きりんログ

-愛と青春と声豚の記録-

【ラブライブ!サンシャイン!!2期】#8「HAKODATE」感想ひとりごと

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ラブライブ!サンシャイン!!2期8話。

 

ルビィの心の奥に秘めた勇気に胸を打たれました。

 

タイトルから1期の「TOKYO」のような話を想像していただけに、ルビィの心の強さや、ダイヤとの想いの交換、いつか来る「別れ」の予感、Saint Snowの2人の初めて明かされる想いが描かれたことに、止めどなく涙が溢れ出して来ました。

 

#2「雨の音」で3年生と1年生のダイヤとルビィがAqoursにいたからこそ展開した話は関心しましたし、8話でも2人が姉妹であったからこそ繋がった聖良と理亞との関わり合いを見ても、やはりラブライブ!は9人全員が必要な物語であることが再認識できました。

 

それでは、#8「HAKODATE」の感想について述べていきたいと思います。

 

 

Aパート

#7「残された時間」にて、ラブライブ!で優勝して「学校を救う」という目標を見定めたAqours

 

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シリアスを乗り越えた後にはキャラクターの個性がコミカルに描かれる。この緩急のバランスがいつ見てもいい塩梅で安心感すらあります。

 

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ラブライブ!北海道地区予選に臨むSaint Snowの紹介パネル。「函館聖泉女子高等学院」。学校の名前、そして「最高の歴史を持つ」「学習院のよう」「エリート校」というキャプションから、彼女たちの学校はいわゆる「由緒正しい」学校であることが伺えます。

 

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あの!Aqoursの皆さん…ですよね?

一緒に写真撮ってもらっていいですか!?

 

北海道地区予選に招待されたAqoursは、他校の生徒からも声を掛けられるようになります。それはやはり、圧倒的なパフォーマンスで自分たちだけの輝きを「形」にして全国に拡めたから。

 

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入学希望者数100人という数字には届かなかったものの、全力でラブライブ!に臨んだ結果は、目に見える人気という形で表れます。彼女たちが精一杯足掻いた過程は決して無駄では無かった。

 

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「HAKODATE」では、県外の生徒たちにも声を掛けられたことがポイントだと思っています。#12「はばたきのとき」では沼津の会場で他校の生徒から声を掛けられましたが、今回は北海道という遠く離れた地でもAqoursの人気が確かなものになったことが分かります。一度描いたシーンが重ねて形を変え描かれることで、彼女たちの成長が一目で分かるシーンでした。

 

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ぴぎぃ! 

 

加えていつも通りの何気ないワンシーンですが、前提としてルビィちゃんの気弱さが描かれているからこそ、#8を通して描かれる「ルビィの好きなものに対する強い意志」 がより強調して伝わって来るような気がします。

 

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決勝に進むって、すごい事なんだね

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喜ばしい現状とは裏腹に虚ろ気な表情で姉ダイヤの方を見つめるルビィ。彼女は姉と学校にいられる時間が残り僅かだということを気にかけていることがこの後のストーリーを見ると分かりますが、何もこのシーンから始まった訳ではなく、それ以前に同様の想いを持っていたことが#7「残された時間」にてラブライブ!への想いを語るシーンから分かります。

 

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お姉ちゃん達は、3年生はこれが最後のラブライブだから…
だから、絶対に優勝したい! 

 

この後も文中で繰り返すことになりますが、「ルビィの好きなものに対する強い意志」。浦の星の統廃合が決定して他のメンバーが落ち込む中、「大好きな姉が臨む最後のラブライブ!だから」という強い意志を持って言葉を紡ぐルビィの勇気は心に強く訴えかけてくる力があります。

 

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今日は、楽しんでってくださいね。 皆さんと決勝で戦うのはまだ先ですから 

 

大会で「勝つこと」を前提に話を進める聖良。何も彼女は嫌味を言っている訳ではなく、彼女たちは常に「勝つため」にラブライブ!の優勝を目指しているからこそ飛び出して来る発言なのでしょう。

 

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いいえ。ただ、勝つしかない。
勝って追いついて、同じ景色を見るしか無いのかもって

 

それは、彼女たちがスクールアイドルになるきっかけにもなった「A-RISE」と同じ景色を見るため。彼女たちにも確かな「想い」が胸の内にあるのです。

 

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差し入れの量からしても彼女たちには沢山の「期待」が寄せられていることが分かります。千歌の言葉に代表されるように「期待」は時にプレッシャーにもなる事が描かれてきました。聖良たちが期待をプレッシャーだと感じる時があるのかは分かりませんが、期待を寄せられている事実を知ると、この後彼女たちを待ち受ける「敗北」の色がより濃く見えるような印象がありました。

 

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次に会う決勝はAqoursと一緒にラブライブ!の歴史に残る大会にしましょう! 

