【ラブライブ!サンシャイン!!】第11話「友情ヨーソロー」 感想ひとりごと
ラブライブ!サンシャイン!!第11話「友情ヨーソロー」。待ちに待った曜ちゃん回です。曜ちゃんはこれまでどちらかと言えばさっぱりした性格のように見えていて、8話で千歌と距離を感じてしまった時でも最後には何事も無かったかのように仲良くなっていました。でも実は、曜ちゃんがずっと密かに抱えていた目に見えなかった感情。10話で梨子ちゃんのことを見つめていた千歌に曜ちゃんが気づく場面で、初めて目に見える形でその気持ちが曜ちゃんの表情にも表れていた気がします。そんな曜ちゃんが抱いていた気持ちは、単純に梨子ちゃんへの嫉妬の気持ちなのか。今回は、曜ちゃんの気持ちの正体は一体何なのか、そこに注目しながら見ていました。
梨子の旅立ち、次のステージでまた
梨子ちゃん、しっかりね!
冒頭は、梨子ちゃんが東京へと出発する場面から。10話で千歌に背中を押してもらった梨子ちゃんの旅立ちに、千歌たちが見送りに来ました。
梨子ちゃん!次のステージは、絶対みんなで歌おうね!
「次のステージ”は”」ラブライブの予備予選に”8人”でAqoursが出場することが強く印象付けられる言葉です。「ラブライブは9人全員で出るだろう」という大方の予想を裏切られる展開をサラッと12話の序盤に入れてくるあたりにはテンポの良さと、制作陣の自身のありようみたいなものが伝わって来る気がしました。
もちろん!
走り去っていく梨子ちゃんの姿には、どこか清々しさを感じました。東京ではピアノに正面から向き合えずに内浦に来た梨子ちゃん。その時に”独り”で戦っていた梨子ちゃんには、今では信頼できる仲間が8人もいます。過去の自分が乗り越えられなかったピアノのコンクールに皆の力で再び立ち向かう梨子ちゃんの姿は、9人揃った今であればこそ見られる姿だと思うと胸が熱くなりました。
千歌ちゃん……?
そして、梨子ちゃんが走り去った方向を見ながら呆然とする千歌。自分の声が届かなかったことに気付いた曜ちゃん。いよいよ11話の本題が始まろうとしています。
千歌と曜ちゃんの合わない歩幅
あ!これって…セイントスノー!
先に行われた北海道予備予選をトップで通過したって!
Saint Snowの現況もしっかりと描くあたりにプロットの丁寧さを感じます。サンシャイン!!は確かにAqoursがメインのお話ではありますが、彼女たち同様にスクールアイドルワールドで入賞を逃して「悔しさ」を一度口にしたライバルが、他の場所で頑張っている姿が描かれていることで着実に彼女たちも努力をして成果を残していることが伝わって来ます。特に、Saint SnowはA-RISEとは異なり、「一緒にステップアップするライバル」という印象が強いので、僅かでもそういう描写を入れてくれると説得力が増す気します。
曜ちゃんが転んだ姿を見て笑顔になる千歌を見て、笑い返した曜ちゃん。曜ちゃんは常に千歌ちゃんの反応を気にしているのが伝わって来ます。
違うよ。私が歩幅、曜ちゃんに合わせられなくて…
いなくなった梨子ちゃんのポジションに、幼なじみという理由で任命された曜ちゃん。しかし、いくらステップを繰り返しても息が合わずぶつかり合ってしまう二人。
そんな二人のぎこちなさに、3年生の鞠莉は既に気が付いていたようです。
あ、ごめん…
どうしても、梨子ちゃんと練習してた歩幅で動いちゃって…
千歌ちゃん、梨子ちゃんと練習した通りにやってみて?
自分と千歌の歩幅では上手く行かなった二人。曜ちゃんは、千歌に梨子ちゃんと練習していた時と同じ歩幅で踊るように言います。すると、はじめて歩幅が上手く合いました。自分との歩幅では息が合わなかったけれども、梨子ちゃんとの歩幅で踊る千歌には合わせてあげることが出来た曜ちゃん。ここで見られる彼女の「要領の良さ」は、11話を通して見ると分かることですが、他でもない曜ちゃんが抱いていた「自己嫌悪」のひとつの原因でもありました。
じゃあ曜ちゃん!梨子ちゃんに話しておくこと、無い?
