きりんログ

-愛と青春と声豚の記録-

【ラブライブ!サンシャイン!!2期】#9「Awaken the power」感想ひとりごと

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ラブライブ!サンシャイン!!2期9話「Awaken the power」

 

それは、世界の片隅で起こったささやかな物語。

 

でも、それは世界で一番素敵な物語。

 

姉に想いを届けようとするルビィと理亞の語りからお話は始まります。

 

そして、妹から想いを受け取ったダイヤと聖良の語りでお話は幕を閉じます。

 

雪の日に起こった小さな愛と奇跡の物語。

 

彼女たちの成長と決断を祝福するように、物語のページをもう一度紐解いてみましょう。

 

 

アバン

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緊張してる?

ルビィも不思議と落ち着いてる

お姉ちゃんが近くにいるかな?

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それももちろんあるけど

それだけじゃない…

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あなたがいたからここまで来れた

理亞ちゃん…

届けよう大切な人に…

 

「Awaken the power」を歌う前のルビィと理亞の会話。姉がいなくても、自分たちの力で何でもできる事を証明しようとした2人。

 

お姉ちゃんが近くにいるかな?それももちろんあるけどそれだけじゃない…

 

勇気を持って一歩踏み出した結果、形だけではなく、心からそれを果たす事ができた。彼女たちの会話を聞くとその事が伝わって来るので、9話の中でも屈指のお気に入りのシーンです。

 

理亞の「あなたがいたからここまで来れた」という言葉は、理亞からルビィへの感謝の気持ちも感じられるので素敵ですよね。遠く離れた場所に住んでいて、最初は何も接点の無かった彼女たちがラブライブ!を通じて、スクールアイドルを通じて繋がった。そして、ルビィが居たからこそ、理亞が姉に想いを伝える事ができた。正に「知らないpower」が確かにこの世界には眠っている事を予感させてくれます。

 

Aパート

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面白そうズラ!マルも協力するズラ

ホント!?じゃあこの後理亞ちゃんと会う事になってるんだけど一緒に来てくれる?

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うん!

 

理亞を励ましたいというルビィの話を聞いて協力したいという花丸。流石のルビィちゃん想いの優しさを持っている親友の言葉です。

 

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素晴らしい夢も、キラキラした憧れも、全部、胸に閉じ込めてしまう子
その胸の扉を思い切り開いてあげたいと、ずっと思っていた
中に詰まっている、いっぱいのヒカリを
世界の隅々まで照らせるような、その輝きを、大空に、放ってあげたかった
それが、まるの夢だった

 

彼女は、ルビィの中にある「秘められた輝き」の存在を以前から信じていました。その輝きで世界の隅々まで照らせるのだと。その輝きを解き放ってあげる事が花丸自身の夢にいつの日にかなっていました。だからこそ、彼女はルビィが自分で考えた事を肯定してくれますし、いつだって背中を押してくれます。

 

現に、目に見えないその輝きは、別の一人の少女の「新しい力」になろうとしています。

 

目に見えない輝きが誰かの力を生む連鎖。それこそが、9話ひいてはラブライブ!サンシャイン!!ラブライブ!における「みんなで叶える物語」における「輝き」の1つのあり方なのだと私は思います。

 

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急にコミカルになる理亞。前回も言いましたが、困難を乗り越えた先にはその子の個性が愉快に正反対に描かれるのがラブライブ!なのです。人間味があってよりいっそうそのキャラクターが魅力的に見えます。

 

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 私もともとみんなでワイワイとか好きじゃないし

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ズラ?オラ…?

ズラ丸はこれが口癖なの。だからいつもルビィと図書室に篭ってたんだから。

 

ズラ?オラ…?

 

私達は既に花丸の口癖に馴染んでいますが、理亞はその口癖を聞いたことも無かったようで、珍しいものを聞いたような反応には、思わず見ていて笑みが零れてきました。1年生同士だけで初めてきちんと会話して心を通わせ始めた事が、より強調される掛け合いでもあります。

 

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私も学校ではそうだから…

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善子ちゃんに至っては図書館どころか学校にも来な…

イチイチ言わんでもええわーい!てかヨハネ

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理亞の本心を聞くことができたルビィたち。それが嬉しかったのか、ルビィと花丸は思わず笑顔になります。そして、自分たちも理亞と同じである事を伝えるために、自虐的に過去の事をありのままに伝えます。常々思いますが、彼女たちはAqoursの中でも一際気遣いのできるオトナな一面を見せる事が何度もありますよね。7話のコンビニから帰る途中の会話然り。

 

学校でひとりぼっちだったのは自分だけではない。理亞はルビィたちに共感を覚えたのでしょう。思わず笑みが零れます。お互いの事を知らない者同士が心を通わせるのには「共感」だったり「似たところ」が必要だという事にあらためて気付かされました。

 

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私は負けない何があっても

愛する人とあの頂に立って必ず勝利の雄叫びを挙げようぞ

 

周りの人が聞いていても恥ずかしい歌詞。やはり「ラブライブ!は遊びじゃない」のであって、それは「愛する人」一緒だからこそなのです。善子も言う通り直球的過ぎる歌詞ですが、理亞の根本的な意志は少なからず感じられます。

 

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しっかし何の捻りも無いわよね…直接的過ぎるって言うか

何?文句あるの!?

