きりんログ

-愛と青春と声豚の記録-

リリスク“WORLD’S END”ツアーファイナル@新木場STUDIO COASTに寄せて

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リリスクと駆け抜けて来た“WORLD’S END”ツアー。セミファイナル、VERSUS東海ホールで5人は言い放った。「新木場はこれまでで一番凄いライブになる」。言葉だけ聞けば常套句。しかし、その言葉は上辺だけではないと。そう思えた。ツアーを経て進化を魅せるリリスクが、そう確信させてくれた。

来る2018.10.19。彼女たちが立つのは、新木場STUDIO COAST。大勢の人が彼女たちを見据えるなか――彼女たちは、その身をもって今の5人で魅せられる最高到達点からの景色を見せてくれた。変わり続けることで”今が最高”を塗り替えられることを証明してくれた。

lyrical school tour 2018 “WORLD’S END” tour FINAL”に寄せて。最高の瞬間を魅せてくれた5人にありったけの感謝を込めて。その勇姿を振り返っていきたいと思う。

 

 

SPECIAL

新木場ライブ全編を通して感じたことがある。

ツアーファイナルだけの特別感。

ゲストアーティストとのコラボ曲やメンバーによるソロ曲、ユニット曲、新曲の初披露に留まらず、既存楽曲のアレンジやマイクパフォーマンスなど枚挙にいとまがない。

それは、開幕のDJ浅野のDJプレイからそうだし、今やそう名乗るに足る「KING OF IDOL RAP」という口上もそうだ。

lyrical school on the set! WORLD'S END TOUR FINAL at SINKIBA STUDIO COAST! WORLD'S END.ここがWORLD'S END.ここがWORLD'S END!

まさにWORLD'S ENDツアー終焉の始まりに相応しいスペシャルな煽り。高鳴る気持ちは、アトラクションの高揚感にすら似ていた。

ファイナルでは特別な演出が取り入れられていた訳だが、その軸にあるのはリリスクがしっかりと地固めをしてきたタフなラップスキル。ツアー各地で味付け無しのラップショウを披露して来たからこそ、ファイナルの演出と相乗効果を生む一段高いステージングを形成することに成功したのだろう。

そして、開幕から会場の熱気が最高潮を迎えるなか。急角度から嬉しいサプライズが飛んできた。

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チャイムの音と共に誰も予想してなかったであろう「モアリップスクールの校歌」。その手があったか、ズルい、ズルすぎると。ツアーファイナルなのに一曲目に「遊び心」を取り入れてくるあたり*1。今のリリスクにはそんなトリッキーなことをして余りあるだけの実力とステージ強度があるように思えた。進化したリリスクは、開幕から特別な夜になることを予感させてくれた。

 

STYLE

5人が勝負時に披露してきた「GIRL'S QUEST」を序盤に披露して場を急速に温め尽くした後、himeのフリースタイルラップが披露された。

歌とラップの二刀流
どっちもできる任せなminanとyuu
蝶のように舞うhinakoがいるなら
蜂のように刺すrisano欠かせないね
LとSの5 you nah mean?
5本のマイクでアゲてこう Let's party.
噂のマイクマスター首振らす
東京レペゼンlyrical school

手堅く韻を踏み、クラシックを引用して彼女らしいやり方で最高のメンバー紹介をしてくれた。「自慢の可愛くてかっこいいメンバー」*2と語り、新木場の前には愛をもって4人をTwitterで紹介していたが、今夜はその想いをリリックに乗せていた。

もちろんhime自身の紹介は無い。彼女自身がラップで想いを紡ぐこと。それ自体が、この上なく彼女自身を紹介する名刺代わりになるのだから。

 

QUALITY

シャープペンシル feat. SUSHIBOYS」「Cookin’ feat. Young Hastle」。今夜だけの特別なコラボレーションが披露された。www.youtube.com

