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きりんログ

-愛と青春と声豚の記録-

ラブライブ!The School Idol Movie -シーン別感想⑤-

いよいよ、劇場版ラブライブ!のシーン別感想も、最後となる5回目を迎えました。穂乃果の決断が、スクールアイドルの未来を大きく変えていくことになります。

前回の記事

ayarieshon.hatenablog.com

屋上に集まる9人-世界で一番素敵なライブ-

穂乃果が学校の屋上の扉を開けると、そこにはμ'sのメンバーが集まっていました。

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みんなの思いが一緒であったことが、それぞれのメンバーのらしさ溢れる台詞で語られます。その中でも特に印象深かったのが、真姫の「面倒くさいわよね。何も言わなくたって気持ちが伝わるんだから。」という台詞。かつて希に対して「面倒くさい人」と言った真姫でしたが、μ'sメンバーへの希の素直な気持ちを聞いて、希と心を通わせた瞬間に口から出た言葉でした。それを劇場版の最後に、穂乃果たち全員に向けて使ったことに、大きな意味があると思います。

そして彼女たちは、円を描いて集まります。自分が思い付いたアイデアを披露する穂乃果。ここではそのアイデアが何であるかは明言されていませんでしたが、それが間違いなく素晴らしいアイデアであることは、彼女たちの表情から読み取ることが出来ました。

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最初は、驚きの声を一様にあげるメンバーたち。しかし、希の「面白そうやん!」という言葉をきっかけに、花陽の「これが実現できたら凄いことですよ!」など、全員が期待の声をだんだんとあげていく様子が見て取れました。

穂乃果のアイデアを明かすことなく、そのアイデアが素晴らしいものであることだけメンバーの表情の変化から読み取らせる。演出の妙が光る、素晴らしいシーンでした。

 

Future Style-ススメの進化系-

Future Style』は、新しい形の『ススメ→トゥモロウ』を予感させました。二年生らしい前向きなタイトルであると同時に、「明日」から「未来」へと目が向けられ、彼女たちの成長が感じられます。「まだ挑戦したいね」というフレーズからは終盤を迎えてもなお進むことをやめない穂乃果たちの向上心が、「君」「みんな」というフレーズが多用されていたことも、ススメが「僕ら」の歌であることとの対比であるように感じました。

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「心はひとつ 同じキセキを みんな夢見て踊る そんなラブライブ!

ススメで「僕ら」の「熱い気持ち」を歌っていたのとは対照的に、FSではスクールアイドル全員の気持ちへと展開されており、視野の広がりを感じさせる歌でもありました。

 

穂乃果とツバサ-みんなのための曲-

穂乃果は、自分のアイデアをツバサに伝えます。ここで初めて、穂乃果のアイデアの内容を、我々が知ることになります。「素晴らしいのはμ'sとA-RISEだけではなく、スクールアイドル全員なのだということをみんなが理解すれば、ドーム大会を実現できるかもしれない。」周りからの期待に反することなく、μ'sが解散するという決断を曲げる必要もなく、それでいてスクールアイドルの為にもなる、一石三鳥の正に最高のアイデアでした。

ツバサは、みんなでひとつの曲を作ることを条件に、A-RISEが参加するという提案を持ちかけました。次に開催するライブは、スクールアイドル全員が主役のライブ。だから、μ'sでもA-RISEの歌でもなく、みんなのための曲を作りたい。ツバサはA-RISEの作曲担当。実に彼女らしいアイデアのように感じられました。

穂乃果はツバサの提案に大賛成します。「時間は無いわよ」というツバサ。穂乃果は熱々の紅茶をあっという間に飲み干します。かつて、2期の3話で、UTX学院の屋上をステージに使うか否か問われた際に、次の日を待たずに一瞬で決断した穂乃果の姿が思い出されました。

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μ'sとA-RISE-新たな関係性-

曲作りの手伝いをしに来てくれたA-RISE。μ'sとの担当同士の関係性が描かれていました。

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ことりとあんじゅの衣装担当同士からは、お互いの共通項が見えました。「お互い強引な相棒を持つと苦労するわね。」と言うあんじゅ。強引にみんなを引っ張っていくタイプのリーダーは穂乃果だけでなく、ツバサも同じでした。そんな強引なリーダーのパートナーの二人。お互いに手を焼きながらもリーダーを信頼しているところに共通点が見出だせました。