 

眼前に控える地区予選の先にある決勝を見据える聖良。彼女たちが言葉を紡げば紡ぐ程やはりこの先に待ち受ける結果との落差が大きくなる訳です。

 

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瓦解の予兆。

 

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結果は一瞬にして―

 

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びっくりしたね…

まさかあんなことになるなんて…

これがラブライブ!なんだね

一度ミスをすると立ち直るのは本当に難しい

 

必要なことのみを描くラブライブ!。それはずっと一貫しています。Saint Snowのパフォーマンスは結果でのみ、そして言葉でのみ伝えられます。

 

一度ミスをすると立ち直るのは本当に難しい

 

それはピアノも一緒です。この時の梨子の言葉にそういった意味が別に込められているかは分かりませんが、1stライブの時の逢田さんのパフォーマンスを通してピアノの難しさを語るファンの方の感想を聞いた事もあり、私は素直にそう思いました。

 

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千歌たちはSaint Snowの楽屋を訪れますが、部屋の中は既にもぬけの殻。

 

Saint Snowの2人既に帰られたみたいです

この後本戦進出グループの壮行会あるんですけど

控室で待ってるって聖良さんたち言ってくれたのに

 

残された事実と第三者の言葉によって、彼女たちが抱いたであろう暗い気持ちを伺い知ることが出来ます。

 

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突然のアクシデントに驚く一同。その中でも一際目を見開き口を抑えては、誰よりも信じられないという表情を浮かべるルビィ。

 

この後に描かれる通り、彼女には大切な姉がおり、理亞がラブライブ!に掛ける思いを想像できたからこそ、余計にショックを感じていたのでしょう。

 

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私達が気に病んでも、しかたない事デース

そうかもね

あの二人なら、大丈夫だよ

仲の良い姉妹だしね

うん…

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地区大会の舞台で失敗し喧嘩もしていたという事実を知った千歌たちは、聖良たちを心配しますが、最終的に深く詮索することはしないという結論に至りました。一方でルビィはというと、思い悩んだ表情を浮かべます。

 

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ルビィの一瞬の表情の変化に気がつくダイヤ。妹が姉のことを想うように、姉も妹の変化は一瞬にして気が付きます。

 

姉妹の心の機微が丁寧にそして繊細に表情や目線の変化として表されます。

 

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果南、鞠莉たちと和気あいあいするダイヤたちを見て、一瞬は笑顔になるものの、すぐにまた思い悩んだ表情を浮かべるルビィ。

 

 

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何か落ち着くねここ

内浦と同じ空気を感じる

そっか…海が目の前にあって、潮の香りがする町で、坂の上にある学校で

繋がってないようで、どこか繋がってるものね、みんな

 

千歌たち一行はSaint Snowの母校を訪ねます。内浦にある浦の星女学院との共通点を見出す3人。遠く離れた地で似ている所を見つける姿は、かつて異国の地を訪ね自分たちらしく踊れる場所を見つけたスクールアイドルたちと重なる部分があります。自分たちが知らない土地でも共通項を見つけて同じ空気感を感じることで、初めて訪れた地でも自分たちらしくそして落ち着いていられるのです。

 

繋がってないようで、どこか繋がってるものね、みんな

 

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色んな人が、色んな思いを抱いて、その思いが見えない力になって、引き寄せられて、運命のように出会う…
全てに、意味がある

 

#5「犬を拾う。」にて、人々の想いが引き寄せあった必然の結果として出逢いは生まれるものだと、そう思うことが素敵なんじゃないかな、と悟った梨子だからこそ言える台詞に感じました。

 

ちなみにSaint Snowの母校「函館聖泉女子高等学院」のモデルは実在する「北海道函館西高等学校」という学校で、2019年度をもって統廃合をするらしく。浦の星女学院と似た場所にあるだけでなく、実際に統廃合が決定した学校だという所には、運命の存在を感じざるを得ない次第です。