 

ズカズカと物を言う善子。これもまた当人は意識していないでしょうが、お互いの距離を縮める1つの方法なのではないでしょうか。善子だからこそ出来たコミュニケーションの取り方。1年生組はアメとムチとでいい塩梅に理亞との心の距離を詰めていきます。

 

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あなた達ラブライブ!の決勝があるんでしょ?

歌作ってる暇なんてあるの?

それは…

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一瞬落ち込む理亞。

 

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 ルビィちゃんはどうしても理亞ちゃんの手伝いがしたいズラ 

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理亞ちゃんやお姉ちゃんと話してて思ったの

私たちだけでもできるところを見せなくちゃいけないんじゃないかって

安心して卒業できないんじゃないかって

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再び笑顔になる理亞。ここの心情の変化がとても丁寧に表情の変化として描かれているのが素敵です。

 

もしも、ここでラブライブ!の決勝を優先して理亞の望みを叶えなかったら、おそらくこの先Aqoursラブライブ!で芳しい結果を残す事ができなかったでしょう。ラブライブ!という作品では常にフラグを回収していくように1つ1つの物と向き合わって解決して行かなくてはならないのです。

 

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ごめんねお姉ちゃん

2,3日で必ず戻るから

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別にわたくしは構いませんけど

 

#4「ダイヤさんと呼ばないで」で登場したダイヤの癖。本心を隠している時に口元のほくろを指で2回掻くのが彼女の癖でした。ここでは、「ルビィと離れ離れになって寂しい」という本心を隠している事になります。やはり、ここでも鞠莉と果南だけがそれに気がついています。

 

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いいんじゃないの

1年生同士で色々と話したい事もあるだろうし

 

千歌は1年生たちの分かり手過ぎます。それは、やはり彼女は誰かの気持ちを察するのが得意だから。1年生組の事を信じているから。もしかしたら、千歌も姉を持つ妹の立場だからこそルビィの気持ちを察する事が出来たのかもしれません。ルビィが理亞の気持ちに気づいたように。

 

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来てよかったね

うん!凄く。私たちの知らないところでもスクールアイドルは同じように頑張ってるんだなって

何か元気になるよね!仲間がいっぱいって気持ちになる

 

私たちの知らないところでもスクールアイドルは同じように頑張ってるんだなって

仲間がいっぱいって気持ちになる

 

知らない場所に来たからこそ分かった気づき。μ'sやAqours、A-RISEやSaint Snowだけでなく、日本中にスクールアイドルは沢山いるのです。そして彼女たちはみんなそれぞれの夢に向かって頑張っている。曜の言う通り、その事実を考えるだけで「何か元気になるよね!」と言いたくなります。自分たちが普段知らないところにもスクールアイドルの「みんな」が、「仲間」がいて、それぞれの物語が存在しているのです。

 

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今日からSaint Aqours Snowになります!

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ブッブーですわ!

 

やはりダイヤの中では離れ離れになったルビィの事が心配。心の声が漏れ出しています。しかし、この時の妄想の中で生まれた名前がまさかグループ名になるなんて…

 

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そうじゃないと思うよ…

多分あれは…言ーわない!

もう少しししたら分かると思うよ

 

やはり千歌はルビィたちの行動の本意を分かっているようです。

 

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8話でも登場した雪の結晶のオブジェ。

 

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昔、姉様と雪の日に一緒に探したの

2人でスクールアイドルになるって決めたあの瞬間から

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雪の結晶を

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Saint Snowのシンボルにしようって

 

理亞は雪の結晶のオブジェを大切そうに抱き抱えながら聖良との思い出を語ります。雪の結晶を2人で探しに行った事。きっとそれが聖良と理亞の2人の思い出として強いものとしてあったので、スクールアイドルを一緒に始めようとした決めた時から雪の結晶をSaint Snowの象徴にしようと。つまり、彼女たちにとって思い出の「瞬間」を「形」として閉じ込めたものこそが雪の結晶のスノードームであり、Saint Snowのユニットのシンボル自体なのだと。

 

瞬間をリングへと閉じ込めていつも眺めてたい

 

そうした、刹那を形に変えたいという想いが彼女たちにもあったのでしょう。Saint Snowのシンボルを見ると、2つの「S」が雪の結晶によって繋がっています。これは想像の範疇を出ないのですが、ここでいう「S」は聖良と理亞の2人を表現していて、それが2人の思い出の雪の結晶によって絆として繋がっているのだと。

 

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ちなみに雪の結晶は六角形が基本なのですが、Saint Snowのシンボルは八角形の結晶になっています。雪の結晶は1つとして同じ形の物が無いらしいのですが、彼女たちの八角形の雪の結晶を見ると、Saint Snowは世界でひとつだけのユニットなのだということを暗に表現しているような気がしてきます。彼女たちにしか作れない「」が聖良と理亞にはあるのだと。

 

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こんな強気なルビィちゃん

初めて見た!

