きりんログ

-愛と青春と声豚の記録-

【ラブライブ!サンシャイン!!2期】#11「浦の星女学院」感想ひとりごと

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未来を讃え歌う少女たち―

 

全ての感謝の気持ちを込めて。

決して消えない思い出を作るために。

 

流れ星が燃え尽きようとも。

砂に書かれた文字が波間に掻き消されようとも。

 

浦の星女学院」がこの場所にあったこと。

 

その輝きに触れた全ての人がずっと想い続ける限り。

その名前は永遠にこの世から消えないのでしょう。

 

 

アバン

時は流れ、遂に「浦の星女学院」の最期を盛り上げる「閉校祭」に。開校祭というのは聞いた事はありますが、閉校祭というのは聞いた事がありません。

 

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これまでの感謝を込めて盛大に盛り上がろうよ!

 

それを行うのは、彼女たちが浦の星女学院に「感謝」を伝えようとしたから。

 

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ラブライブに出て輝きたい。輝いてみたいってスクールアイドル始めたけど…
それが出来たのも、学校があったから。浦の星があったから

2期3話「虹」

 

千歌が語るように、彼女たちは学校から沢山の「きっかけ」を貰って来ました。スクールアイドルとしていられること。ラブライブ!に出られること。「浦の星女学院」があったからこそ、彼女たちは「輝き」を目指せるのです。その感謝を伝えようとする千歌たち。あらためて浦の星女学院がただの学校ではなく、Aqours、そして浦女の生徒たち全員から愛される存在だと分かりました。

 

一度は廃校に涙を飲んだAqours。今笑顔で閉校祭に臨む事が出来るのは、浦の星女学院の名前を刻む「挑戦」がまだ終わっていないから。彼女たちの挑戦の前夜祭。学校へのありったけの感謝を伝える祭りが今始まります。

 

Aパート

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本当にいいんですの?3学期のこんな大変な時期に

当然!だって学校の皆が言ってくれたんだよ

閉校祭をやりたいって

 

ダイヤが言う通り。受験や統廃合の手続きで忙しくなる3学期。それでも鞠莉が閉校祭の開催を決断したのは、学校のみんなが閉校祭を提案してくれたから。

 

浦女の生徒たちが理事長に提出した「本校での閉校祭の開催に冠する要望書」。

 

今年度でこの学校が統廃合することが決定してしまいました。しかし、このまま何もせずにただ学校が閉校する姿を見ているだけというのはとても寂しいです。

Aqoursがスクールアイドルとして学校の名前を残してくれる。

けど私たちもこの学校の生徒として何かを残したい。

つきましては、閉校祭という形で学校全体が盛り上がれるイベントを行う許可をお願いいたします。

最後は浦の星のことを思ってくれる卒業生や近所の人たちも交えてこれまでの長い歴史に感謝を込めて締めくくりたいから。

これが今の私たち、浦の星の生徒みんなの気持ちです。

「本校での閉校祭の開催に冠する要望書」抜粋

 

要望書を読むと浦女の生徒たち全員の想いが伝わって来ます。

 

「私たちもこの学校の生徒として何かを残したい」。それは、Aqoursだけに頼らず、大切な学校のために自分たちに出来る事は無いかと模索した最大限の「足掻き」。

 

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優勝する!優勝して、この学校の名前を、一生消えない思い出を作ろう!

 

学校のため、みんなのために「ラブライブ!で優勝しよう」と約束してくれた千歌たちへのアンサー。

 

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千歌達しかいないの!

千歌達にしか出来ないの!

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浦の星女学院スクールアイドル、Aqours!その名前をラブライブの歴史に、あの舞台に永遠に残して欲しい

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Aqoursと共に、浦の星女学院の名前を!

