわりを持つ優木せつ菜の対立から今回のテーマが生まれます。
ともすればスタイルウォーズになりがちな”アイドルらしさとは？”というテーマですが、”みんな違ってみんないい”というありふれた答えではあるものの、多様性を尊重し各人の好きを形にし合う「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」というグループの指針としてはこの上ない答えだと思い、これからの物語の方向性すら視聴者に予感させる思わず膝を打ちたくなるような回でした。
生徒会長と対立するかすみんは、歩夢・侑と出会います。侑から可愛くて、料理もできるんだと褒められたかすみんは、”可愛くて”というキーワードに異常に反応しています。その後のパートでも”可愛くありたい”ことに人一倍こだわりが強いかすみんの姿が描かれます。
かすみんは「（可愛いは）アイドルの基本ですから」と言うように、彼女のスクールアイドル観の根っこの部分に”アイドル＝かわいい存在”という図式が成り立っていることが分かります。
しかし、その一方で可愛くあろうとすることに抵抗を感じている歩夢。侑も”せつ菜ちゃんは可愛いというより格好良いっていう感じだった”と、アイドルのあるべき姿が一様では無いことが暗に語られ始めます。
そこで告げられる、かすみんとせつ菜の対立のキッカケのお話。”こんなパフォーマンスではファンに気持ちは届かない”というせつ菜の考え方に対してかすみんは反感を覚えたと言います。それは、”お披露目ライブに目標を決めたあたりから”。
つまり、ファンを喜ばせるライブがしたいという具体的な”目標”が見え始めたことで、ファンに気持ちを届ける”手段”の考え方に二人の間に相違が生まれ、お互い対立をし始めたと。
「かすみちゃんもせつ菜ちゃんもファンに届けたいものがあるんだね」
かすみんはその”手段”に相違点があったから対立が生まれたと思っていますが、侑は二人の”目標”自体は本質的に一緒だと気づきます。
そんな折にハッとするかすみん。
”突き詰めた格好良いパフォーマンスじゃないとファンに気持ちは届かない”と部員に言葉をぶつけるせつ菜の姿を思い出して、自分も（歩夢に対して）同じことをしているかもしれない、と気づきます。
繰り返しになりますが、彼女たちはお互いのことが単に嫌いな訳ではなく、熱い思いを持っているからこそ、そのやり方の違いでぶつかり合っているのです。
慣れない”可愛い”を習得するため歩夢は特訓をしますが、果林先輩から「それはあなたの言葉？もっと伝える相手のことを意識したほうがいいわよ」と告げられます。頭では分かっていても今の私に”ファン”はいないからと歩夢は答えますが、その後すぐにハッとして親友の侑という”応援してくれる人”がいることに気がつきます。
この場面で、彼女自身も”気持ちを届けたい相手（目標）”がいることを知り、”どうすれば気持ちを届けられるか（手段）”を考え始める機会を得ることができます。ただ、これまでのかすみんやせつ菜と違うのは、”第一に伝える相手のことを意識”し、その上で”自分なりの言葉で想いを届ける”という姿勢で考え始めたこと。
果林先輩からアドバイスをもらった歩夢は、一足先に”アイドルのあるべき姿（大切な人に気持ちを届ける手段）が一様では無い”ことを体現し始めるのです。
再び自己紹介を自ら披露する歩夢。そこには、他人から定義された”可愛い”であろうという姿ではなく、”自分の好きをありのままに表現して一歩一歩頑張る姿を見守って欲しい”という”歩夢らしいアイドルの姿”がありました。
それを見ていた侑も”トキメキ”を口にしますし、かすみんも彼女のことを認めました。
多分やりたいことが違っても大丈夫だよ。うまく言えないけどさ、自分なりの一番をそれぞれ叶えるやり方ってきっとあると思うんだよね。探してみようよ！それに、その方がきっと楽しくない？
侑が、今回の答えになる核心に迫る言葉を告げました。そしてこの言葉は、これからの同好会の行動指針にもきっとなるはずです。
”それぞれが好きなことで頑張れるなら”。かつてμ'sが歌った詞にもあり、また無印やサンシャインの物語でも個性を尊重することの大切さは謳われてきましたが、同じスクールアイドルのグループではなく個人のアイドルとしてステージに立つ虹ヶ咲でもこのメッセージが繰り返され強調されることになりました。よりパーソナルの活動にフォーカスされるであろう本作においてこのメッセージが用いられたことには大きな意味を感じ、胸が熱くなりました。
「楽しいし、可愛いと思います！」
侑の言葉に呼応するようにかすみんも口にしますが、自分が本当にやりたいことに対して”楽しい”気持ちを持つことこそがスクールアイドルの最強のエンジンであり、好きを”自分らしい姿”で表現することがオンリーワンの走り方になるのです。
（色んな可愛いも格好いいも一緒にいられる。そんな場所が本当に作れるなら…）でも歩夢先輩！どんな素敵な同好会でも、世界で一番可愛いのはかすみんですからね！
かすみんは自分の好きを好きな形で表現するという自分自身のありかただけでなく、格好いいアイドルを極めようとするせつ菜や他の同好会のメンバーがそれぞれの好きを表現しながら、お互いのことを尊重し一緒にいられる”素敵な同好会”を作りたいという夢さえも自分の中に持つようになりました。大きく成長したかすみんの姿は頼もしくトキメイて見えます。
Poppin’Up
軽快な歌、色鮮やかな衣装やお菓子に囲まれたかすみんのパフォーマンスは、可愛さに溢れていました。
歌詞にも、彼女が胸に誓った可愛いアイドルとして自分の夢を追いかけたいという想いが乗せられていました。
色んな可愛いも格好いいも一緒にいられる。そんな場所が本当に作れるなら。そこは絶対、世界一のワンダーランドです！
（終）
さて、かすみんという可愛いアイドル像にこだわる少女の成長物語を通して、ニジガクの指針にもなるであろう重要なテーマが語られました。
冒頭にも述べた通り、新しい答えでは無いもののラブライブ！では繰り返されてきたテーマですし、ことニジガクにおいては大事な意味を持つテーマにもなりえます。そして、何より2話という序盤でこのテーマが扱われたことで、これからの展開への期待感を持つことができたような気がします。
次回はかすみんと対立していたもう一人のせつ菜が主役のお話。どんなトキメく姿を見られるのか楽しみで仕方ありません。