 

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たまたま立ち寄ったお店でルビィはベッドにうつ伏せで涙を流す理亞に出くわします。一瞬映る姉の聖良と一緒に写る理亞の写真。

 

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思い出として姉と一緒にラブライブ!に出た時の写真を自分の部屋に飾る姿からは、彼女が姉のことを好きでいて、そんな好きな姉と一緒に出られたラブライブ!を特別に感じていることが伺い知ることができます。

 

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さり気ないシーンでも想いを感じられるのはラブライブ!においてはずっと変わりません。全てのシーンに意味があるのです。

 

Bパート

 

町並みも素敵ですね

落ち着いてて、ロマンチックで

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ありがとうございます

私も理亞もここが大好きで、大人になったら二人でこの店を継いで暮らしていきたいねって 

 

Aqoursが内浦に特別な思い入れがあるように、Saint Snowの2人にも自分たちが住むこの場所には特別な思い入れがある。

 

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そうなんだ…

 

理亞の想いを初めて知って、ルビィは理亞の涙の意味を噛み締めるように声を漏らします。

 

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食べたらさっさと出て行って!

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さっきの事言ったら、ただじゃ置かないから…

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ごめんなさい。まだちょっと昨日の事引っかかってるみたいで…

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私は後悔してません。だから理亞もきっと次は…

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嫌!何度言っても同じ。私は続けない。スクールアイドルは! 

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セイントスノーはもう終わり!

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あなたはまだ一年生。来年だってチャンスは…

いい。もう関係ないから。ラブライブも、スクールアイドルも

 

だから理亞もきっと次は…」と言う聖良に対して、「私は続けない。スクールアイドルは!セイントスノーはもう終わり!」と理亞は突き返します。続く「あなたはまだ一年生。来年だってチャンスは…」「いい。もう関係ないから。ラブライブも、スクールアイドルも」も押し問答。

 

理亞の涙を見て、彼女の想いを知り、彼女の言葉を聞いたルビィは、一瞬ハッとした表情を浮かべて俯きます。そう、ルビィは自分と似た境遇にあるからこそ理亞の気持ちが分かったのです。

 

次は…」「来年だってチャンスは…」と、しきりに「まだ先がある」と言う聖良の言葉は理亞の真意の的を射ません。理亞にとってはもう「先がない」のです。ここで言う「先がない」とは、「大好きな姉と一緒に出られるラブライブ!は二度と無い」ということ。だからこそ理亞は姉の聖良の言葉に反発していたのです。

 

#7「残された時間」にて、「今はラブライブなんてどうでもよくなってる。私達の輝きなんてどうでもいい!」と千歌は語っていましたが、本質的には似ていることだと思っています。千歌が、学校を廃校から救った先に初めてラブライブ!が、輝きがあると考えていたように、理亞にとっても、大好きな姉と一緒にいられる先に初めてラブライブ!が、スクールアイドルがあると思っているのです。理亞にとっては、姉と一緒にいられる時間こそが特別なのであり、姉と2人で出来ないSaint Snowには存在意義すら感じられないのです。

 

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自分の失敗したシーンを反芻するように眺める理亞。終盤の理亞の台詞からも分かるように、姉と最後に出られるラブライブ!で自分が独り立ち出来る姿を姉に見せるために頑張って来た理亞だからこそ、彼女にとって今回の失敗は大きな後悔になっているのです。

 

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でも、すぐ切り替えられるほど、人の心は簡単ではないって事ですわ

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自信、なくしちゃったのかな…

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違うと思う

聖良さんがいなくなっちゃうから

 

各々が理亞の気持ちを推察しますが、そこにルビィは臆することなく意見して自分の考えを伝えます。

 

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お姉ちゃんと一緒に続けられないのが嫌なんだと思う

お姉ちゃんがいないならもう続けたくないって…

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ルビィ…

ぴぎゃっ!

 

言葉をしっかりと紡ぎ出すことが出来るルビィ。それは、いつもの気弱な姿からは想像できません。友達である善子、花丸にも「あんた…」「凄いズラ…」と言われる程。大好きな姉を持つ理亞と同じ境遇にいるルビィだからこそ彼女の気持ちを察することができたのであり、好きなもの(姉)に関しては強い意志を示す事ができるルビィだからこそ臆せず言葉を紡ぎ出す事ができたのです。

 

それは何も今回に限ったことではありません。

 

スクールアイドルから遠ざかっている「大好きな姉」の気持ちを考えた時や、

 

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今は言わないで!!