 

ラブライブ!で優勝して『浦の星女学院』の名前を永遠に残すこと」。確かにそれは、Aqoursにしか出来ない事かもしれません。だからこそ、学校のみんなはAqoursに「夢」を託しました。

 

だけど、みんなの中で、自分たちに出来る事は無いか模索し続けたのでしょう。足掻き続けたのでしょう。そして辿り着いた答え。「これまでの長い歴史に感謝を込めて締めくくりたい」。それが閉校祭。彼女たちが刻もうとする永遠に消えない「思い出」。

 

ラブライブ!の歴史に、人々の心の中に決して消えない「記憶」を残そうとするAqours。そして、浦の星女学院を愛する全ての人たちに「思い出」を残そうとする浦女の生徒。どちらも欠けてはなりません。「心は繋がっているから」。「形」は無くなっても、浦の星女学院の名前と思い出はみんなの「心」の中に「永遠」に残り続ける。だからこそ、これは「みんなで叶える物語」なのです。

 

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楽しそうですわね

チカっち達も嬉しいんだよ、学校の皆がこの機会を作ってくれた事が

 

鞠莉の言う通り。千歌は自分より誰かのための方がきっと頑張れるから。日頃感謝をしている学校のみんなからの思いがけないサプライズ。千歌にとってこれ程嬉しいことは無いでしょう。

 

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しいたけの暴走とドタバタ。これもきっといつか楽しい閉校祭の「思い出」として残る。

 

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器物破損、被害甚大、アーチの修復だけで10人がかり4時間のロス

言い訳は結構です

とにかくこの遅れをどうするか。閉校祭は明日なんですわよ!

 

久々に帰ってきた「生徒会長 黒澤ダイヤ」。それを見られた事が無性に嬉しかったのです。

 

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誰も許さないなんて言ってませんわ

最初からそのつもりでしたから

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優しいダイヤも健在。「みんな」が閉校祭を盛り上げようと心をひとつにします。

 

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スクールアイドル部でーす!

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よろしくお願いしまーす!

あなたもスクールアイドルやってみませんか?

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はい!

スクールアイドルやります!

 

1期1話のスクールアイドル部の新歓を思い出させる曜の掛け声。終わりなど考えずに始まりだけを考えていた季節が愛おしくなりました。全てはこの場所から始まったのだなと。とてつもなくセンチメンタルな気持ちになりました。

 

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なんか静かだね

学校はあんなに賑やかなのに

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うん、なんかいいよね。そういうの

外は普通なのに学校の中はみんなの夢で、明日に向いてワクワクしてて

時が過ぎるのも忘れていて。

好きだな、そういうの

 

ここの曜と千歌のやり取りが凄くリアルに感じて胸に刺さりました。祭りのさなか喧騒から離れると、とてつもない静寂に包まれます。そして、ふと人の集まりに目を見やると賑やかな様相。

 

外は普通なのに学校の中はみんなの夢で、明日に向いてワクワクしてて。時が過ぎるのも忘れていて」。

 

祭りも学校もいつか終わりが来る。「青春」だって同じ。でも、何かに夢中になっている最中は、みんな終わりの事など考えてはいません。ただ、「明日」への期待感で胸が膨らんでいる。リアル過ぎる「モラトリアム」の描写に、胸が締め付けられる思いでした。

 

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ずっとこのままだったらいいのにね

明日も、明後日もずーっと

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私ね、千歌ちゃんに憧れてたんだ

千歌ちゃんが見ているものが見たいんだって

ずっと同じ景色を見てたいんだって

 

初めて千歌に告げた自分の気持ち。彼女はずっと千歌に「憧れ」を抱いていました。

 

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1期11話「友情ヨーソロー」では、言葉では伝えませんでした。「だから、スクールアイドルは絶対一緒にやるんだって。絶対曜ちゃんとやり遂げるって」。千歌の想いを知った曜は千歌に抱きつく事で溢れる想いを表しました。

 

しかし、曜は想いをストレートに「言葉」で伝えます。ずっと憧れていた気持ちを。「千歌ちゃんが見ているものが見たいんだって。ずっと同じ景色を見てたいんだって」。それはまさしく、千歌がμ'sへの「憧れ」を語った時の言葉に重なるものでした。千歌がμ'sに憧れるように、曜も千歌に憧れていた。その事を知ってまた1話から見ると変わるものがありそうです。

 

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そして、1話では普通星人の千歌が曜に憧れる描写が描かれていました。

 