海未と英玲奈の作詞担当同士は、全国から寄せられた歌詞をチェックしていました。このシーンを見て、電撃G's magazine誌上企画の「みんなで作るμ'sの歌」を思い出した人は多いのではないでしょうか。『ミはμ'sicのミ』が、全国のファンから集めた言葉で紡がれた曲であるように、劇中でも同じ形式で曲が作られていました。ツバサが考えた「みんなのための曲」というコンセプトが見て取れました。

真姫とツバサの作曲担当同士は、にことの三角関係が見どころ。「アイデアを取り入れてみるわ」という真姫に対して「じゃあ、こういうのはどう…?」と挑発気味に鍵盤を鳴らすツバサ。顔を赤らめる真姫の表情を見て、にこも赤面します。物語は華僑ですが、新たな関係性が見出された瞬間でした。ちなみに、にこが音楽室を覗いている姿を希に見られますが、希が言った「真姫ちゃんか」という台詞からは、希の温かさが見て取れるて個人的にお気に入りの台詞です。

 

ライブの準備-みんなで作るステージ-

TVシリーズでは見られなかったステージを設営するシーンが、劇場版では描かれていました。みんなのための曲を歌うライブであればこそ、スクールアイドルが一丸となってステージを作り上げる姿が特別に描かれたのだと思います。

海未ちゃんが「愛弗(アイドル)」という漢字を大ぶりの筆で書くシーン。スクールアイドルの活動に対して奥手だった海未ちゃんがこのような行動に出たことに、彼女の成長を感じてしまいます。もうすっかり、アイドルが癖になったんですね。

 

解散を告げる穂乃果-楽しいライブ-

夕暮れを迎え、穂乃果はμ'sを解散するということをスクールアイドルたちに伝えます。2期の11話ではμ'sメンバーが号泣している姿がありましたが、劇場版では涙を流していませんでした。明日開催するライブはスクールアイドルの始まりを告げるためのライブ。それゆえに、穂乃果は胸を張って解散を宣言したのだと思います。

 

ライブに向かう穂乃果たち-赤い花びら-

ライブ当日の朝を迎えた穂乃果たち。集合場所に向かい続々とメンバーが集まります。この時の集合順は、μ'sに加入した順番を意識したものであるという考えを聞いて、なるほどと思いました。はじめに二年生が集まり、次に一年生が合流する。そして、絵里と希と合流。最後ににこが合流することになるのですが、彼女は誰よりも早く集合場所で待っていました。それは、μ'sに入る前から、彼女がスクールアイドルを始めていたことを意味しているそうです。

全員が集合すると、絵里の掛け声で会場まで競争を始めることに。走り出そうとする穂乃果は、一枚の赤い花びらを目にして立ち止まります。この花びらはススメの時に穂乃果が付けていたアネモネの花という説がありますが、私は穂乃果が迷い込んだ世界に咲いていた花を象徴していたのだと私は思いました。

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穂乃果はあの空間で、かつての「楽しい」と感じた気持ちを思い出すことで迷いを乗り越えることが出来ました。そして今回、花びらを拾って走りだした穂乃果はとても楽しそうな表情を浮かべていたように思います。

また、冒頭の子供時代の劇伴と穂乃果が迷い込んだ世界での劇伴、そして穂乃果が花びらを拾って駆け抜けている時の劇伴には、曲中に共通している部分がありました。過去と現在と未来を通して「楽しい」という気持ちを持った穂乃果が駆け抜けるシーンはカタルシスを覚えました。

 

穂乃果を出迎えるスクールアイドル-みんなで作った道-

穂乃果が会場に着いた瞬間、スクールアイドルたちが穂乃果を迎えます。全員が同じ衣装に身を包んで、同じ場所に集まる姿には鳥肌が立ちました。

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A-RISEの掛け声と共に、穂乃果たちのために道が開かれます。スクールアイドルたちが道を開くシーンを見て、2期の9話で学校の生徒たちが雪かきをして道を作り上げたシーンを思い出しました。それは、「みんなで叶える物語」の「みんな」に含まれる範囲が、学校の生徒たちからスクールアイドルたちへと広がったことを印象付けます。