梨子ちゃんと電話する千歌から「梨子ちゃんに話しておくこと無い?」と言われますが曜ちゃんは一瞬戸惑います。この時彼女は、仲良く会話する千歌と梨子ちゃんのスペースに自分が入っていけないもどかしさを感じていたのだと思います。
二つに分けたアイスを千歌と分けられずにそっと手提げのビニール袋に戻した姿に、曜ちゃんの気持ちの一端が表れている気がしました。
あら、最初は千歌っちと曜の2人だったのね
てっきりスタートはちかっちと梨子だとばかり思ってました
確かにそう見えなくもないですわね
今の状況からすると
最初に届け出されたスクールアイドル部の申請書に「千歌」と「曜」の名前が入っているのを見て驚く鞠莉。彼女は、「千歌」と「梨子」が最初にスクールアイドル部を始めたと思っていたようです。恐らく、これまでの千歌と梨子の距離の近さを見て感じていたことなのでしょう。1話で登場した申請書を再びここで登場させて来る辺りに、やはり今回も構成の丁寧さを感じてしまいました。
曜の背中を押したのは、鞠莉
…え?千歌ちゃんと?
はい。上手くいってなかったでしょー?
曜の姿を見て、心配になった鞠莉。彼女は持ち前の性格から、ズバリ単刀直入に曜ちゃんが抱いている気持ちは「嫉妬」なのか問いかけます。
千歌っちを梨子に取られて…嫉妬ファイヤ~~
が、燃え上がってたんじゃないの?
話して?千歌っちにも梨子にも話せないでしょ?
確かに、鞠莉の言うとおり、曜ちゃんが抱いている気持ちは、千歌にも梨子ちゃんにも話せません。それは、お互いの距離が近すぎるから。そして、自分がこんな感情を抱いていることが伝わったら、2人に迷惑をかけてしまうんじゃないかと曜ちゃんなりに思っていたから。これまで常に他人想いだった曜ちゃんを見て、そんなことを思っているんじゃないかと私は思いました。
そんな時に相談に乗ってくれたのが、1つ上の先輩の鞠莉。「鞠莉ちゃん」と曜ちゃんが呼ぶあたりに、既に「先輩禁止」の構図は出来上がっていましたが、やはりこういった相談に乗れるのは先輩である鞠莉だからこそ。また、彼女の相手の懐に入っていける性格のおかげで曜ちゃんもこの後本音を言うことが出来たんだと思うと、鞠莉が果たした役割は大きいものだったことが分かります。
私ね、昔から千歌ちゃんと一緒に何かやりたいなーって、ずっと思ってたんだけど…
だから、千歌ちゃんが一緒にスクールアイドルやりたいって言ってくれた時は凄く嬉しくて…
かつて曜ちゃんが語った「ずっと千歌ちゃんと一緒に夢中になれることがしたかった」から、スクールアイドルを始めたという理由。中学生の時、自分が水泳部に入る際も、「また千歌とは一緒のことをできないんだ」というもどかしさを曜ちゃんは抱いていたからこそ、高校になって千歌ちゃんが初めて夢中になれるものを見つけてくれたことが嬉しかった。しかし、
やっと一緒に出来るって思って…でも、
すぐに梨子ちゃんが入って…
気付いたら、みんなも一緒になってて…
それで思ったの…。
千歌ちゃん、もしかして私と2人は嫌だったのかなって
私…なんか要領良いって思われてる事が多くて、だから、そういう子と一緒にって、やりにくいのかなって…
千歌ちゃんとずっと一緒のことをやりたくても出来なかった想い。ようやく一緒に何か出来るんじゃないかという期待感。それでも、すぐに梨子ちゃんや皆が間に入ってきてしまったこと。そんな時、曜ちゃんはある不安を抱きました。
千歌ちゃん、もしかして私と2人は嫌だったのかなって
彼女は、我々が予想していたような、そして鞠莉が問いかけていたような「嫉妬」の気持ちを持っていた訳ではありませんでした。そうではなく、千歌ちゃんが自分のことを嫌っているんじゃないかという「不安」な気持ち。
私…なんか要領良いって思われてる事が多くて、だから、そういう子と一緒にって、やりにくいのかなって…
要領が良く何でも卒なくこなして来た曜ちゃん。運動神経の良さ、ダンス、デザイン、料理、何でも完璧に出来てしまう姿が描かれていましたが、実はその影で曜ちゃん自身は「要領が良いから、一緒に居づらいと思われているんじゃないか」という気持ちを抱いていました。それは、「自己嫌悪」に似た感情と言ってもいいでしょう。彼女の中にそんな気持ちがあったことを知ってしまうと、これまでの多くのシーンが違って見えてくるような気がして恐ろしくもあります。
第1話で、幼少期の曜ちゃんが、千歌ちゃんに見てもらおうと飛び込みをする場面が描かれていましたが、そこで他の友だちが集まってきてしまったが為に二人の間に距離が生まれていたのお話がありました。
それは、今スクールアイドルを始めた時もそうです。千歌と自分の間には誰かがいた経験が多くあって、曜ちゃんは「千歌ちゃんに嫌われているんじゃないか」という不安、そして、そんな不安から来る「要領が良かったせいで」という自己嫌悪の気持ちを抱いていたのでした。
本音でぶつかった方がいいよ
大好きな友達に本音を言わずに、2年間も無駄にしてしまった私が言うんだから。間違いありません!