 

ルビィの事をよく知る花丸も善子も驚くほど、姉の事になるとムキになるルビィ。

 

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ホント姉の事になるとすぐムキになるんだから

それはお互い様だよ…

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そうかも

 

言い合いになっても笑顔で認め合う事が出来る間柄。8話ラストのルビィと理亞の掛け合いも思い出されます。

 

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こちらこそ急に押しかけて来てしまってすみません

お構いなく

善子ちゃんが…ちゃんと会話してる

 

気を遣う聖良に対して丁重に応対する事ができる善子。オフィシャルファンブックにも書かれていたり、2期でも登場していましたが、彼女の母親が学校の先生というバックボーンがある事もあり、根っこの部分では彼女はきちんとしているのです。堕天使の姿を取り払うと、現実的であることもこれまでの彼女のことを見てくると分かりますよね。彼女は名前の通り善し子さんなのです。

 

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みんな意外な一面があるズラ

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でもそうかも!

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ルビィ最近思うの

お姉ちゃんや上級生から見れば頼りないように見えるかもしれないけど

隠された力が沢山あるかもしれないって

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じゃあ決まりズラ!

歌のテーマズラ

 

ここで重要なキーワードが飛び出してきました。自分たちの中にもあるかもしれない「隠された力」。そう思う事ができたのは、善子の意外な一面を見たから。それだけではありません。もしかしたら、

 

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物語で描かれているもの、描かれていないもの問わず、昔の自分達では想像することができなかった秘めたる力。そんな目に見えない不思議な力が自分たちの中にあるのかもしれないという予感を、様々な体験をしたからこそ、ルビィは抱く事ができたのではないでしょうか。

 

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目に見えない力はどんな人の中にもあるのです。

 

サンシャイン2期では、奇跡や輝きのあり方だったり、目に見えない想いや力について、Aqoursのメンバーがそれぞれ別のエピソードを通してその存在に気づいていく流れが見ていて素敵だなと思っています。

 

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大丈夫、大丈夫だよ

聞いた訳じゃないよ

ただ自分たちだけで何かやろうとしてるんじゃないかな

 

繰り返しになりますが、後輩たちの行動の意図を悟ったように語っています。6話、7話を通して千歌自身が「覚醒」したからこそ、今は余裕を持って語ることができているようにも見えました。

 

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曲が完成して喜び合う2人。少し前の2人からは想像できないくらい仲良しになりました。今や彼女たちは姉のために活動を共にする「運命共同体」なのです。運命共同体だからこそ、一緒に笑ったり泣いたりできるのです。(1期8話ですが、オフィシャルファンブックにも逢田さんのコメントで同様のことが書かれてましたよね)

 

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理亞が誰かと仲良くしている姿を見て微笑みを浮かべる聖良。ここのシーンが素敵過ぎて堪りません。先程の理亞の語りからも想像できますが、聖良も理亞が周りの子たちと馴染めないことは知っていたでしょう。そんな理亞が今や誰かと一緒に何かをして喜び合っている。この後で「Awaken the power」が歌われ、理亞がひとりでできる事(実際にできなくてもひとりで何かをしようとしている姿でも)を聖良は感じることになりますが、もうこの時点で聖良としては理亞の成長を感じていたのではないでしょうか。

 

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姉はいつだって妹のことを大切に想っているのですから。

 

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ルビィ、知らない人と話すの苦手…

私だって…

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姉様がいないのがこんなに不安だなんて…

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でもさ、全部自分たちでやらなきゃ

全て意味が無くなるズラ

 

自分が苦手なこと、新しいことに挑戦する時。やはり人は誰しも不安になります。そんな時に手を差し伸べてくれるのが友達。

 

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ありがとう

行こう。私たちだけで!

 

2人は友達の声に背中を押されて一歩を踏み出します。

 

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は、初めまして…

ル、ルビィたちは…あ、あいえルビィじゃなくて…

あの……

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お姉ちゃん…

 

言葉を紡ごうとした時、再び不安が押し寄せてきました。

 

そんな時にルビィは昔の事を思い出します。

 

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お姉ちゃ~ん!

 

それは大好きな姉との記憶。

 

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ルビィは泣き虫さんですわね!