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やがて1期11話で、お互いが「ずっと一緒に何かをやりたい」という気持ちを持っていた事が明かされます。そして終盤の2期11話。ようやくお互いに「憧れ」の気持ちを抱いていた事が分かりました。「友情ヨーソロー」のその先の物語。最後の最後に2人の「これまで」の物語に完成が見えた事。とてつもないカタルシスを覚えました。

 

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このまま皆でおばあちゃんになるまでやろっか

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このまま皆おばあちゃんになるまでやろっか」。最高の台詞です。

 

さり気なく梨子が物陰に隠れるのが良いですよね。きっとあの場所に梨子が入っていたら曜は自分の気持ちを伝えられなかった。やはり「友情ヨーソロー」は千歌と曜と梨子の3人で完成するのだと。

 

Bパート

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閉校祭の始まり。1期4話「ダイヤさんと呼ばないで」で登場した子供たちが学校に遊びに来るのもいいですよね。やはり閉校祭は卒業生や近所の人たちの「みんな」で一緒に盛り上がるお祭りなのです。

 

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ダイヤお手製のラブライブ!クイズ。こちらもお馴染みです。これは妄想ですが、ラブライブ!クイズに参加していた赤いリボン(2年生)の生徒たち。

 

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クラスの子が前に作りたいって言いに行った時も断られたって

 

もしかすると、1期1話で曜が言っていた、かつてスクールアイドル部の申請をした子たちなのかもしれません。

 

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梨子ちゃんが勝手に手伝ってくれるって

流石リトルデーモンリリーずら

花丸ちゃんだって一度くらい善子ちゃんの望みを叶えてあげたいって

マルはたまたま…

 

2人とも隅に置けません。黄昏の理解者です。

 

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じゃあAqoursを占ってください

この先どんな未来が待ってるか

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それなら占うまでもありません

全リトルデーモンが囁いています

Aqoursの未来は…

 

Aqoursの未来。それは、カードにて語られる事になります。

 

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それにしても変わってないわねここ

うん、匂いもあの頃のまま

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千歌ちゃんは毎日来てるから気づかないかもしれないけどあるのよ

ここだけの懐かしい匂いが

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浦女の卒業生の志満と美渡も昔を懐かしむように語ります。彼女たちの言葉を聞いて、浦の星女学院は千歌たち在校生だけでなく、「世代を超えて」長く愛された学校なのだと。それが分かって胸が一杯になりました。

 

そして、姉の楽しげな言葉を聞いて千歌が笑顔になるのも良いですよね。やはり彼女は周りの人が楽しそうにしている姿が大好きなのです。

 

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よしみ達からのサプライズ。「浦女ありがとう」。学校への「感謝」の気持ちが形になって大空に羽ばたきます。

 

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2期11話には、「ラブライブ!The School Idol Movie」を感じさせるオマージュが幾つかありました。「SUNNY DAY SONG」を歌い終わった後に飛び立ったハート型の風船。

 

今回の話では、形は無くなっても拡がっていく「浦の星女学院」への想いを象徴しているようでした。

 

そして終わりの時―

 

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楽しい時間というのはいつもあっという間で

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そこにいる誰もがこの時間がずっと続けばいいのにって思っているのに

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でもやっぱり終わりは来て

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時が戻らないこと

もう一度同じ時間を繰り返せないことがとても淋しく思えるけど

 

劇場版のμ'sの最後のライブで歌われた「僕たちはひとつの光」。その中でもダイヤの台詞と似たフレーズが使われていました。

 

時をまきもどしてみるかい? No no no いまが最高!

 

「いまが最高」。それが、μ'sが出した「最後の答え」。そして、Aqoursは答えます。

 

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同時にやっぱりどうなるか分からない明日の方がちょっぴり楽しみでもあって

 

もう一度同じ時間を繰り返せないことがとても淋しく思えるけど、同時にやっぱりどうなるか分からない明日の方がちょっぴり楽しみ

 

未来が最高

 

それが、Aqoursが出した新たな答えのひとつ。

 

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あぁこれが時が進んで行くことなんだなって実感できるズラ

 

2期10話の「こうして時って進んでいくんだね」という鞠莉の台詞。時間を経て、鞠莉の気持ちが全員に共有されました。

 