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この二曲を待ち望んでいたヘッズは多いと思う。MVを見た時、メンバーの新境地を垣間見たことは記憶に新しい。難解に思えるフローもあった。でも新木場では。

期待を遥かに上回るクオリティで仕上げてきていた。

成長するリリスクを見て期待感は元よりあったが、この二曲については挑戦的な要素が多く心配が無かったといえば嘘になる。しかし、そんなものは進化したリリスクが杞憂に終わらせてくれた。深化した5人の独自のフローを発揮して魅せてくれた*3。彼女たちが培ってきたものが確かな形となって表れたのだ。

 

HOPE

今回は特別に「オレンジ」のラストでrisanoのアカペラが披露された。フェードアウトした後、彼女が放った英語の一節が非常にエモかったので書き留めておく。

I can always see the beautiful sunset.It gonna not disappear from the world.Can you see from yourside?(いつだって美しい夕焼けを見ることができる。世界から消えはしない。あなたからも見えてますか?)

“WORLD’S END”がテーマのアルバムのツアーだが希望が謳われたような。この一節を聞いて私はそんな風に思った。そんな想いを抱きながらまた「WORLD’S END」を聴くと、聴こえ方が変わってくるかもしれない。

 

ORIGINALITY

今回のライブの隠し玉であり目玉であったのが、リリスク初のソロ曲、ユニット曲の披露。また一歩先へと進むように。新しい扉が開かれた音がした。

メンバーの個性を色濃く打ち出した楽曲とパフォーマンス。

ドレッシーな衣装に身を包み登場したminanちゃんは歌詞の世界観が叙情的な「baby blue」を歌いあげる。結婚する親友に向けて自ら手がけたというラップがあり、ラップアイドルとしての矜持はそのままで、彼女の美しい歌声が堪能できる歌パートが多く、まさに彼女自身の色に合った楽曲という印象を持った。

続くhinako、yuuちゃんが披露した楽曲は「ブランニューガール」と称されたガーリーな楽曲。チア風の衣装に身を包んだ二人は、キュートな声で「切りすぎた前髪」「でもスイーツは別腹」のフレーズに代表されるように、恋する女の子の気持ちを歌い上げる。青と赤が歌詞に入ってるのもポイント。可愛さのパワハラである。

そして締め括りのhime、risanoが歌うのはハードなギャングスタラップ「I SHOT YA」。二人が得意とする格好いい声をいかんなく活かしたのがこの楽曲。「中毒症状」「二人の魅力で皆殺しです」等と、リリスクの楽曲には無い殺伐としたフレーズも聞き所。まさに歌詞にある通り"アイドルの進化系"の楽曲だ。こちらもオレンジとグリーンが歌詞に入っている。

以上の楽曲は、楽曲のテイストから歌詞、衣装に至るまで各メンバーのパーソナリティに密接に結びついたものとなっており、彼女たちしか歌えない楽曲となっている。また、5人がリリスクで個性を極めてきた今のタイミングでこそ歌えるようになった楽曲であるとも言えるだろう。

”歌姫”にも”恋する女子”にも”ギャングスタ”にもなれるアイドルというフォーマットを活かしながら、磨かれてきた個性を乗せた楽曲が披露された今、彼女たちの表現の幅と今後の展開への期待が膨らむこととなった。

 

NARRATIVE

ソロ、ユニット楽曲から「消える惑星」へと至る流れ、そして消える惑星での展開に物語性を感じたので書き留めておく。

ユニット楽曲の最後はhime、risanoだったが、risanoのみ退場せず消える惑星へと自然にフェードインする形となった。その流れでhimeが入り、minan、hinako、yuuと集う5人。

楽曲は終盤に5人が円を描き囲む形で歌われることになるが、その様子が"明け方の街に集う若者"のように見えて。格好よく可愛く楽しいリリスクに更に"物語性"が加わり、エモーショナルな感情を抱くに至ったのである。これもやはりシンプルなラップショウを貫いてきたからこそ、より映えて見えたものなのではないだろうか。