暗い過去を、明るく語ることが出来る鞠莉の存在。彼女のタフさに関心すると共に、曜ちゃんにとってはこれ以上なく勇気づけられた言葉だったでしょう。
梨子へとぶつける曜の本音
みんなにお礼だって送ってくれたの!梨子ちゃんが
曜ちゃんのもあるよ!
あ…ありがと
鞠莉に背中を押して貰った曜ちゃんですが、中々千歌には本音を伝える事が出来ません。
結局話せなかった…
本音っていっても…私、なんて言えばいいんだろ…
曜ちゃんが千歌に本音をぶつけることが出来なかったのは、それはやはり曜ちゃんと千歌との近すぎる距離感と、こんな感情を自分が抱いていることが伝わったら千歌ちゃんに嫌われてしまうんじゃないかという不安や自己嫌悪が先行してしまっていたからだと思いました。
千歌ちゃん!
私と梨子ちゃんのどっちが大切なの!?
私、渡辺曜は千歌ちゃんのことが…
なんかわけ分かんなくなってきた…
千歌ちゃんに自分の気持ちを何と伝えていいか分からないモヤモヤ感。彼女の気持ちが迷走していることが、妄想が明後日の方向に行っている様子から伝わって来ました。壁ドンをして千歌に迫ったり、「恋になりたいAQUARIUM」で見られたような三角関係を思い描いたり、本人も「なんか分かんなくなってきた…」と口にします。そんな時、
梨子ちゃんからの電話。千歌の待ち受けもそうでしたが、ランチパックを食べようとして「撮らないで!」と言わんばかりの梨子ちゃんの姿を二人とも待ち受けにしている辺りに、確かに3人の間には「友情」があったことを伺い知ることができます。
無理に合わせちゃダメよ?
曜ちゃんには曜ちゃんらしい動きがあるんだし。千歌ちゃんも絶対そう思ってる
そうかな…
そんなこと…ないよ
千歌ちゃんの側には、梨子ちゃんが一番合ってると思う
千歌ちゃん…梨子ちゃんの側にいると嬉しそうだし…
曜ちゃんは、千歌にはぶつけられなかった本音を梨子ちゃんにぶつけます。それが出来たのは、曜ちゃんと梨子ちゃんの近すぎない距離感。そして、いつも包み隠さず本音を語ってくれる梨子ちゃんだからこそだと思いました。
千歌ちゃん、前話してたんだよ?
…え?
曜ちゃん!
…千歌ちゃん!どうして?
練習しようと思って!!
考えたんだけど…
やっぱり曜ちゃん、自分のステップでダンスした方が良い!
1から作り直した方がいい!
曜ちゃんと私の2人で!!
梨子ちゃんから千歌の本音を聞いた直後、千歌本人が表れました。
千歌は、梨子ちゃんとの歩幅に合わせてくれた曜ちゃんのステップを否定します。曜ちゃんと上手く出来たステップは、正に曜ちゃんの「要領の良さ」から生まれたもの。千歌の言葉を聞いた瞬間、曜ちゃんの「自分が要領が良いせいで、一緒にやりづらいと千歌たんに思われているんじゃないか」という不安までも「それは違うんだ」と千歌が否定してくれているようにも聞こえました。それと同時に、曜ちゃんは梨子ちゃんの代わりじゃなくて、曜ちゃん自身が必要なんだとも言っているように聞こえました。
あのね、千歌ちゃん前話してたんだよ?