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そして気づく

 

善子が占うまでも無く出したAqoursの未来。「正位置の星」。「希望、ひらめき、願いが叶う」。Aqoursの未来は「輝き」に満ち溢れていると。

 

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きっと二度と同じ時は無いから

この時が楽しいって思えるのかな

今こうしていられるのがたった一度きりって分かっているから

全力になれる

 

「今が最高」。それは、「限られた時間のなか」であればこそ。だから「精一杯輝こうとする」。「今が最高」という言葉の中に普遍的なスクールアイドルの価値が詰まっているのかもしれません。

 

そして、更なるAqoursの想い―

 

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いつか終わりが来ることを皆が知っているから

終わりが来てもまた

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明日が来ることを知っているから

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未来に向けて歩き出さなきゃいけないから

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みんな笑うのだろう

 

時間は限られていること。終わりが来ることを知っているから「今が最高」だと歌える。そしてまた、「明日が来ることを知っているから、未来に向けて歩き出さなきゃいけないから」笑える。その2つは決して相反するものではなく、時を経て繋がっていくもの。「今が最高」だからこそ明日に希望が持てるのであり「未来が最高」になるのだと。

 

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これで浦の星女学院の閉校祭を終わります

今日集まった人を見て私はあらためて思いました

この学校がどれだけ愛されていたか

どれだけこの街にとって皆にとって大切なものだったか

 

在校生、卒業生、そして街の皆。「閉校祭」を通じて知ったみんなの浦の星女学院への「愛」。

 

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だからこの閉校祭は私にとって何よりも幸せで

私にとって何よりもあたたかくて

 

鞠莉は「愛」を知れた事が幸せだと語ります。なぜなら、彼女自身が浦の星女学院のことをずっと愛してきたから。

 

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世界の広さを教えてくれた大切な2人。その2人と過ごして来た大切な場所。

 

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9人で夢へと向かい、共に守ろうとしてきた場所。

 

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彼女が浦の星女学院に戻って来た時。その時も深い愛を持ってやって来たのでしょう。

 

だからこそ、自分が大好きな浦の星女学院が、みんなからも愛されていると知れて何よりも嬉しかった。何よりもあたたかかった。鞠莉の想いが報われたような気がして涙なしでは見れませんでした。

 

しかし、同時に―

 

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ごめんなさい…ごめんなさい…

もう少し頑張れれば…もう少し…

 

鞠莉は、みんなの学校への想いを知ったからこそ学校を廃校から救えなかったことへの責任を感じ、謝罪の言葉を口にしたのでしょう。

 

そこに声を発したのが―

 

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あーくーあ!あーくーあ!

 

またしても、学校の仲間でした。Aqoursが挫けそうになった時。いつも背中を押してくれるのは学校のみんな。

 

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Aqoursにとってもはや彼女たちは応援してくれる誰かではなく、彼女たちに「勇気」という名の「翼」をくれる存在なのです。

 

Aqours」を奮い立たせるように「何度だって」みんなは彼女たちの名前を叫びます。学校を救ってくれる「勇者」のために。

 

ラブライブ!』2期11話で描かれた「9人」で終わりを告げるシーン。『ラブライブ!サンシャイン!!』では、9人を取り巻く「みんな」も合わせて一緒に「終わり」に至りました。

 

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ダイヤは鞠莉の背中を押します。劇場版で、解散の意思を伝えようとした友達の背中を押したように。「勇気」は鞠莉の元へ。

 

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みんなありがとう!

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じゃあラストにみんなで一緒に歌おう!

最高に明るく…最高に楽しく…

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最高に声を出して!

