TALK ABOUT SUNSHINE !! 6 - 未来の僕らは知ってるよ ~『ラブライブ!サンシャイン!!』2期に寄せて ~ -
私たちは輝ける『頑張れば絶対』ってそう感じたんだ。
さて、「TALK ABOUT SUNSHINE !!」の記事も今回で最後となりました。
前回の記事
最後となる今回は、「『ラブライブ!サンシャイン!!』2期に寄せて」ということで、2期を目前として抱いている想いや、2期への期待についてお話させていただきたいと想います。
「2期の展開はこうなるだろう」ということは述べません。今それを考えると自分のものさしで楽しめる可能性を狭めてしまうことになり兼ねないと考えたからです。
ただ、1期を終えて2期へ向かう今「どのような方向に進んでいくのか」という針路だけ見定めて置きたいなと思い、最後はこのような形で書かせていただく運びになりました。
それでは、2期という新しい大海原に向けて、今手元にある羅針盤や未来地図を見定めていきましょう。
感謝
まずは、今回5回に渡り執筆する意欲を沸かせてくれた『ラブライブ!サンシャイン!! TVアニメオフィシャルBOOK』の編集者の方、関係者各位の方、酒井監督、キャストの方々に感謝の意を述べさせてください。
この本を読んで、『ラブライブ!サンシャイン!!』が大好きだという気持ちを再確認できました。それだけに留まらず、酒井監督をはじめとした方の熱い言葉を受け取り、胸が熱くなり、ラブライブを追いかけて来て間違っていなかったんだと思える心強さもいただくことができました。
本当にありがとうございます。
本当にこの本には細部にまで愛が詰まっていることを感じました。本の中のページはもちろんのこと、カバーを外した裏側に至るまでそれを強く感じました。
TVアニメでは途中までしかスクールアイドル部の申請書は書かれていませんでしたが、これを見るとAqoursの全員がスクールアイドル部に加入したことが分かり、「みんな」の想いがひとつになったことが強く感じられました。それぞれの筆跡にはキャラクターの性格が表れているような気がします。ヨハネの文字を修正したのはダイヤさんですよね?
そんな、沢山のことを感じさせてくれるオフィシャルファンブック、これからもこの本を手元に置きながら、『ラブライブ!サンシャイン!!』の物語を追いかけ続けたいなと思います。
勇気はどこに?君の胸に!-憧れのチカラ、心のエンジン-
酒井監督が「1期はμ'sのみなさんに”ありがとう”という気持ちを込めて作った」とおっしゃっていたのですが、μ'sに憧れる気持ちがAqours誕生の原動力にもなりましたし、キャストの私たちが今ここにいるのも、μ'sが好きだったからです。
鈴木愛奈 「ラブライブ!サンシャイン!! TVアニメオフィシャルBOOK」
「1期はμ'sのみなさんに”ありがとう”という気持ちを込めて作った」。この言葉を聞くと、酒井監督が『ラブライブ!』の後継の物語を担ってくれて本当に良かったなという気持ちが湧いてきます。
現に、13話通して、μ'sへの感謝というのが十二分に伝わってきました。μ'sへの憧れを抱いた少女が、そのμ'sへの憧れのチカラで自らも輝けることを知る。そして、μ'sに憧れているからこそ、自分たちだけの走り方ではばたくことを決めた。「自らの輝きを見つける」ことこそが、μ'sへの最大限の感謝なのではないでしょうか。
そして、「キャストの私たちが今ここにいるのも、μ'sが好きだったから」という鈴木愛奈さんの言葉の通り、キャラクター・キャスト間にはそれぞれの憧れの気持ちに開きが無く、「感情に嘘がない」というラブライブの本質まで貫かれています。
”純粋な欲”は心のエンジンなんです。情熱でどこまでも走っていくような……それがなければ物語は始まらない監督 酒井和男 「ラブライブ!サンシャイン!! TVアニメオフィシャルBOOK」
嘘偽りのない、誰かに憧れて、「自分もあの人たちのように輝きたい!!」という”純粋な欲”こそが、彼女たちをここまで突き動かしてきました。
Aqoursは憧れから生まれたグループです。1stシングルからもずっとあるテーマで、輝きはどこから来るのか?それを忘れないようにしました。
監督 酒井和男 「ラブライブ!サンシャイン!! TVアニメオフィシャルBOOK」
「輝きはどこから来るのか?」という問いには、「Aqoursにとっての輝きは、心に抱いた”憧れ”から来た」と言うことができます。心から溢れ出した”純粋な欲”こそが、心のエンジンであり、輝きなのです。
さぁ…ゆめをかなえるのはみんなの勇気まけないこころであしたへかけてゆこう
勇気がつたわればだいじょうぶそんなあついおもいきみからうけとったぼくもいまあついよ『SKY JOURNEY』
私達がゼロから作り上げたものってなんだろう。
形の無いものを追いかけて、迷って、怖くて、泣いて。
そんなゼロから逃げ出したいって。
でも…何も無いはずなのに。
いつも心に灯る光。
この9人でしか出来ないことが必ずあるって信じさせてくれる光。
私たちAqoursは、そこから生まれたんだ!