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ルビィは強い子でしょ

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ほら!勇気をお出しなさい

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ぎゅっと拳を握りしめるルビィ。

 

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そっかルビィずっと勇気を貰ってたんだ

 

自分の気持ちを正直に伝える姿や

 

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自分を優しく抱きとめてくれた姿。

 

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お姉ちゃん

 

一緒に好きなものを楽しんでる姿。

 

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自分の成長を喜んでくれる姿。

 

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一緒にスクールアイドルを始めようとした時の姿も。

 

その全てがルビィにとっての「勇気」になっていました。

 

今再びルビィは一歩を踏み出します。

 

友達の声に背中を押されて一歩を踏み出したけれども、いざ一歩を踏み出した先では壁が待ち受けていました。そんな時に、さらにもう一歩を踏み出す彼女の力に、勇気になったのは、姉がずっと自分に「勇気」をくれていたという事実。そして、そんな姉のために「自分を変えたい」と思う気持ちこそが、彼女の純粋な欲なのであり、ルビィにとっての心のエンジンなのです。

 

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ただ一生懸命、夢中になって、何かをしようとしている

なんとかしたい、何かを変えたい!それだけのことかもしれない!

だから…

起こせるよキセキ!私達にも!

 

大好きな姉のために夢中で自分を変えたいと思う気持ちが、キセキを起こすのです。

 

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私達はスクールアイドルをやっています

今回はこのクリスマスイベントで遠くに暮らす別々のグループが手を取り合い

新たな歌を歌おうと思っています

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大切な人に贈る歌を

 

理亞は、ルビィが勇気を出して自分の気持ちを伝える姿を見て、自分も勇気を出そうと思ったことでしょう。それが、冒頭の「あなたがいたからここまで来れた」という言葉にも繋がります。

 

そして、理亞自身も必ず聖良から勇気を貰った記憶を手繰り寄せていたことでしょう。1人ひとりが大切な姉のことを想い、2人で力を合わせたからこそキセキを起こすことができたのです。

 

Bパート

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3人を迎えに行ってくれない?

何かやっぱり1年生だけだと不安みたいでさ

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全く仕方ありませんわね

 

待ってましたと言わんばかりのダイヤ。やっぱり彼女はルビィのことが心配で、会いたくて仕方なかったのです。

 

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Saint Aqours Snowです!ぴぎっ!

ド直球な名前ズラね

北の大地結界と共に亡者が蘇りし鐘が…

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よろしくず…じゃなくて

よろしくお願いするず…じゃなくて

お願いしますズラ!

 

ラジオに出る時でも彼女たちは変わりありません。緊張するルビィと理亞、堕天する善子、そしてズラが止まらない花丸。4話で見た通り、いつでも彼女たちには変わらない個性が、変えなくていい個性があるのです。

 

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クラスメイト…

どうして隠れるの?

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だってほとんど話したこと無いし

 

理亞と同じ函館聖泉のクラスメイト。理亞はルビィの影に隠れます。

 

するとルビィは―

 

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Saint Snowのライブです!

理亞ちゃん出ます!

 

理亞のクラスメイトが話すより先に言葉を発したルビィ。素直な言葉をストレートに伝えます。

 

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理亞ちゃん…

私たちも行っていいの?

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え…うん

それと今更だけどラブライブ!予選はごめんなさい

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いいんだよ

私たちの方こそ嫌われてるのかなって

会場にも行けずにごめん

理亞ちゃんや聖良先輩がみんなのために頑張ってたのは知ってるよ!

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Saint Snowは学校の、私たちの誇りだよ!

 

彼女たちはカフェでも、クリスマスイベント選考会会場でも理亞の頑張りを見ていました。

 

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理亞ちゃんや聖良先輩がみんなのために頑張ってたのは知ってるよ!

 

彼女たちは9話で描かれているより多く、理亞と聖良が学校のために、みんなのために頑張ってきた姿を見てきたはずです。

 

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学校救ったり、キラキラしたり、輝きたいのは千歌達だけじゃない。
私達も一緒に、何か出来ることあるんじゃないかって…

 

学校が、場所が違くても、みんな思う気持ちは一緒。誰かが頑張る姿は必ず別の誰かの「憧れ」や「誇り」になるのです。

 

ラブライブ!予選はごめんなさい

 

そう伝える事が出来た理亞の姿も成長も誇らしく思えます。

 

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熱いものが込み上げて来たのか、安心したのか理亞は涙を流します。

 

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何でだろう

嬉しいのに涙が出てくるの

 

ルビィが言う通り、その涙は嬉しいのに出てくる。「Awaken the power」にもある通り、いくつ言葉を知っていても言い表せない気持ちがあるのです。

 

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聖良さん? あら、どうしてここに?

いえ、ちょっとここに来るように言われまして

実は私もです

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クリスマス…プレゼントです!

クリスマスイブにルビィと理亞ちゃんでライブをやるの!

姉様に教わったこと全部使って私たちで作ったステージで

自分たちだけの力でどこまで出来るか

見て欲しい!

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2人は自分たちの想いを大切な姉に伝えます。姉から受け取ったもの、その全てを使って自分たちだけの力だけで出来ることを。

 

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鞠莉ちゃんが飛行機代出してくれるからみんなでTogetherだって!

あったりまえデース!こんなイベント見過ごす訳ないよー!

