きりんログ

-愛と青春と声豚の記録-

TALK ABOUT SUNSHINE !! 5 - 『ラブライブ!サンシャイン!!』に無駄なシーンは無い -

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前回は「【超主観Ver.】『ラブライブ!サンシャイン!!』の好きなシーン」と題しまして自分なりの理由で好きなシーンについて書いてきました。

 

ayarieshon.hatenablog.com

 

今回は『ラブライブ!サンシャイン!!』に登場する細かいシーンについて、そこに込められたメッセージについて考察していきたいと思います。

 

このテーマは『ラブライブ!』の頃から思っていたことです。

 

普通に見ていると何気ないシーンなのですが、実は意味があったというようなシーンが沢山あるように感じます。

 

その中から特に個人的に選んだものについて触れていきたいと思います。これを読み終えた時、きっと「『ラブライブ!サンシャイン!!』に無駄なシーンは無い」と思っていただけることを期待しております。

 

#1 輝きたい!!

まずは、第一話より、ルビィちゃんとまるちゃんがキラキラして映っているシーン。

 

曜ちゃんが「美少女…?」と言っていたように、作品の世界でも二人は美少女として見られているようですね。画面全体がキラキラしていて二人の可愛いさが強調されていました。

【ラブライブ!サンシャイン!!】第1話「輝きたい!!」 感想ひとりごと - きりんログ

 

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千歌たちから見た2人は輝いて見えていることを表しているシーンです。2話で彼女たちと出会った時も「かわいい~!」と声を漏らしていたので、千歌にとって彼女たちが可愛く映っている。ここの演出は、それで間違いないのではないでしょうか。

 

どんどん行きます。

 

続いては、千歌と果南が親に持たされたみかんと干物を押し付け合うシーン。

 

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オフィシャルファンブックでも諏訪さんが「幼馴染の関係性が分かるシーン」だと語っていましたが、このシーンから読み取れるのは、正にその通りだと思いました。

 

特に「文句は母さんに言ってよ」という台詞からは、家族ぐるみの付き合いだということが伝わってきて、内浦という場所での人と人との距離の近さも伝わってくるようでいて、尺の制約がありながらもそれが分かる関心したシーンでもあります。

 

続いては、千歌からスクールアイドルやμ'sの話を熱くされた梨子。しかし、梨子は「何の話?」というように、自分の学校出身のμ'sのことを知りませんでした。

 

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最初見た時に「なぜ彼女はμ'sを知らないのか」と疑問に思いましたが、それは12話を見てようやく腑に落ちました。

 

μ'sは記念の品も残さず、形ではなく心の繋がりに拘ったから

 

これに尽きると思います。スクールアイドルが好きな音ノ木坂学院の生徒としてはもちろんμ'sのことは知っているでしょうが、ピアノに熱心な梨子のような生徒たちにとってμ'sがいた痕跡が残されていない音ノ木坂においては、それを知る機会が無くてもおかしくはなかった。

 

一瞬のシーンでも、12話との繋がりを感じられるシーンでもあります。

 

続いては、東京から来た梨子が曲のイメージが浮かばなくてと嘆くシーンの後。千歌が梨子の顔色を伺うように普通怪獣ちかちーとしてふざけるシーン。

 

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ここでは、千歌の相手を気遣う優しさが感じ取れます。

 

この一瞬の千歌の仕草で読み取れる相手を気遣う優しさは、2話以降の梨子の気持ちを真摯に考えるシーンにもつながっていきますし、8話の仲間を思うからこそ本音を言えなかったという場面にも繋がっていきます。

 

実は相手の顔を伺うシーンは1話だけでなく、10話の海の特訓のシーンでも描かれていました。バランスを崩してドミノのように倒れていった姿を見て笑った梨子ちゃんの表情を見て、自分も笑顔になった千歌。彼女はやはり相手の気持ちを受けて行動や表情に表すような性格をしてるのではないかとそう感じることができました。

 

#2 転校生をつかまえろ!

2話でまず目に止まったシーンが、衣装案を曜ちゃんが千歌に提案するシーン。意味が込められているという訳ではないですが、ひょっとしてと思えるシーンです。

 

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制服好きの曜ちゃんが描いた鉄道員のような衣装。これってHAPPY PARTY TRAINの衣装に似てませんか?

 

これを元にあの衣装が出来たのか。色々とイメージが膨らむシーンです。

 

#4 ふたりのキモチ

オフィシャルファンブックを呼んでいてハッと気付かされたシーンなのですが、本を読んでいた頃の花丸にはいつも暗い影が差し込んでいました。

 

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小さい頃から隅っこで遊ぶ、目立たない子だった
運動も苦手だったし
学芸会では木の役で
だから、段々、一人で遊ぶようになっていった
本を読むのが大好きになっていった
図書室はいつしか、まるの居場所となり
読む本の中で、いつも空想をふくらませていた
読み終わった時、ちょっぴり寂しかったけど
本があれば大丈夫だと思った

 

彼女の語りからも、彼女は心のどこかで輝きたいと思っていたことが分かるシーンでありますが、何気ないシーンでもこの気づきがあると無いかで大きく見え方が変わるシーンだなと思いました。ルビィと出逢ってからは彼女が見る世界には光が差し込みます。

 

#6 PVを作ろう

「ここには何もないって思ってた。でも、違ったんだ!」と思う千歌を見つめる5人の表情が描かれたシーン。梨子と1年生はみんな笑顔なのに曜ちゃんだけ気を取られるような表情を浮かべています。

 

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オフィシャルファンブックの監督のインタビューにもありますが、一番身近にいたからこそ千歌の表情の変化、気持ちの変化に気づいたということ。カメラでは映らないものもあるということを表しているようでいて、1カットでしたが色々と考えさせられるシーンでもありました。

 

#8 くやしくないの?