 

大好きなスクールアイドル」を始めようと決意した時、

 

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ルビィ…ルビィね

 

大好きな友達」に想いを伝える時。

 

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ルビィね…花丸ちゃんと一緒にスクールアイドル出来たらって、ずっと思ってた!一緒に頑張れたらって!

 

黒澤ルビィは、大好きな人やもののためなら強い意志を示すことが出来る人間なのです。ずっと彼女が胸の内に強い勇気を持っている少女であったことは、彼女の精一杯な姿を見てきた人なら誰もがそう思ってきたことでしょう。

 

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うぅ…ち、違うの!ルビィはただ理亞ちゃんが泣いて…あ…!!

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ぴぎぃぃぃぃぃ!!

 

我に返り自分を客観視した時に彼女は普通の黒澤ルビィに戻ります。それもまた彼女の本質であり二面性こそが彼女の魅力なのです。

 

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綺麗ですわね。理亞さんに何か言われたんですの?

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飛び出したルビィのことを気にかけて追いかけ、優しく声をかけるダイヤ。そっと上着を肩にかける仕草からも妹想いな姉の一面が伝わって来ます。「理亞さんに何か言われたんですの?」と一瞬のルビィの仕草から察することが出来たのも、いつも妹のことを気にかけているダイヤであればこそだと思い、胸が熱くなりました。

 

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ううん、ただ…きっとそうなんじゃないかって

ルビィもそうだから…

 

先程の「お姉ちゃんと一緒に続けられないのが嫌なんだと思う。お姉ちゃんがいないならもう続けたくないって…」という言葉。理亞の気持ちを推察することが出来たのは、彼女自身も同じ気持ちを持っていたから。

 

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お姉ちゃん…

お姉ちゃんも決勝が終わったら…

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それは仕方ありませんわ

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でも、あんなにスクールアイドルに憧れていたのに…あんなに目指していたのに…

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もう終わっちゃうなんて…

 

お姉ちゃんも決勝が終わったら…

 

「スクールアイドルを出来なくなる」。理亞が今年で最後のラブライブ!を迎えた聖良との事を想ったように、ルビィもラブライブ!の決勝のその先に必ず訪れる「終わり」について語ります。

 

それは仕方ありませんわ

 

近い将来に訪れる終わりを悲観するルビィとは対象的にどこか楽観的なダイヤ。それは、彼女にとって「今」がこれ以上無いくらい、大切な人たちと夢のような時間を過ごしていると感じているから。一度は大切な人との別れを経て、大事なものと向き合うことが出来なかったからこそ、より一層心から溢れてくる、今が満たされてるという気持ち。

 

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私は十分満足していますわ

果南さんと鞠莉さん、2年生や1年生の皆さん、そして何よりルビィと一緒にスクールアイドルをやる事が出来た…

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大好きな姉の言葉に堪え切れずダイヤを抱きしめるルビィ―

 

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それでラブライブの決勝です、アキバドームです

夢のようですわ…

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でも…ルビィは…

お姉ちゃんともっと歌いたい…

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お姉ちゃんの背中を見て、お姉ちゃんの息を感じて、お姉ちゃんと一緒に汗をかいて…

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ルビィを置いて行かないで…

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素直な言葉に目を潤ませながらも一瞬ハッとした表情を浮かべては優しく微笑むダイヤ。

 

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大きくなりましたわね

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それに一段と美人になりましたわ

 

ルビィのことをずっと大切に見つめてきたダイヤ。この後「姉は生まれた時からずっといる」というお話がありますが、それと同様に姉にとって妹も生まれた時からずっと見守ってきた存在なのです。これまでのルビィへの接し方を見ても、誰よりもルビィのことを大切に見守ってきてきたことは明らかでしょう。

 

そんな彼女だからこそ、妹が素直な気持ちを零してくれたことに成長を感じて喜びを感じたのだと思います。

 

大きくなりましたわね。それに一段と美人になりましたわ

 

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もちろん自慢の妹ですわ

 

#3「虹」にて、ルビィの事を誇らしげに語ったダイヤ。他人に「自慢の妹」だと語る姿にも愛を感じますが、ルビィ本人に対して「大きくなりましたわね。それに一段と美人になりましたわ」と語ったところに最上級の愛を感じました。「それに一段と美人になりましたわ」という言葉もダイヤらしく胸に刺さるものがあります。

 

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終わったらどうするつもりですの?