 

Aqoursの全員が集結。まさかのサプライズにさらに心強い気持ちになりました。

 

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姉様…

お姉ちゃん!

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私たちの作るライブ見てくれますか?

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もちろん

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よろこんで

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今、2人の想いは大切な人に届けられました。

 

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それじゃあ

私たちも次のサプライズの準備に取り掛かりますか

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きっと凄いライブになるよ

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この景色に負けないくらい

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今の私たちの精一杯の輝きを

見てください!

メリークリスマス!!

 

Awaken the power

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9話始まりの場所に戻ってきました。理亞はルビィにここまで来れたのはあなたのおかげだと感謝をの気持ちを伝え、「届けよう大切な人に…」と姉に贈る歌を歌います。

 

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はじまるときはおわりのことなど

かんがえてないからずっと

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つづくきがしてまえだけみつめて

はしりつづけてきたから

 

ストレートな歌詞です。それは、3年生の姉を持つ理亞とルビィの気持ちを歌っているようであり、Aqoursの、Saint Snowの歌のようにも聞こえます。

 

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どこへ

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どこへ

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つぎはどこへいこう

 

低いベース音と高いバイオリンの音だけが鳴り響いて「聖夜」の静けさと壮大さが曲から伝わって来るようです。

 

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街に鮮やかな光が灯り始めると同時に、ギターとドラムの音が鳴り始め、「聖夜」が徐々に「賑やかなクリスマスの夜」に移り変わって行きます。

 

そして、軽快なリズムと共に一気にそのパーティーの始まりが告げられます。

 

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Come on!

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Awaking the power yeah!

 

もう1つのサプライズ。それは、AqoursSaint Snowの全員でライブをやること。なぜ彼女たちはルビィと理亞にサプライズを届けることができたのでしょうか。花丸と善子の密告?2人の想いを予感した千歌たちの粋な計らい?否。その理由を考えるのは野暮というものでしょう。

 

ダイヤと聖良を想うルビィと理亞のために姉妹を除く全員で用意したサプライズ。そう考えた方が素敵じゃないですか?

 

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Are you ready?Let's go!

 

英語のラップの歌詞。Saint Snowらしさが溢れ出しています。クリスマスパーティーの始まりを告げるには彼女たちほど適役はいません。

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理亞と聖良が函館聖泉の生徒たちもライブに集まります。集まった生徒たちはみんな笑顔。その表情からは、みんなSaint Snowの事が大好きだという気持ちが伝わってきます。

 

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ことばっていくつもしってるはずでも

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こんなときでてこないんだね

 

理亞から聖良へ。聖良から理亞へ。

 

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おもいのつよさでむねがいっぱいで

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こえになるまえになきそうだよ

 

ルビィからダイヤへ。ダイヤからルビィへ。

 

彼女たちは、姉妹揃って「相思相愛」なのです。

 

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がんばるってきめたらぜったいまけないんだ!

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いっしょにがんばってきたぜったいまけないんだ!

 

AqoursSaint Snowの掛け合い。歌で物語を紡ぐAqoursと、歌で力強く訴えかけるSaint Snowの掛け合いが絶妙にマッチしています。

 

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できないなんてやんなきゃわかんないね

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じぶんのなか

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めざめるのは

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あたらしいちからMy power New power yeah!

 

誰かの事を想い、何かを変えようとした時、自分の中の新しい力が目覚める。「Awaken the power」。「眠っていた力の覚醒」です。それは物語で語られて来た通り。今更全てを語り直す必要は無いでしょう。

 

水を名に冠するAqoursと氷を名に冠するSaint Snowのリーダー千歌と聖良が手を合わせた時。誰も見たことの無い新しい力が生まれます。それはこの世界に初めて生まれたスクールアイドルの輝き。Aqoursだけでも、Saint Snowだけでも到達できなかった輝き。

 

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せかいはきっとしらないPowerで

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かがやいてるだからいつまでもゆめのとちゅう

 

その歌詞は、スクールアイドルの「永遠の輝き」を歌っているよう。AqoursSaint Snowはもちろん、あまねくスクールアイドルは、現在進行形でも、例えその活動が終わりに差し掛かろうとも、彼女たちは永遠に輝き続けるのです。そう信じさせてくれるだけの力が、輝きが世界にはまだまだある。

 

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せかいはきっとしらないPowerで

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かがやいてる

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なにをえらぶか

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じぶんしだいさ

 

「何を選ぶか自分次第さ」。それは、「未来をどうしようかな」と歌ったAqoursの言葉。それは、未来に続く道のりの岐路に立ったSaint Snowの言葉。

 

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ねむるちからがうごきはじめる

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じっとしてないでいこうよ

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11人全員で作り上げた愛の輝き。それはこの景色にだって負けないくらい。

 

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どこへ?どこへ?いこうか

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My power New power

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こころのおくそこで

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My power New power

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あたらしいせかいさがしてる

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Wake up!Wake up!New world!

