きりんログ

-愛と青春と声豚の記録-

Aqoursの物語と歌のつながりのチカラ ~『HAPPY PARTY TRAIN』に寄せて~

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以前「Aqoursの物語と歌のつながりのチカラ」と題してTVアニメの曲を中心に『ラブライブ!サンシャイン!!』の楽曲がいかに物語と密接に結びついおり、それが聴き手の感動を引き起こすものなのかというお話をしました。

 

ayarieshon.hatenablog.com

(TVアニメに登場した曲については全曲歌詞に込められたメッセージを考察しましたのでこちらも合わせてご覧いただけると幸いです。)

 

来たる2017年8月。Aqoursの2ndライブにしてラブライブ史上初となるライブツアーが始まります。それに向けて、Aqoursが見せてくれる新しい景色への期待を抱きながら、ツアータイトルにもなった『HAPPY PARTY TRAIN』へと思いを馳せたいと思います。

 

まずは、『HAPPY PARTY TRAIN』という曲に込められたメッセージを歌詞やPVから読み取り、この曲がいかにTVアニメやPVの物語と密接に結びついているかを振り返っていきます。ご一読いただければ、この曲の素晴らしさはもちろんのこと、これまで『ラブライブ!サンシャイン!!』が描いてきた物語が「全部入り」だということが分かったいただけるかと思います。大きなメッセージが4つあるかと思いますので、それぞれ章立てして分けて書きました。

 

そして締めくくりとなる5章にて、「HAPPY PARTY TRAIN TOUR」がどれだけ期待に溢れるものなのかをお話し、Aqoursが語るツアーへの展望について触れながらツアーに向けたワクワクな気持ちを皆さまで共有できればなと思っております。

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内田彩コンセプトライブ「Aya Uchida Early summer Party」に寄せて

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Aya Uchida Early summer Party~SUMILE SMILE~/~Everlasting Parade~2017/6/25@新木場 STUDIO COAST

 

昨年の8月に開催した武道館ライブより、およそ10ヶ月を経ての内田彩さんのライブ。感想を端的に言うなら内田彩さんが"また"元気に歌を歌う姿を見られて嬉しかった!」。これに尽きると思います。ずっと見たかった景色をまた見れたような。また同じ場所に帰ってこれたような。とてつもない喜びと安心感がありました。

 

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TALK ABOUT SUNSHINE !! - ラブライブ!サンシャイン!! を見つめ直す -

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はじめに

お久しぶりです。きりんです。最近私生活が忙しいことを理由に筆不精が続いておりましたが、ちょっとラブライブ!サンシャイン!!』について思うところがあり記事を久々に書いておきたいなと思いました。基本的に自分が記事を書く理由として、その時に感じた感情や自分が思ったことを書き残しておきたいという気持ちが大きいことがあります。感情や五感で感じたものは思うより早く記憶の彼方に過ぎ去ってしまいます。ぼんやりと覚えていることはあるものの、その正確さは時間と共に無くなってゆく。なので、今この瞬間に思っていることを形にして残しておきたい。いつかの未来で今を振り返れるようにしておきたい。ラブライブ的に言うなら「瞬間をリングへと閉じ込めていつも眺めてたい」でしょうか。

 

もう少し、今回筆を執ろうと思った経緯について書かせてください。先日、『ラブライブ!』と『ラブライブ!サンシャイン!!』が好きな友人と喋ったところ、最近は作品に触れる機会が減っているにも関わらず話が尽きないこと1日近く。それでも時間が足りないくらい。あらためてラブライブという作品が自分の人生において大きな存在であることを思い知らされました。ラブライブの作品の話はもちろんのこと、声優さんについての話も大盛り上がり。今回はそこでも話題になったこと、そこに自分が思っていることを加えて書き留めておければと思い筆を執りました。

 

基本的にとりとめもない話が続きます。普段の記事はフラットな視点で作品に根拠を求めながら書いていますが、今回は自分なりの考えに依る部分が大きなウェイトを占めるかもしれません。ご批判もあるかもしれません。なので、時間のおありの方で、もしあくまでもラブライブ好きの一オタクが考える戯言を覗いてみたいという方がいらっしゃいましたら、ご一読いただけたらなと思います。

 

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Aqoursの輝き方 / Aqours FirstLoveLive!~Step! ZERO to ONE~ 感想

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2017年2月25日、26日の2日間、『ラブライブ!サンシャイン!!』から生まれた9人の少女たち「Aqours」によるファーストライブ『Aqours FirstLoveLive!~Step! ZERO to ONE~』が開催されました。

 

プロジェクト開始から2年、グループとして約1年半を経てのファーストライブ。

 

Aqoursは、彼女たちにしか出来ない輝き方で最高のステージを作り上げました。

 

それは、劇中の物語をほんの少しだけ追い越す形で。でも、それは確かに『ラブライブ!サンシャイン‼︎』あるいは『ラブライブ!』が示してきた輝き方からは逸脱しないものでした。

 

最高のステージを作り上げることが出来たのは、「自分が◯◯(キャラクター)になるんだ」「自分が◯◯を輝かせるんだ」という強い想い。そして、ただ純粋にラブライブ!が大好きだというひたむきな気持ち。

 

Aqoursの9人でしか生み出せない輝きはそこから生まれました。

 

あの日、彼女たちが自分たちの足で踏み出した最初の一歩。その始まりの一歩を振り返りたいと思います。

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Aqours 1st LIVEに寄せて ~もう9人の物語~