ひとり部屋で思い悩む曜ちゃんが見つめる小さい時の写真。幼い時の2人の姿を見ると昔から2人は幼馴染で仲が良かったのだということが伝わってきます。しかし、このシーンは、それだけではありません。

 

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まだ小さいしいたけの姿も描かれているのです。13話でライブ会場にしいたけが登場したことに驚かれた方もいるかもしれませんが、8話の写真に映るしいたけを見ると、まだ千歌と曜が幼い頃から2人の成長を見てきたことが分かり、千歌の姉や母と同様にしいたけも彼女たちの成長を見届けたかったのではないかという思いにさせられます。なので、私は13話でしいたけが登場するシーンを見ただけで号泣します。

 

#9 未熟DREAMER

ダイヤが鞠莉に語る、果南の気持ち。短い3枚のカットから鞠莉がどのような境遇で生きて来たのかが想像できるようです。

 

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果南さんはずっとアナタのことを見てきたのですよ?

貴方の立場も

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あなたの気持ちも

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そして、あなたの将来も

誰よりも考えている

 

内浦の小学校に転校してきた鞠莉。ホテルチェーンを経営している父親の娘という設定がG’sの時にありましたが、彼女は引っ越しを繰り返しているようで別の学校に転校するという不安があったのでしょうか。

 

そんな「立場」にいる彼女の「気持ち」を察したのでしょうか。果南は夜にこっそりとホテルに忍び込んでライトで呼び出すということで鞠莉との距離を縮めました。

 

高校一年の時に果南は鞠莉の留学の話を知ります。そしてスクールアイドルとして出場した大会にて鞠莉は怪我をします。

 

そんな彼女の怪我と彼女の「将来」を考えた果南は鞠莉をかばい、スクールアイドルAqoursの解散を伝えます。

 

このように、短いシーンでありながらも彼女の生い立ちと果南の想いが感じられるようでいて、キャラクターのバックボーンが凝縮されたシーンだと思います。

 

#12 はばたきのとき

千歌が学校の統廃合を阻止する話をしたあとで、かき氷をかきこむシーン。

 

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食べた後で頭が痛くなるのですが、このシーンを見たときには私は劇場版ラブライブ!で穂乃果が熱い紅茶を飲み干したシーンを思い出しました。

 

穂乃果は自分なりの答えを見つけた後で紅茶を飲み干すことができました。しかし、千歌はまだ自分のなりの答えを見つけられない段階だったので、かき氷を食べて頭が痛くなった。

 

実際にオマージュしたかは知りませんが、気持ちが形になるラブライブだからこその演出意図もあったのではないかと私は想像しました。

 

#13 サンシャイン!!

千歌の母が娘の言葉を聞く場面。

 

悔しい…!

 

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この時千歌の母はハッとした表情を浮かべました。

 

なぜハッとした表情を浮かべたかというと、千歌が自分でも語る通りこれまで夢中になれるものがなにも無く挫折を味わうという経験もしてこなくて、その千歌(娘)が初めて悔しさを口にしたから。

 

姉も千歌は飽きっぽいと言うところや、友達の曜ちゃんも千歌ちゃんは中途半端が嫌いだと言うところ、そして母自身もスクールアイドルを始めた千歌に「今度はやめない?」と聞いていたところからも、千歌は何かに取り組むことなく生きてきたことが分かります。

 

そんな娘が、初めて悔しくなるくらい夢中になれるものに出逢えたこと。それを知ったからこそハッとした表情を、千歌の母は浮かべたのだと思います。そして、その悔しさを乗り越えたと聞いた時、そっと千歌のお母さんは微笑みます。

 

親心を想像しながら見ると、母の心情が読み取れるようでいてジーンと来るシーンであります。

 

 

以上が、『ラブライブ!サンシャイン!!』において、短いシーンでありながらもメッセージが何かしら込められていると思えるシーン集でした。

 

実際に見てくるとどうでしょうか。

 

ラブライブ!サンシャイン!!』に無駄なシーンは無い

 

そう思っていただけたかと思っています。

 

実際にこれ以外にも細かいところを言うと沢山あるのですが、おそらく私が気付いていないだけで沢山見れば見るほど気づくシーンというものが存在していると思います。

 

それだけに、ラブライブ!は見ごたえがあり、何回も見て初めてさらに魅力を感じられる作品だなと思いました。是非、他にも自分なりに「このシーンってそういうことじゃないの?」という気づきを得られた方がいらっしゃいましたら、教えてくださると嬉しいです。

 

さて、続きましては長く続いていた「TALK ABOUT SUNSHINE」の第二弾も次で一区切りを迎えます。「未来の僕らは知ってるよ ~『ラブライブ!サンシャイン!!』2期に寄せて ~」。『ラブライブ!サンシャイン!!』2期を控えた今思うことを書いていけたらいいなと思っております。

 

鋭意製作中!!