 

AqoursSaint Snowで作り上げた星の煌き。その輝きと形の美しさは、9人と2人が出逢う今日という日を初めから運命付けられていたよう。

 

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ルビィと理亞で見たクリスマスツリー。今街に広がるのはその何倍も大きなクリスマスツリーの輝き。それは、彼女たちだけでは作り上げられなかった輝き。でも、彼女たちがいなければ決して生まれなかった輝き。その輝きは大切な誰かを祝福するように、学校のみんなへの感謝の気持ちを伝えるように煌きます。

 

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聖良と理亞の2人で歩く雪の道。それは、2人で歩んできたSaint Snowの歩みを物語っているよう。

 

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姉様、私Saint Snowはやっぱり続けない

 

彼女はその歩みを止めます。そして、姉に頼らず自分だけで考えた答えを伝える理亞。最初から答えは変わっていませんが、彼女の中で考え直した上で決断した答え。

 

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だってこれは姉様との思い出だから

世界に1つしか無い雪の結晶だから

 

雪の結晶。先程も言った通り、同じ雪の結晶は世界に1つとしてありません。理亞は想いを伝えます。Saint Snowは大切な聖良との思い出だから。形として永遠に残すよりも刹那の中でも自分たちだけの思い出の結晶として永遠に残しておきたい。

 

偉大なるスクールアイドルの決断がまた1つこの世界に下されました。

 

雪の結晶が溶けて一瞬で無くなるように、彼女たちの青春も刹那の内に消えて行きます。それでは、その輝きも一緒に無くなるのでしょうか?

 

答えは違います。

 

彼女たちの中にある輝きの日々、そして彼女たちが誰かの中に生み出した新しい輝きは決して消える事はありません。

 

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だから新しいグループで新しい雪の結晶を見つけて

姉様やみんなにも喜んでもらえるスクールアイドルグループを作る

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見てて

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駆け出す理亞とそれを優しい微笑みで見届ける聖良。理亞は言います。

 

新しいグループで新しい雪の結晶を見つけて、姉様やみんなにも喜んでもらえるスクールアイドルグループを作る

 

彼女はスクールアイドルを続ける覚悟を口にしました。それは、ラブライブ!で敗退した時に「Saint Snowを続けない」と言った理亞の口からは、決して出てこなかったものでしょう。大切な姉のために、そして、きっとルビィやAqours、学校のみんなに喜んでもらえるスクールアイドルグループを作ってみせると。

 

聖良は微笑みますが、立派に成長した妹の姿が誰よりも嬉しくて、誰よりも誇らしかったことでしょう。

 

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去りゆくSaint Snowの2人を見届けるAqours

 

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2人の少女のエピローグとして、その2人の姉の語りにて物語は幕を閉じます。

 

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理亞は昔から恥ずかしがり屋で

誰ともなかなか話せなかったんですよ

ふたり共もうすっかり大人ですわね

はい…

 

理亞のことを語る聖良。その言葉を聞いて、ダイヤはルビィと理亞の2人の成長を噛みしめるように喜びを口にします。聖良もしっかりとその言葉を受け止めて言葉を返します。

 

そして映し出されるのは、思い出を閉じ込めるように輝き続ける氷の結晶。

 

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祝福しましょうふたりの新しい羽ばたきに

 

ルビィと理亞の想いを受け取ったダイヤと聖良は、夜空に瞬いた流星が彼女たちを祝福したように、2人の新しい旅立ちを祝福したのでした。

 

あとがき

それは、世界の片隅で起こったささやかな物語。

 でも、それは世界で一番素敵な物語。

 

ラブライブ!サンシャイン!!2期9話「Awaken the power」。力強いタイトルとは裏腹にこの上なく素敵な物語を描き出してくれました。

 

私はラブライブ!を通して全ての話が好きですが、その中でも今回のストーリーは1,2を争う程に私の琴線に触れたお話でした。

 

確かに世界から見れば小さなお話だったかもしれません。ルビィと理亞が踏み出した一歩は人によっては軽々と飛び越えられた一歩なのかもしれません。でも、私は彼女たちの一歩を、成長を、決断の全てを祝福したい。彼女たちにとっては、それ以前とそれ以降では世界が変わるほどの転機だったでしょう。それは彼女たちの姉にとっても同じこと。

 

私は一人っ子なので姉妹はおろか兄弟がいる感覚すら正直分かりませんが、そんな私ですらルビィと理亞の成長には涙が出る程に嬉しかったのですから、きっと姉妹や兄弟がいる人、そしてダイヤと聖良から見たら喜びや感動はひとしおだったのではないでしょうか。

 

また、ルビィと理亞の物語がささやかなものだったからこそ、「自分の物語」としてより身近なエピソードとして感情移入して見ることが出来たのかもしれません。私は間違いなく2人の少女が一歩踏み出す姿に「勇気」を貰いました。

 

さて、ここでは、本編に沿った感想には惜しくも入れられなかったものについて触れていきたいと思います。

 