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分かんない…でも学校なくなっちゃうし、お姉ちゃん達もいなくなっちゃうし…

そうですわね

お姉ちゃんは?

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そうね。分からないですわ。その時になってみないと…

今はラブライブの決勝の事だけしか考えないようにしていますし

 

分からないですわ。その時になってみないと…

 

ルビィに「終わったらどうするつもりですの?」と聞きながらも、ルビィと同じように終わった後の事は分からないと語るダイヤ。それは、今ルビィたちと一緒にいられることに満足しているからなのでしょうか、学校のために今はラブライブ!の決勝の事だけを考えないようにしているからなのでしょうか。あるいは、ルビィに終わった後のことを今は考えさせないようにしてあげたいという姉心なのでしょうか。いずれにせよ、彼女の言葉の根本には「姉としての優しさ」が詰まっているように感じました。

 

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どんな感じなの?お姉ちゃんて

うーん、どうだろ。うちはあんな感じだからあんまり気にする事ないけど…

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でも、やっぱり気になるかな

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ほら、最初に学校でライブやった時さ、美渡姉雨の中来てくれたでしょ?

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何かその瞬間泣きそうになったもん。あぁ、美渡姉だ!って…

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いいなー、私そういうのよく分からないけど

私も良く分からないよ。だってあまりにも自然だもん

生まれた時からずっといるんだよ、お姉ちゃんって

 

一人っ子の曜は千歌に姉の存在について問いかけますが、千歌にとって姉は「あんまり気にする事ないけど。でも、やっぱり気になる」存在だと答えます。続けて、#3「ファーストステップ」にて心が折れてライブが中断してしまいそうになった時、現れた美渡姉を見て「あぁ、美渡姉だ!」と泣きそうになったと。そして、「生まれた時からずっといる」「あまりにも自然」な存在でもあると。

 

これらの言葉を繋げると、千歌にとって姉は「いることが当たり前だからよく分からないけど、困ってる時にいてくれるとやっぱり安心できる存在」ということになります。このように語ったのは千歌ですが、ルビィにとってもダイヤはいて当たり前の存在で、姉がいない世界なんて想像できないくらい、あまりにも自然な存在だったのではないでしょうか。だからこそ、ルビィは姉と一緒にいられなくなる将来が考えられないくらいに悲しいことだったのです。

 

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あなたが私にスクールアイドルになりたいって言ってきた時、あの時凄く嬉しかったのです

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私の知らない所でルビィはこんなにも一人で一生懸命考えて、自分の足で答えに辿り着いたんだって

 

誰よりもルビィのことを見守ってきたダイヤ。

 

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あなたが私にスクールアイドルになりたいって言ってきた時、あの時凄く嬉しかったのです。私の知らない所でルビィはこんなにも一人で一生懸命考えて、自分の足で答えに辿り着いたんだって

 

ルビィはいつもダイヤの影に隠れて一歩後ろを歩くような子だったのでしょう。そんな彼女は、ダイヤがスクールアイドルから遠ざかっていた2年の間に、自分の預かり知らぬところで、しっかりと自分の意志を伝えられるような立派な妹に成長していました。

 

ルビィの姉であるダイヤにとっては、何よりもそれが嬉しかった。

 

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ルビィが自分で考えて自分の足で進んだ道で楽しんでいる姿も。

 

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自分の足で臨む姿も。

 

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涙を流すほど真剣だった夢に破れた姿も。

 

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その全てが、ダイヤにとっては嬉しいことだった。ルビィが自分の足で歩いてきた「成長の軌跡」は、それ自体がダイヤにとって何よりもの幸せだったのです。

 

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再びルビィは、自分の足で理亞の元に向かいます。

 

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ルビィ…黒澤ルビィです!

お話が…お話があるの!少しだけ

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あの…ルビィにも理亞さんと同じでお姉ちゃんがいて…

黒澤ダイヤ

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でも私の姉様の方が上。美人だし歌もダンスも一級品だし

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ルビィのお姉ちゃんも負けてないと思う、けど…

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バク転出来ないでしょ?