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太陽を握りしめる穂乃果の姿は、正にスクールアイドルの救世主そのもの。『どんなときもずっと』で、夕陽を握りしめていた映像とも重なります。

 

SUNNY DAY SONG-スクールアイドルの輝き-

スクールアイドルの素晴らしさを伝えるための曲であり、スクールアイドルの「輝き」を象徴したような曲でした。

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まず、目に飛び込んでくるのが、鮮やかな衣装と楽しげなダンス。衣装は、赤と黄色とオレンジを基調としており、太陽をイメージした配色のようでした。シルエットは学生服のようで、正にスクールアイドルに相応しい衣装ダンスは、曲の始まりに、μ'sが手を広げるフォーメーション(上記の画像)がありましたが、これは太陽をイメージしているのかなと思いました。他にも、手を横に振ったり、指を3と2にする振り付けなど、一貫して輝きや太陽がモチーフになっているように感じました。

ちなみに衣装には、トランプの柄が入っていましたが、海外のホテルで海未ちゃんとババ抜きをした時の経験が元となっているのかなと思いました。海外でも衣装のことを考えていたということりの台詞を思い出すと、考えられなくもない話だと思います。

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歌詞にも、スクールアイドルの素晴らしさを伝えるフレーズが多く見受けられました。その中でも、μ'sの経験が生かされているような歌詞が素敵です

「受け止めてあげるここで 最初は少しためらっても 受け止める場所があるって もっともっと知ってほしくなるよ」

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最初はためらいながらも、μ'sに加入していった彼女たち。悩みを抱えていた時も、9人で一緒に乗り越えてきました。実体験として、彼女たちがスクールアイドルを経験してきたからこそ、聞く人の背中を後押しするような説得力を持っていたのだと思います。

ライブの映像では、これまで裏方としてμ'sを支えてきたヒフミが、μ'sと同じステージで踊っていたことが印象的でした。そして、雪穂と亜里沙、にこの妹弟たち、μ'sメンバーの両親たち、街のみんなも、一緒になって踊っていました。1期の4話で、穂乃果、ことり、海未が「スクールアイドルはやりたいという気持ちを持てば誰でも始められる!」と語ったように、SDSはスクールアイドルの魅力を体現しているかのようなライブであると、あらためて思いました。

また、全国のスクールアイドルが集まって衣装作りをするシーンでは、ことりやあんじゅたちの中に、にこも混じっていたことが印象的です。2期の6話で、「衣装係は損な役回り」と言い放ったにこ。そんなにこに対して、ことりは「それぞれの役割をやり切れば素敵な未来が開ける」と語りました。その言葉がにこの心に届いていたことが分かる素敵なシーンでした。

そして、曲の最後には、ハート型のバルーンが割れて中から無数の風船が空に飛んで行くシーンが描かれます。μ'sの思いが、スクールアイドル全員に受け継がれていった。そんなことを象徴するかのような演出だと思いました。

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集合写真-最高に楽しかったライブ-

μ'sと他のスクールアイドルたちが集合写真を撮るシーン。μ'sメンバー全員が笑顔だったことが印象的で、「最高に楽しいライブ」が大成功だったことを物語っています。しかし、彼女達が、まもなく最後の瞬間を迎えるということを思い出すと、笑顔の裏に儚さがあるように感じました。
 

雪穂と亜里沙の語り-受け継がれるμ'sの意思-      

雪穂と亜里沙が音ノ木坂に向かいます。彼女たちの制服のリボンの色から、2年の歳月が流れた事が分かります。彼女たちが3年生になったということは、即ち、穂乃果たちだけでなく、凛たちも卒業したということ。

μ's解散後の2年間を描かなかったのは、彼女たちの意思がスクールアイドルに受け継がれことを印象的に伝えたかったからだと思います。また、雪穂と亜利沙が3年生としてμ'sの功績を語っていたことは、μ'sの意思が音ノ木坂の後輩にも受け継がれていくことも感じさせる演出でもありました。

 

僕たちはひとつの光-永遠に輝き続ける青春の物語-

μ'sの最後を飾る集大成の曲。SDSがスクールアイドルのための曲であったのとは対照的に、僕光は9人だけのための曲であるように感じました。歌詞にメンバーの名前が使われていたこと。そして、彼女たち以外の人物(観客)が一切描かれていなかったことも、そのように感じた理由かもしれません。