叶えてみせるよ、私達の物語を!この輝きで!!
君のこころは輝いてるかい?
未来の僕らは知ってるよ-勇気の本質、輝ける確信-
暗喩的に扉から出ていったのは、「これからは今までの『ラブライブ!』のストーリーから飛び出していきたい!」という意味がちょっとだけあります。
監督 酒井和男 「ラブライブ!サンシャイン!! TVアニメオフィシャルBOOK」
先程も触れましたが、1期では「μ'sへの感謝」を描いたように、今までの『ラブライブ!』のストーリーからは大きく逸脱しないものでした。それについては、もはや語る必要は無いでしょう。
2期は1歩前に進んだAqoursの物語が始まります。ここから彼女たちのエンジン全開で進んでいくと思いますので、ぜひ楽しみにしていただければうれしいです。
監督 酒井和男 「ラブライブ!サンシャイン!! TVアニメオフィシャルBOOK」
「1歩前に進んだAqoursの物語」。新しい『ラブライブ!』のストーリーが見られる予感がして胸が高鳴って仕方ありません。
続けて監督は語ります。「ここから彼女たちのエンジン全開で進んでいくと思います」と。彼女たちのエンジン、それは先程も語った通り「憧れ」から生まれた「勇気」に当たるのでしょう。
そして、彼女たちのエンジンである勇気の本質、それは
私たちは輝ける『頑張れば絶対』ってそう感じたんだ。
あたらしいゆめがうまれてくるとぼくたちはしってるよ
と、かつて「未来の僕らは知ってるよ」と歌っていた、9人の少女たちがいたお陰かもしれません。
おわりに
ここまで述べて来て、1期を終えて2期へ向かう今「どのような方向に進んでいくのか」というAqoursの針路は、朧げながらも少しは見定めることができたのではないかと思います。
しかし、彼女たちの本当の物語はここから始まります。
第1話から第13話は、最初はビジュアルしか見えなかったメンバーが世界に形作られていく過程であって、彼女たちはようやく生まれたところ。むしろ、Aqoursというグループは、これから始まるんだと思います。
伊波杏樹『日経エンタテインメント! アニメSpecial 声優バイブル2017』
1期の13話分のストーリーを通してようやく、世界に「Aqours」という存在が形作られたばかり。「だってぼくたちは まだゆめにきづいたばかり」なんです。
進んでいく針路は見定めたものの、どんな軌道を描きながら、どんな場所へたどり着くのかは全くといっていい程分かりません。
でも、だからこそ、楽しみなのです。これから起こること全てを楽しんでいきたいのです。
『ラブライブ!』というのは”みんな一緒に輝こう”というのが1つのテーマです。どうかまたいっしょに、同じ時間を駆け抜けていきましょう。
監督 酒井和男 「ラブライブ!サンシャイン!! TVアニメオフィシャルBOOK」
Aqoursは、13話を通してようやくひとつの光になりました。彼女たちが見つけた輝き方、それは「みんなで輝く」こと。その「みんな」の象徴である「僕ら」の一員となった、"今"の彼女たちが歌う「未来の僕らは知ってるよ」。
そんな彼女たちに「一緒に輝こう!!」と手を差し伸べられた私たち、つまり「君」へと歌う「勇気はどこに?君の胸に!」。
TVアニメ2期を彩るこれらの楽曲のタイトルから、「僕ら」と「君」の両方を合わせて"みんな一緒に輝こう"なんだという、『ラブライブ!サンシャイン!!』の核心となり得るテーマについて思いを馳せることができました。
それを知った今、あらためてAqoursの未来が、彼女たちの夢の行末が、楽しみになりました。