 

彼女が人前で初めて見せた涙。喜びを感じて飛び上がる鞠莉。それは、心から溢れる「輝き」。

 

みんなから「勇気」を貰った鞠莉。彼女たちは、最高に明るく楽しく声を出して「みんな」で歌おうと誓います。大好きな「浦の星女学院」に向けた、そして自分たちの「未来」に向けた最高の歌を―

 

ED『勇気はどこに?君の胸に!』

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砂浜に打ち寄せる波。それは「Aqours」の文字をかき消すことでしょう。それでも、「何度だって」「夢は消えない」と歌にあるように、決して人々の中からは「Aqours」の存在は消えない。消さないようにするために、みんなは今こうして高らかに歌うのですし、未来で必ず「一生消えない思い出」を作ろうとするのです。

 

浦の星女学院」は「音ノ木坂学院」のように形としては残りません。ただ、浦の星の生徒たちが「Aqours」の名前を叫び続ける限り、人々が彼女たちの名前を思い出し続ける限り。「浦の星女学院」がそこにあったこと、「Aqours」がそこにいたことは永遠に消えないでしょう。

 

Cパート

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やり残したことなど

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ないそう言いたいね

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いつの日にか

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そこまでは

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まだ遠いよ

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だから僕らは

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頑張って挑戦だよね

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9人と浦の星の生徒たちが見届けた燃え尽きた薪。それは、閉校祭の終わりを告げるもの。それは、波にかき消される砂文字と重なるもの。そしてそれは、浦の星女学院の最後を伝えるもの―

 

それでも、彼女たちの中に灯った「想い」は決して消えることはありません。形としては消える「浦の星女学院」を人々の心に残すための「挑戦」はまだ終わっていません。

 

だからこそAqoursは「未来」に向かって全速前進で走り続けるのです。「キセキ」を起こすために、自分たちだけの「輝き」を見つけるために「頑張って挑戦」するしかないのです。「やり残したことなどない」と、いつの日にか言えるその時まで。「今」を全力で、「未来」を全力で――

 

あとがき~未来讃歌の少女たちへ~

ラブライブ!サンシャイン‼︎』2期11話「浦の星女学院」。

学校を廃校から救えなくても最後まで沢山のきっかけをくれた「浦の星女学院」に向き合い、「閉校祭」という形で感謝を伝えた姿には胸がいっぱいになりました。

それでも『勇気はどこに?君の胸に!』を歌いながら笑顔で燃え尽きる薪を見届ける姿はやはり見ていて辛いものがあります。

学園祭の最後にキャンプファイヤーを行うのは定番だという方も多いかと思いますが、彼女たちが執り行うキャンプファイヤーには特別な意味を感じました。

それは、「儀式」的な側面。「けじめ」と言ってもいいかもしれません。

元々キャンプファイヤーには「儀式」としての側面があったそうです。

私は、本当は泣き崩れてもおかしくない「最後」に至るまで、彼女たちが笑顔で燃え尽きる薪を眺めていた姿が目に焼き付いています。

1つには、学校への感謝の気持ちを伝えるため。彼女たちの中には笑顔で見届けようという意思があったのかもしれません。

そしてもう1つ。ラブライブ!決勝に進む前の「決起」としての意味合い。

彼女たちは直前にラブライブ!決勝が控えていますが、一度「けじめ」をつける意味でも決勝の前に閉校祭という形で区切りをつける必要あったのではないか。

それを象徴していたのが最後に燃え尽きた薪なのだと。

私は笑顔で最後を見届けるAqoursたちの姿を見てそう思いました。

 

さて、あとがきでは11話感想本編の中にも用いた「未来が最高」という言葉についてもう少し言及したいと思います。

「未来が最高」。

もちろん私が考えた造語であります。

ただ、Aqoursを見ていて、いつの日からか彼女たちは「未来志向のスクールアイドル」だと強く思うようになりました。

それは、作品や楽曲の至る所に「未来志向」を感じさせるエッセンスが盛り込まれているから。

1期で一番象徴的なのが、地区大会予選直前の千歌の言葉。

 

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これからも、いろんなことがあると思う。
嬉しいことばかりじゃなくて、辛くて大変なことだっていっぱいあると思う
でも私、それを楽しみたい!全部を楽しんで、皆と進んでいきたい!!
それがきっと、輝くっていうことだと思う!