曜ちゃんの誘い、いつも断ってばかりで、ずっとそれが気になってるって
曜ちゃんが、一方的に抱いていたと思っていた「自分は千歌ちゃんに嫌われていて、ずっと二人で何かをするのは嫌なんじゃないか」という不安。
実は千歌の方も
曜ちゃんの誘い、いつも断ってばかりで、ずっとそれが気になってる
という想いをずっと抱いていたのでした。
これまで、曜ちゃん視点で語られていただけに、千歌に断られ続けていたという事実のみを一方向からしか捉えられていませんでしたが、断り続けていた千歌の方から見ると「いつも曜ちゃんの誘いを断ってしまっていて、曜ちゃんはそのことを気にしているんじゃないか」という「不安」な気持ちが存在していた訳です。
もしかすると、千歌がスクールアイドル部を設立する時に曜ちゃんを強引に誘わなかったのは、これまで自分が断り続けてきたのに千歌は負い目を感じていて、自分から話を持ち出すのは自分勝手なんじゃないかと思ったからなのではないでしょうか。8話で、曜ちゃんには本音をぶつけられなかったのも、自分の活動に曜ちゃんを付きあわせてしまっているという気持ちを強く持っていたから。
距離が近過ぎるあまり本音で話せなかったがゆえに、ずっと見えなかったお互いの本当の気持ち。3年生もずっと本音を打ち明けられない時間が長く続いてしまっていましたが、2年生は梨子ちゃんが間に入ることでようやく千歌と曜ちゃんの気持ちを結び付けることが出来ました。何か2年生の間にも確かな「友情」があることを強く実感することが出来ました。
だから、スクールアイドルは絶対一緒にやるんだって。
絶対曜ちゃんとやり遂げるって
曜ちゃんがずっと抱いていた「千歌ちゃんと一緒に夢中になれることが出来なかった」という気持ち、そして、千歌の「これまで曜ちゃんの誘いを断ってきて何も一緒に出来なかった」という気持ち。二人の隠れていた気持ちが、梨子ちゃんの力を借りて「スクールアイドルは、絶対に一緒にやるんだ」という点で今まさに繋がりました。
汗びっしょり…どうしたの?
バス終わってたし…
曜ちゃん、なんかずっと気にしてたっぽかったから…いても立っても居られなくなって…へへ…
私…バカだ。
バカ曜だ…
ずっと千歌の気持ちを分かってあげられず、勝手に自分ばかり嫌われていると決めつけていた自分自身の情けなさ。そして、千歌は本当にやり遂げたいと思うものしか本気でやらないということを自分でも知っていたのに、その気持ちを最後まで信じてあげることが出来なくなっていた自分の不甲斐なさ。何か「バカ曜だ…」という台詞にはそんな気持ちが全て詰まっているように聞こえました。
曜ちゃんは階段を降りてる時には付けていなかった梨子ちゃんから貰ったシュシュを身に付けていました。千歌と曜ちゃんだけで二人の友情が深まった訳ではなく、梨子ちゃんとの友情があったからこそ二人の絆が深まったことが強く感じられます。
初めて分かり合えたお互いの本当の気持ち。千歌を抱きしめる曜ちゃんの頭上には、一筋の流れ星が流れていました。
想いよひとつになれ
そろそろね…
梨子ちゃんがプレゼントしたシュシュを手首に付ける8人。自分の手首にも付けていたシュシュを見て「そろそろね…」とつぶやく梨子ちゃん。自分のピアノの番が来たということだけでなく、遠い場所で自分の分まで頑張ろうとしてくれているAqoursの8人が立とうとしているステージも想っての一言のように聞こえました。
さあいこう!
ラブライブに向けて!
私達の第一歩に向けて!
今、全力で輝こう!