 

SUMMER

夏曲メドレー披露前のMCで、minanちゃんがTwitterエゴサした時の話が印象的だった。「リリスク夏曲しかやってないけど、秋冬大丈夫なのかよ」と。そのツッコミに対して「大丈夫、秋冬にも夏の曲やるから」とminanちゃん。それがHIP HOP過ぎる返しだったのでバイブスが上がりまくった。

新木場でもリリスクの夏曲パワーは健在だった。

夏曲メドレーは「FRESH!!!」からスタート。冒頭のrisanoのマイクパフォーマンス。

Today's risano news.Hello everyone.I wanna introduce to you kawaii DJ hinako.

彼女が最近Twitterにアップしてるrisanonews。

こうした小ネタが散りばめられていたのが、ファンとして楽しさが倍増する一助となっていた。

「High5」「Crawl (For You!)」と鉄板のアガる楽曲が披露され「夏休みのBABY」前にはLet’s Groove ブレイクとしてこんな口上も。

新木場経由WORLD'S END行き
「risano、遂にこの日が来ましたね!」
「Yes,right.待ってたぜ、JAPAN!」

スケールの大きさがrisanoらしい。彼女がツアー京都で"世界進出"の夢を語ったことを思い出すと胸が熱くなる。そして、この一連のやり取りはLIQUIDROOMでyuuちゃんからrisanoへとやっていたものの逆バージョン、アンサーのようにも思えた。

夏曲メドレーのラストでは「秒で終わる夏 take0.0」が披露され、himeの"FRESH〜〜〜"のロングバージョンが差し込まれる等バイブスが上がるアレンジもありながら、リリスク鉄板の夏曲を立て続けに披露し、リリスクの変わらぬ色も刻み込んだ。

文字通りリリスクと過ごした夏が秒だったことに想いを馳せつつ、リリスクがいればいつだってそこが夏になることも反芻した時間だった。

 

BRAND NEW

アルバム&ツアーのタイトルである「WORLD’S END」を締めに披露し本編は終了。アンコールではヘッズの粋なサプライズで、サイリウムの光に囲まれながらメンバーが登場した。

アンコールの一曲目では未発表の「パジャマパーティー」で登場。予期せぬタイミングで新曲を披露するところにリリスクらしいさを感じつつ、そのスタイルの格好良さをあらためて認識した。

これまでに無いテイストの楽曲であったこともあり、幕開けから新しい物語が始まる予感を存分に感じつつ、「Short Good-bye」からはアンコール定番の「NOW!」を披露。今の尊さを歌い、リリスクのこの5人でステージに立つ時間、私達が彼女たちと一緒にいられる時間、それらを噛み締めては充実感で満たされるひと時であった。

 

FUTURE

新木場ツアーファイナル。本当のラストに歌われたのが、ファンの中で愛され続けてきた特別な楽曲「photograph」。私自身リリスクを追い駆け始めて半年だが、それでもhimeが魂を込めた2ヴァースのラップには涙せずにはいられなかった。これまでずっと彼女たちの軌跡を追い駆けて来たヘッズたちは、万感の想いで彼女の想いを受け止めたのではないだろうか。

20181019
ダンジョン抜け出した先を見据える
揃えたNIKEのID
からTimberland履いてJump around
間違いないShow case
見せてくことをここに証明
そう いつだって今が最高
大丈夫 リリスクに任せとけ!