高海千歌

 

「どんなことが起こるのか分からないのも楽しみさ」

青空Jumping Heart』の歌詞にもありますが、それは未来が不確定要素でいっぱいだからこそ未来は希望に満ち溢れているという考え方。

それはまさに、「未来志向」という言葉に即したものでしょう。

上記の言葉を放った直後に「未来」をタイトルに冠した『MIRAI TICKET』を歌うのも印象的です。

「ミライヘ旅立とう」「ヒカリになろうミライを照らしたい」

常に彼女たちの意識は未来へと向いているのです。

 

他にも楽曲でも「未来」がエッセンスとして含まれる曲を挙げればいとまがありません。

 

・『君のこころは輝いてるかい?』(「今…みらい、変えてみたくなったよ!」)

・『勇気はどこに?君の胸に!』(「走り続けてつかめるミライ」)

・『HAPPY PARTY TRAIN』(「期待で輝く瞳なら見えるよ…」「人生ってさ沢山の場所へ続いてる…)

・『未熟DREAMER』(「どんな未来かは誰もまだ知らない…」)

・『ユメ語るよりユメ歌おう 』(「ミライ望む言葉から…」)

・『Step! ZERO to ONE』(「たぶんこの先の未来は謎のままだね…」)

・『想いよひとつになれ』(「一途に未来を呼ぶ心」)

 

(確かにμ'sの曲でも「未来」というフレーズが使われる曲は沢山あり「未来志向」というエッセンスを感じられる曲は少なからずありましたが、Aqoursは楽曲は勿論のこと物語の中でも「未来」という言葉を更に声高に主張しているように感じたのが、私個人としての感想です。)

 

2期で印象的なのが、やはり今回の話で登場した鞠莉たちの言葉でしょう。

「明日が来ることを知っているから、未来に向けて歩き出さなきゃいけないからみんな笑うのだろう」

明日が来ることを知っているから。

以前、伊波杏樹さん主演の舞台『ブラックダイス』を見た時に感じた事ですが、桜を心待ちにできる人間は、桜が美しいと知っている人間だけなのです。

明日が希望にあふれていると知らないと、未来を心待ちにして笑うことはできません。

 

するとどうでしょう。

「未来」は「今」を積み重ねて行った先にあります。

「明日」は「今日」を積み重ねて行った先にあります。

つまり、「未来が最高」だと言えるのは「今が最高」だと知っている人間。

(もっと言うと、「過去」も「今」になります。大切な過去を抱きしめた鞠莉がいたことも、この物語が今に閉じた物語ではないと言えるでしょう)

感想の本編でも述べましたが、「限られた時間」だからこそ「今」を精一杯に生きることができるのです。

その「今」が最高になるからこそ、まだ見ぬ「未来」に希望を持てるのです。

 

未来の僕らは知ってるよ

 

そのタイトル自体が「未来」に希望が溢れた歌ですが、

「今日が明日を引き寄せるんだと」

という歌詞は、まさに未来を讃え歌う少女たちの言葉に他ならないでしょう。

 

最後に、感謝の言葉を。

私は文化祭に参加した事がありません。

学校にそもそも文化祭というものが無かったのです。

それでも、浦女の生徒たちが厳密に文化祭ではありませんが、閉校祭を執り行い、その様子を垣間見せてくれたので、自分がやった事の無い学園祭に参加できたような気分になれました。

正直に言うと、自分が通っていた学校より、「浦の星女学院」や「音ノ木坂学院」への方が思い入れが強くあります。

それは、これまでラブライブ!が「自分のための物語」だという側面が強く、常に登場人物の誰かに感情移入して見ていたから。

だからこそ、11話の「閉校祭」は鞠莉や千歌たちAqoursにとってもサプライズだったでしょうし、自分にとってもサプライズに感じたのです。

大好きだった学校の最後に学校への感謝の気持ちを伝えること。

スクールアイドルから受け取ったものをスクールアイドルに還元するμ'sの姿に重なって見えました。

まだ彼女たちの戦いは終わっていません。

これから彼女たちが臨む舞台は、学校から貰ったものを返すための戦いでもあるのかもしれません。

私も、『ラブライブ!サンシャイン!!』から受け取った沢山のきっかけに感謝の気持ちを抱きながら。

いつか恩返しが出来る日が来る事を胸に、Aqoursと、浦の星女学院のみんなと歩んで行きたいと思います。