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Aqours1stライブが迫る日、TVアニメや楽曲の振り返りはこれまでして来たのでラブライブ!プロジェクトを支える大きな柱のひとつである「キャスト」が紡いできた物語に焦点を絞ってこれまでの活動を振り返りたいと思います。

 

今更、皆まで言うことは無いことはご承知おきかもしれませんが、ラブライブ!プロジェクトにおいては、とりわけキャストの存在がコンテンツにおいて一翼を担ってきました。それは、キャストがキャラクターとシンクロするライブがファンの間で大切にされてきたから。

 

別にラブライブ!が初めてそこの領域に踏み込んだ訳ではなく、これをヒットの要因として語るにはこれほど説明として不十分なものはありません。ただ、本作はそのシンクロの度合いが凄まじいレベルにあることは事実ですし、それが相互補完的にキャストが劇中のキャラクターに近づいていき、逆に作品がキャストに寄っていくといったところにも物語があったことは、沢山の人に愛され最期に大きな夢を叶えたことと無関係ではないと思っています。

 

詳しいラブライブ!プロジェクトの振り返りは以下の記事をご覧ください。

ayarieshon.hatenablog.com

 

そして、「ラブライブ!サンシャイン!!」でもプロジェクト開始からおよそ2年の間にキャストによるミニライブでその一端が披露されてきました。2月25日、26日の二日間にはその集大成でもあり、新たな始まりでもあるAqoursの1stライブが開催されようとしています。

 

その1stライブの前に、キャストがどのような思いを抱えて本プロジェクトに参加し、どのような思いを持ちながら日々を過ごしているのか、といった部分を掘り下げて振り返っていきたいと思います。また、彼女たちがキャラクターや作品とシンクロする部分、あるいは、彼女たちにしかない物語。そこにも触れつつ、直前に控える9人の少女たちによる新たな物語への旅立ちへと思いを馳せたいと思います。

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Aqoursの物語と歌のつながりのチカラ ~ラブライブ!サンシャイン!!の楽曲から振り返る「みんなで輝く物語」の序章~

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やっぱり音楽って凄いんですよ。一曲一曲聴くだけで、そこの場面に戻れるわけじゃないですか。『ラブライブ!』ではこんなにたくさんの曲を作ってきたし、一曲一曲が戻れる手がかりとして残ってるから、いつでもまた会えるよっていう気持ちもあって。

作詞家・畑亜貴インタビュー 「Cut 2015年 08 月号」



ラブライブ!楽曲の歌詞を100曲以上書いてきた生けるレジェンド、畑先生がCutで語っていた言葉が印象に残っています。曲を聴くと記憶に刻まれた光景が浮かび上がって来る感覚ラブライブ!を好きな人なら、誰しも味わったことのあるものじゃないでしょうか。ライブ中に物語のあるワンシーンを思い出したり、日常でふとライブのことを思い出して楽しくなったり、涙が出てきそうになる感覚。

 

ラブライブ!の楽曲が聴く人のエモーショナルを喚起するのは、音楽がいつも物語と寄り添ってきたから。これに尽きると思います。そして、それはラブライブ!サンシャイン!!』も例外ではないと思っています。

 

事実、サンシャイン楽曲にも物語のコンテキストが無数に散りばめられてますし、ドラマで段取りを整えた上で自分たちの気持ちを歌にして伝えるというアニメーションの構成は、そのまま無印を引き継いだものになっています。

 

2期第9話の「Snow halation」で、μ'sは全国大会への切符を手にしますが、言葉で結果が語られてなくても勝ったことって伝わるんですね。それは歌が必殺技だからですよ。そこに向かって段取ってあげれば、あとは歌の力で解決する。歌にすべて乗せろというのが、暗黙の了解としてありました。

花田十輝ラブライブ! TVアニメオフィシャルBOOK 」

 

無印からシリーズ構成、脚本、そして京極監督の思いを引き継いでいる花田十輝氏の語る通り、歌は物語を締めくくるための必殺技なのです。それは逆に言えば、物語が無ければ歌の説得力は無くなるということ。ラブライブの物語と歌は、常に強い依存関係にあるということです。

 

いよいよ本題ですが、私はこの記事にて、サンシャインの楽曲を通じてAqoursの物語を振り返ろうと思います。そうしようと思ったきっかけは、大きく2つあります。ひとつは、大好きなサンシャインという作品について理解を深めたいから

 

本作は、世間的に「キャラアニメ」と見られることが少なくないですが、やはりラブライブはドラマが秀逸な作品でありますし、何回も見られることに耐えられる作りになっています。むしろ、何回もアニメーションを見て、キャラクターの感情の機微に注目しないと、作品のことを理解できない作りにすらなっているとも思っています。今回は歌という切り口で作品に対する理解を深めていきたいと思ったのが、ひとつ記事を書こうとしたきっかけとしてあります。

 

そして、もうひとつのきっかけは、Aqoursのファーストライブを最高に楽しみたいから。先ほどから繰り返しになってしまいますが、サンシャインの楽曲は物語と密接に絡んでいます。ライブを楽しむためには、Aqoursの歌の歌詞を噛み砕いて物語のコンテキストを読み解きながら聴くことが、Aqoursの曲を最大限に楽しむことに繋がるんじゃないかと私個人は思っています。

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