まずは、9話の中でダイヤから勇気を貰ってきてたんだと気づくルビィの回想。数々の場面が思い出としてルビィの中でフラッシュバックしていましたが、そのほとんどの場面は奇しくもダイヤの方からも妹の成長を感じられた場面であったことは見逃せません。

 

誰よりもルビィのことを見守ってきたダイヤ。

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あなたが私にスクールアイドルになりたいって言ってきた時、あの時凄く嬉しかったのです。私の知らない所でルビィはこんなにも一人で一生懸命考えて、自分の足で答えに辿り着いたんだって

ルビィはいつもダイヤの影に隠れて一歩後ろを歩くような子だったのでしょう。そんな彼女は、ダイヤがスクールアイドルから遠ざかっていた2年の間に、自分の預かり知らぬところで、しっかりと自分の意志を伝えられるような立派な妹に成長していました。

ルビィの姉であるダイヤにとっては、何よりもそれが嬉しかった。

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ルビィが自分で考えて自分の足で進んだ道で楽しんでいる姿も。

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自分の足で臨む姿も。

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涙を流すほど真剣だった夢に破れた姿も。

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その全てが、ダイヤにとっては嬉しいことだった。ルビィが自分の足で歩いてきた「成長の軌跡」は、それ自体がダイヤにとって何よりもの幸せだったのです。

ayarieshon.hatenablog.com 

 

8話の感想でも述べた通り、妹にとっては姉は生まれた時から当たり前のようにいたのと同様に、姉にとっても妹は生まれた時からずっと見守り続けてきた対象でもあるのでした。

 

8話と9話の両方を見て、あらためて彼女たち姉妹は「相思相愛」だなと思いました。「Awaken the power」の中で妹からの想いを受け取った姉が、後ろから抱き締める姿も象徴的。勇気をくれた姉のために頑張ろうとした姿が姉の喜びに繋がり、そしてそれがまた妹へと繋がっていく連鎖は、まさに「愛の物語」と呼ぶに相応しいものなのではないでしょうか。

 

つまるところ、8話、9話は何もルビィと理亞の成長の物語を描いただけではなく、黒澤姉妹そして鹿角姉妹の相思相愛の力で動く物語だったと見ることも出来るでしょう。(個人的に「相思相愛」という言葉は2ndツアーの埼玉公演で伊波さんが用いた言葉もあるために今回の感想の中で使わせていただきました。)

 

次に、8話,9話を通して強く感じた「どこにでもスクールアイドルの物語はある」ということをお話したい思います。

 

8話の中で初めて名前が登場した函館聖泉女子高等学院。そこを訪ねたAqours一行は浦の星女学院と似た雰囲気を感じたと語る場面がありましたが、そこのシーンを見てきっとSaint Snowも学校やみんなへの想いを抱いてスクールアイドル活動をしているんだろうなと思いました。

 

それは、9話を見て確信に変わりました。「Saint Snowは学校の、私たちの誇りだよ」。理亞のクラスメイトの言葉からは、聖良と理亞が学校の期待を、みんなの期待を背負ってスクールアイドルを続けていたんだろうなという事が伺い知ることができました。

 

もしかしたら本当の始まりは2人だけだったかもしれません。でも言葉で語られている通り、いつの日にか彼女たちの夢は学校のみんなの夢にもなった。Aqoursがそうであったように。

 

このように考えると、「私たちの知らない場所にもスクールアイドルの物語はある」ということが感じられて、梨子や曜ちゃんたちの言葉の通り、何か元気になって、仲間がいっぱいって気持ちになります。世界は広いんだなと思えて、まるでラブライブ!の世界が無限に広がっていくような感覚すらあります。

 

次に触れたいのは、9話でルビィちゃんが勇気を出して面接に挑んだシーン。私は降幡さんのインタビューを思い出しました。

 

最終のスタジオオーディションで、役柄や「ラブライプ!」への想いを語っているうちに感極まって大号泣してしまったんです。酒井(和男)監督が声をかけてくださっても返答ができないくらい。あの時は、"今、ここに立っている自分"が信じられなくて、本当にうれしくて、夢のようで…。
電撃G'sマガジン2016年10月号

ayarieshon.hatenablog.com

 

状況は少し違うかもしれませんが、大好きな姉のために苦手な面接の場面でも想いを伝えることができたルビィちゃんと、大好きな作品のためにオーディションで想いを語っている内に泣いてしまったという降幡さん。

 

好きなものへの想いは人一倍強く、秘めたる想いの力を持っていたルビィちゃんと降幡さんは根本では似ているような気がしており、監督の言う「キャラクターの感情に嘘が無い」という言葉がより一層真実味を増して聞こえたような気がしました。

 

上記の記事では1stライブに至るまでの9人のキャストの軌跡もまとめているのでそちらもあわせてご覧いただけると幸いです)

 

次に触れたいのが、ルビィと理亞だけでなく聖良とダイヤたちも巻き込んで全員で新曲を歌ったこと。

 