彼女の言葉は、リリスクの軌跡の先にあり、未来へと踏み出す覚悟が宿っていた。言葉だけじゃない。リリスクに付いて行けば大丈夫。いつか大きなものを掴み取ってくれると。そう強く信じさせてくれた。

それは、リリスクが現在進行系で「いつだって今が最高」をその身で体現してるからだ。昨日より今日。今日より明日。最新のリリスクがいつだって最高。常に進化する姿を魅せてくれるからこそ、リリスクはいつだって最高に輝いて見えるのだ。

以上で、lyrical school tour 2018 “WORLD’S END” tour FINALは終了。現体制で初のツアー。ファイナルは30曲という長丁場のライブだったが、今のリリスクの地力が感じられ、全てが最大瞬間風速のような、正にツアーファイナルと呼ぶに相応しい特別なライブだった。

彼女たちが1年半かけて培ってきたものが確かに結実した瞬間でもあり、現時点で出来る最高のライブを見せてくれたと言っても過言ではない。

そして、リリスクの今後へと繋がる”飛躍”が感じられるライブでもあった。彼女たちがツアーを通して成長した伸びしろは凄いもので、ゆえに今後の可能性も大きく感じられ、ますます「彼女たちに付いて行けば大丈夫」と確信した時間でもあった。

”いつだって今が最高”。これからも、彼女たちの力で、その言葉を証明し続けていって欲しい。

 

リリスク“WORLD’S END”ツアーファイナル@新木場STUDIO COASTに寄せて

レポ風でちょっと固い文体になっていたので、ここからは柔らかい文体で感想書かせてもらいます!

まずは、一番最初に5人全員お疲れさま!という気持ちが強くあります。ファイナルに差し掛かるにつれて5人の気迫がひしひしと伝わってきたんだけど、「新木場は凄いライブになる」と豪語して本当にその通りやりきってしまうのは本当に凄いことだなぁと思いました。それがプロと言っちゃえばそれでおしまいだけど、本当にやり切っちゃうのはやっぱり中々できることじゃないと思います。

これまでで一番広い会場なのに、それを物ともしないどころか、新木場コーストってリリスクのための箱か!?と思うくらい完全にあの場を支配してたな〜って思えて凄かった〜(凄かったしか言えてない)

やっぱりデカい箱でも盛り上げ尽くせちゃうのはリリスクがこれまで地道に培ってきたスキルがなせる技だし、ステージ強度がありえん高いグループだなぁとあらためて思いました。

ライブは本当に楽しすぎて30曲やったのが嘘なくらい。リリスクのライブは本当にいつもそうなんだけど、時間の進みがとにかく早い。青春くらい早い。そりゃ"永遠にNOWがいい"って思うわなぁ…

個人的に嬉しみを感じたのが、現地にいた人だけじゃなくてニコ生を見てた人も最高、最高と口々に言っていたこと。中継を通してもライブの楽しさが伝わるのは本当凄いことだな〜

あとは、レポの中でも書いたけど今後が楽しみになるような新しい取り組みが新木場では沢山見られたこと!コラボ曲、ソロ曲、ユニット曲、新曲、etc…演出とかでも物語性を感じてエモーショナルになれるところとかもあって、これはリリスクであまり感じてこなかったとこだな〜って。これまでしっかりと地固めした分、これからはそのスキルを活かしてもっともっと新しい挑戦をしていって欲しい。

で、新木場はツアーとしては一区切りだけど、直近ではモノボケがあったし、シングルの2ヶ月連続リリースが決まっていたり、まだまだリリスクを見られるんだ!という多幸感が半端ない訳ですよ!

まとまりが無くなってきましたが、とにかく5人全員お疲れさま!最高のツアーファイナルとツアーでした。またこれからも格好よくて可愛くてイカした楽しいライブを見せてください!それではまた〜

 

オマケ

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natalie.mu

*1:「遊び心」と書きましたが、最高に好きなALI-KICK先生の楽曲です。特別感ありましたが、今後のライブでも披露されることを望んでおります。

*2:https://twitter.com/hime_514/status/1051811331794382848

*3:特に進化という意味で目を見張ったのがhinakoのラップ。これまで可愛いラップを得意としていたが、格好いいフローもこなしていて新境地開拓をしていた。