ステージは円形でしたが、おそらく僕光がドームにて歌われたことが、その理由の一つだと思います。また、久保ユリカさんが舞台挨拶で仰っていたそうですが、この曲にはセンターがいない、即ち、全員がセンターであるからこそ、円形のステージが使われたという背景もあるそうです。ちなみに、ステージは蓮の花の上にありましたが、蓮の花言葉が「離れゆく愛」ということを考えると、正にラブライブ!のラストに相応しいモチーフだと思いました。

μ'sが着る衣装も、蓮の花をイメージしているかのような桃色の衣装でした。二年生組のリボンの色が、スタダの衣装であしらわれていたリボンと同じ色であることも、僕光が集大成としての曲であることを強く印象付けます。また、ライブの映像でも、猫目の凛ちゃんや、画面の端から飛び出してくることりなど、お馴染みの演出が取り入れられていました。

そして、最後を飾る曲であるのに曲調や歌詞が明るいのは、僕光が別れの歌ではなく、彼女たちが走り抜けて来た青春と新たな旅立ちを賛美する曲だからだと思いました。

 

歌詞からは、走り抜けてきた青春、そしてこれからの旅立ちを祝福するような印象がありました。また、ライブの前に点呼を取っていた時に全員が楽しそうにしていたこと、そして、円陣を組んでいた姿からも、彼女たちの結束が感じられると共に、旅立ちへの前向きな姿勢が伝わってきました。

そんな楽しげな彼女たちの姿、そして明るい曲であっても、やはり歌詞に感動できるのは、彼女たちの輝きの物語を我々が追いかけてきたからでしょう。

 

「ああ、ほのかな~」ススメの「だって可能性感じたんだ」を彷彿とさせる歌詞。穂乃果が歌い出したところから全ては始まりました。   

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「ことりの翼がついに~」スタダの「うぶ毛のことりたちもいつか空に羽ばたく」を思わせます。空に羽ばたくことを夢に見た雛たちも、旅立ちの日を迎える瞬間がやって来ました。

 

「光を追いかけてきた~」。「輝きを待ってた」僕今から始まり、「光の中で歌う」キラセン。僕光では「光を追いかけてきた」と歌われ、輝きの物語が、いま過去のものになろうとしていることを伝えます。

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「時を巻き戻してみるかい~」。『今が最高』。それは、μ'sが光を追いかけて来た果てに辿り着いた答えでした。

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エンドロール-旅立ち-

μ'sは最後の時を迎え、穂乃果たちは旅立ちました。脱ぎ捨てられた練習着からは、彼女たちがスクールアイドルとしての青春を最後まで走り抜けたことが伝わって来ます。

学校を廃校から救い、大会を優勝し、スクールアイドルの未来を切り開くまでに、彼女たちが辿ってきた汗と涙の青春の軌跡。濃密な物語であったがゆえに、それがわずか一年間の出来事であったことが嘘のようです。

そんな刹那の時間の中で、彼女たちが放った青春の輝き。それは、スクールアイドルの心に燦然と輝く新たな光となりました。その眩い光は、私たちがまだ知らないスクールアイドルの物語を紡ぎ続ける光として、永遠に輝き続けることになるでしょう。

 

あとがき

μ'sが、今のなかで聞いた青春は、多くの奇跡を叶えて、どんなときもずっと輝き続けるひとつの光になりました。

『永遠に輝き続ける青春の物語』

長きに渡り劇場版の感想を書いて来ましたが、ラブライブ!を表した言葉としてはこれ以上に適した言葉は無いとあらためて実感しました。

劇中でも描かれていましたが、青春が放つ輝きは儚く刹那的であります。しかし、その刹那であるはずの青春の輝きは、新しい誰かの青春の輝きを創り出す光にもなり得る。本作が持つ本質的なメッセージの一つは、ここに集約されるのではないかと思いました。

拙い文章でしたが、最初からお読み頂いた方々も途中からお読み頂いた方々も、本当に感謝しております。その上で何か感じられたことがあれば、この上ない喜びです。当ブログは今後もラブライブ!を追いかけ続けます。その度に、懲りずに筆を執ることになるかと思いますが、その際は何卒よろしくお願い致します。