ルビィと理亞の2人ステージに立つことで一人でも出来るんだと証明しようとしていましたが、彼女たちは結果的にSaint Aqours Snowとして一緒に歌うことになりました。

 

なぜ劇中では2人だけでなく11人で歌うことになったのか。(「商業的な」という理由は無しです)

 

私の解釈として、1つにはルビィたちの想いを知った者からのサプライズの側面が大きかったのだと思います。それは、劇中でも描かれた通りなので、あらためて語り直す必要は無いでしょう。

 

また、Saint Snowから函館聖泉のみんなへの感謝や想いを伝える意味合いも持ったステージでもあったということ。そのステージは、理亞だけでは成立せず、聖良もいて初めて成立することになります。

 

もう1つ私なりの解釈としては、ルビィたちが自分たちだけで出来ることを証明しようと行動し始めた時点で、既に彼女たちの成長物語の目的は達成されていたということ。8話でも既にルビィの成長を喜ぶダイヤの姿や、そして9話でもルビィたちと仲良く会話する理亞の姿を見て聖良が笑みを浮かべるシーンがありましたが、既にその時点で姉にとってはこれ以上無いくらいに妹の成長を感じ取っていたのです。2人だけでステージに立たなくても、既に彼女たちは独り立ちしていたと言い換えることもできるでしょう。

 

以上より、私は11人で歌ったのだと解釈しました。その方がきっとSaint Snowの2人にとっても消えない思い出になったことでしょうしね。(色んな解釈があると思うので決してこれが正解だとは思っていません!)

 

そして、次に触れたいのが感想の中でも引用した「MOMENT RING」の歌詞とSaint Snowの結果と決断、雪の結晶との間に見つけた関係性について。

 

瞬間をリングへと閉じ込めていつも眺めてたい

 

私はこの歌詞を、「限られた時間の中で精一杯輝いた軌跡を叶うのなら永遠に形にして留めておきたい」と解釈しています。実際に形に残せるか残せないかは重要ではありません。「心は繋がってるよ」というμ'sが残したとされる言葉や、形には残らなくてもラブライブ!の歴史に、人々の記憶に刻もうとしているAqoursの想いがある通り、そう想うこと自体が大切なことなのだと思います。

 

振り返ると、Saint Snowは自分たちの思い出をSaint Snowのままにして残しておきたいという決断を下しましたが、奇しくもこの考えはμ'sに似たものだと私は捉えました。(もちろん、μ'sと同じだと言っている訳ではなく、彼女たちが自ら下した決断には最大限の敬意を払っています)A-RISEと同じ場所に立った時の景色を見たいと願った彼女たちが、奇しくもAqoursが目指すμ'sと似た結果を辿ったことは面白くもあります。

 

そして、Saint Snowがスクールアイドルを始めようと決意した時にシンボルにしようと決めた雪の結晶。それは今確かな「形」となって理亞の部屋の片隅に置かれています。雪の結晶のスノードームは、理亞にとって大切な姉と一緒に過ごしたSaint Snowの日々の思い出の象徴だと言っても過言では無いかもしれません。

 

そう考えた時、自分なりに思う「MOMENT RING」の解釈は、理亞が雪の結晶のスノードームに抱く感情と一致しているものだと思いました。

 

長くなりましたが、最後に9話を見た後にあらためて聞く「勇気はどこに?君の胸に!」が胸に染みるというお話を。

 

9話ではルビィの成長した姿を、理亞の成長した姿を見ることができました。そして、物語の中でルビィは次のように語っていました。

 

そっかルビィずっと勇気を貰ってたんだ

 

ルビィは友達から勇気を貰って自分が苦手とする面接に一歩踏み出しました。そして、面接官を前にして緊張で言葉が出ない時には大切な姉から勇気を貰って来たことを思い返すことで乗り切ることができました。

 

ルビィが独り立ちする時決して1人だけの想いで出来た訳ではなく、ダイヤがいて姉のことを大切に想う気持ちがあったからこそ乗り越えられました。

 

だけど、それでいいんだと思います。むしろ、誰かのことを想い、誰かのために行動を起こすことの方が私は素敵だと思います。そして、形や結果に関わらず、そう決意した時点で私はそれは賞賛すべきことなのではないかと。

 

そして、物語の中では、ルビィの勇気は形を変えて理亞の勇気にも繋がりました。

 

あなたがいたからここまで来れた

 

聖良が最後に語っていた通り、理亞は恥ずかしがり屋で誰とも話せなかったと語っています。

 

それでも理亞は「スクールアイドル」を始めたことで、巡り巡ってルビィをはじめとした気兼ねなく話せる友達に出逢うことが出来ました。

 

受け止める場所があるって

もっともっと知ってほしくなるよ…なるよ!

 

かつて伝説のスクールアイドルが歌った詞は決して色褪せることなく、今もこの世界にあり続けてるのだと、新たなスクールアイドルの成長の物語を見て思うのでした。