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日本舞踊だったら、人に教えられる位だし。お琴も出来るし!

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スクールアイドルに関係ない!

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そんな事ないもん!必要な基礎は同じだって果南ちゃんも言ってたもん!

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でも、私の姉様の方が上!

 

お互いの姉の良いところを言い、自分の姉の方が上、負けてないと言い合う理亞とルビィ。ルビィは普段気弱ですが、やはり大好きな姉のことになると想いをしっかりと相手に伝えることができます。しかし、それは理亞も一緒。彼女は、普段無口ですが、この場面で自分の姉の良さをはっきりと語っているように、彼女にとって姉の聖良は特別な存在。

 

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やっぱり聖良さんの事大好きなんだね

 

ルビィが言うように、理亞も姉のことが大好きであると。彼女がそう言うことができたのは、同じ妹としてダイヤという大好きな姉がいたから。そして、直接理亜と言葉を交わすなかで、ムキになるほど理亞が聖良のことを語っていたから。

 

今再び#8「くやしくないの?」を見ると、次の理亞の言葉の意味が変わってくるように思えます。

 

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…バカにしないで。
ラブライブは…遊びじゃない

 

それは、もちろん「勝つため」に真剣に挑んできたラブライブ!を貶された気分で言ったこともあると思いますが、何よりも大好きな姉と一緒に挑んだラブライブ!だったからこそ彼女の口から出てきた言葉だったのではないかと。

 

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あ…当たり前でしょ!あんたの方こそ何!?

普段気弱そうな癖に!

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だって大好きだもんお姉ちゃんのこと

 

はっきりと姉のことが大好きだと、気持ちを理亞に伝えるルビィ。

 

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そんなルビィのまっすぐな表情を見て、素直な言葉を聞いて、理亞は気がつきます。ルビィも自分と同じように姉のことが大好きなのだと。

 

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それでね、ルビィ、お姉ちゃんと話して分かったの。嬉しいんだって

なにが?

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お姉ちゃんがいなくても、別々でも、頑張ってお姉ちゃんの力無しでルビィが何か出来たら嬉しいんだって

 

ルビィは自分の足で歩を進めながら、そう語ります。

 

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きっと聖良さんもそうなんじゃないかなぁ?

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そんなの分かってる。だから、頑張ってきた

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姉様がいなくても一人で出来るって、安心してって

なのに…最後の大会だったのに…

 

理亞はルビィの素直に気持ちに応えるように自分の気持ちを吐露します。姉がいなくても妹一人で何かを出来ることを見せてあげられることが姉の幸せであり、安心させてあげられることは分かっている。でも、それが出来なかった。姉に自分が独り立ちした姿を見せる最後のチャンスだったのに、自分の失敗のせいでその姿を見せることができなかった、と。

 

そんな理亞に対してルビィは―

 

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じゃあ、最後にしなければいいんじゃないかな?

 

理亞の肩をぎゅっと抱き、そう力強く言葉を紡ぐルビィ。

 

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ルビィは、戸惑う理亞の手を引くように駆け出します。

 

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彼女は既に自分一人だけでなく、誰かの手を引いて引っ張っていけるほど大きくなりました。

 

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最初は戸惑っていた理亞も。

 

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手を引かれて走る内に笑みを浮かべるようになります。

 

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しんしんと雪が降る中、ぼんやりと煌めく灯りに照らされるように、少女たちは絵に描いたような幻想的な街をひたすらに走り抜けます。

 

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無我夢中で走り抜けたその先に見つけたのは―

 

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満点の夜空に負けじと煌々と光る大きな輝き。

 

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歌いませんか?一緒に曲を!

お姉ちゃんに贈る曲を作って、この光の中で、もう一度…

 

もう一度歌うことで、姉に一人でできることを伝えられること。姉を安心させてあげる最後のチャンスを逃してしまったと嘆く理亞に対して、ルビィが提案してあげたのは、それを最後にしなければいいということ。

 

もう一度自分たちで作る曲を通して、光の中で姉への想いを伝えることを決めた2人。

 

その想いに呼応するように。そして祝福するように―

 

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夜空は一筋の予感を彼女たちの頭上に天高く降らせました。