遠く離れた場所でも思いは繋がっています。
私ね、分かった気がするの
あの時、どうして千歌ちゃんがスクールアイドルを始めようと思ったのか
スクールアイドルじゃなきゃダメだったのか
うん。
千歌ちゃんにとって輝くということは
自分ひとりじゃなくて、
誰かと手を取り合い、
みんなと一緒に輝くことなんだよね
「千歌ちゃんと一緒に夢中になれるもの」を始めようとした時に「皆が入ってきた」と本音を溢していた曜ちゃんですが、その「みんな」がいてくれることこそが千歌ちゃんにとって「輝く」為には必要なものであり、千歌ちゃんと一緒に輝くということは皆と一緒に輝くことなんだと理解することが出来た曜ちゃんの言葉には説得力がありました。
私や曜ちゃんや、普通の皆が集まって
ひとりじゃとても作れない
大きな輝きを作る
その輝きが学校や聞いてる人に拡がっていく
繋がっていく…
それが、千歌ちゃんがやりたかったこと
スクールアイドルの中に見つけた、輝きなんだ
「千歌が、スクールアイドルじゃなきゃダメだった」本当の理由。それは、曜ちゃんと梨子ちゃんが理解した千歌だけの「輝きたい!!」という想いだけでなく、何かこれまでの全ての「みんなで叶える物語(スクールアイドルプロジェクト)」に通底している概念のようなものでもありました。
そして始まる8人の曲のタイトルは「想いよひとつになれ」。8人で歌う曲ですが、確かに梨子ちゃんがいて、9人全員で作った曲。タイトルが9文字なのも含めて何か9人であることが強く印象付けられるような曲の名前だと思いました。
梨子ちゃんが本気でピアノに向かって演奏を始める瞬間から曲は始まります。
梨子ちゃんを思わせるピアノを弾く仕草。遠い場所にいても離れていても、梨子ちゃんのことを想う全員の気持ちが振付から伝わって来ます。
歌詞が、千歌と曜ちゃんの気持ちにリンクしています。
ピアノに向き合うことで、スクールアイドルを諦めない。
それは、遠くで自分の夢に真剣に向き合う梨子ちゃんへのメッセージ。
千歌と曜ちゃんが落ちサビで二人でセンターに立つ場面を見ると、「君のこころは輝いてるかい?」で千歌と梨子ちゃんが二人センターで歌っていた場面が思い出されます。千歌と梨子ちゃんの奇跡の出逢い、そして、千歌と曜ちゃんのずっとそこにあった友情、その二つが合わさって始めて3人の絆が繋がるようでいて、二曲で一つのような、そんな美しい印象を持ちました。
1人でピアノに向き合う梨子ちゃん、8人でステージに立つ千歌や曜ちゃんたち。別々の場所にいても、同じ明日を信じてそれぞれが好きなことで頑張る。歌詞は、ストレートに彼女たちの気持ちを表現していました。
遠い場所にいる8人に向けて、手を伸ばす梨子ちゃん。
遠い場所にいる梨子ちゃんに向けて、手を掲げる8人。
遠く離れた場所にいても、確かに9人の固い絆が距離を超えて繋がり合っていることが強く感じられる、そんな最後のシーンでした。
9人であること
第11話「友情ヨーソロー」、千歌と曜ちゃんのお互いの気持ちが通じ合って友情が前進(ヨーソロー)する回でありながら、梨子ちゃんがいたからこそ二人の絆が縮まったことは疑いようもありません。思い返せば、8話で自分の気持ちに素直になれない千歌が、本音をぶつけられた相手も梨子ちゃんでした。
メンバーが9人いると、どうしても目立つ子とそうでない子が出てきてしまうと思うんですけど、9人が絶対必要なお話じゃないといけないと、脚本の花田(十輝)さんにはずっとお願いしています。
監督・京極尚彦 「ラブライブ! TVアニメオフィシャルBOOK 」
これはラブライブ!の京極監督のインタビューですが、脚本の花田さんには今でもその想いがあって、それがまた酒井監督に受け継がれているような気がします。
今回の話は特に、「ラブライブ!サンシャイン!!」でも「9人が絶対必要なお話じゃないといけない」というコンセプトが根底にあることが伺えるようなお話でした。
これまでのお話を思い返してみても、確かがひとり欠けていたら成立していなかっただろうなという場面が沢山登場します。それを頭の片隅に置きながら見るとまた印象がガラリと変わって見える。ラブライブ!はそんなところが二度三度楽しめる作品だとあらためて強く実感することが出来ました。