「アニストテレス vol.6」の記録
2017年10月29日に行われた「アニストテレスvol.6」ファイナルステージを観覧して参りました。
昨年のレポがこちら。
あらためてこのオーディションは、「アニメ大好きオーディション」として、SMA主催の年齢・性別・国籍等不問の、アニメが大好きという全ての方に門戸が開かれたオーディションになります。
これまでに、水瀬いのりさんや伊波杏樹さんを排出し、今回で6回目となります。
このオーディションの目玉の一つとなっているのが、最終選考が一般の方も観覧できる公開オーディション。
会場に来たお客さんも「2人」を選出する投票券が渡されており、ファイナリストの未来を決めるという重要な役割が与えられています。
と言いつつも、ファイナリストの方はもちろん司会進行を務めるMCの方々、そして観覧者である方たちも「アニメ好き」という共通点があります。
そのため、いわゆる「オーディション」と聞いてイメージする重々しい雰囲気はなく、終始笑いありの和やかな雰囲気で行われるというのが特徴です。
夢が生まれる瞬間
「オーディションに一般の方が参加する理由って何?」と聞かれると、魅力的なゲストMCを見たいという意見もありますが、1番の理由としては夢が生まれる瞬間に立ち会えることだと思っています。
審査の結果、最後に発表されるグランプリの栄光。グランプリストの名前が呼ばれ、会場からは祝福の拍手が鳴り、グランプリストが歓喜の涙を浮かべる瞬間は、何ものにも変えがたいものがあります。
「夢が叶う瞬間」ではなくあえて「夢が生まれる瞬間」と書いたのは、オーディションで優勝することが目的ではなく、新しい夢へときっと駆け出していくから。グランプリストだけでなくファイナリストやステージに立つことが叶わなかった人にもまだ夢を叶えられるチャンスはあります。
オープニング
冒頭では、ファイナリストを紹介するPVが流れます。vol.5では水瀬いのりさんの「夢のつぼみ」が流れたのですが、第1回大会で優勝を飾った水瀬さんが憧れられる側の立場となり夢追う人への応援歌として使われるのは実に胸に来るものがあります。
vol.6ではスノーマンさんの「新しい私になれ」という楽曲が流れました。自分を変えるために自らを奮い立たせるような歌詞が印象的な楽曲。こちらも夢追う人たちを応援する歌だと思います。
楽曲が鳴り止むと登場したのが、MCを務めるお笑い芸人の「がっつきたいか」さん。オーディションの開催概要が語られる中、応募者総数は過去最多の7200人ということが伝えられます。
ここでもう1人のゲストMC「伊波杏樹」さんが呼び込まれます。登場時に流れた楽曲は、伊波さんのソロ楽曲の「LOVE★DON!!」。
本日はお足元の悪い中、
— 伊波 杏樹 (@anju_inami) 2017年10月29日
SMA主催 オーディション
「アニストテレス vol.6」に
ご来場頂きました皆様
ありがとうございました!
ファイナリスト12名の皆さん
本当にお疲れ様でした✨
私は二年連続でゲストMC、そして
2曲の歌唱をもって出演致しました。
今年も胸が高鳴った…! pic.twitter.com/No8UMQLzPk
伊波さんは、Vol.2で準グランプリを取られたという紹介から、「4年前初めて人前で演技もしたし歌も歌いました」と語ります。
オーディションにかける意気込みとして、「成長した自分を見せつつ、ファイナリストの方々に頑張って欲しい」という言葉を述べていました。でも、出番前は「緊張してピョンピョン飛び跳ねていました」とも。
歌唱審査&演技審査スタート
アニストテレス恒例となっているのが、歌唱審査と演技審査。ファイナリストは各自自ら選んだ自信のある楽曲と演技をステージ上で披露します。
①悠月ひまりさん<14才>
歌唱曲:「いつも何度でも」演技:「七つの大罪」
アピールタイムでは、オペラ座の怪人のイタリア歌曲を披露されていました。いきなり濃いアピールポイントが披露されたこともあり、伊波さんは「やっぱり伝説のステージですね」と、はにかみながら話していたのが印象に残っています。
②伊藤梨花子さん <17才>
伊藤さんは、「けものフレンズ」の舞台にも「シロナガスクジラ役」で出演されていらっしゃたとのこと。特別に台詞を披露してくださいました。舞台の時の思い出として、最年少なのに最年長の役を演じたことだと語られていました。
既に舞台という経験をなされている伊藤さんに対して、「経験は大事ですからね」と伊波さんがコメントされていました。「日々精進」で経験を積んで来た伊波さんだからこそ言える言葉だなと感じました。
③宮川紘人さん<15才>
歌唱曲:「Catch the Moment」演技:「夏目友人帳」
LiSAが好きだと語っており、今回歌う楽曲を選んだ理由がカラオケに行った時に友達に「いいんじゃね」と言われたことがきっかけだと語っていました。好きな作品は、SAOや夏目友人帳だと話していましたが、こちらも友達に「面白いんじゃね」と言われたことがきっかけとしてあるそう。がっつきたいかさんがツボにハマったのか「それ言って来たの同じ奴じゃね」とツッコミで返していました。
④清水ひかるさん<16才>
歌唱曲:「鳥の詩」演技:「Re:ゼロから始める異世界生活」
好きな作品はSAOだと話していました。SAOの魅力は、シリーズごとに別々のキャラクターがフィーチャーされるところ。好きなアニメを語るのも、アニストテレスらしいですね。髪の毛も、アスナを目指して絶賛伸ばしているとのこと。
⑤田中みずなさん<15才>
歌唱曲:「Wishing」演技:「囮物語」
囮物語の千石撫子の演技を披露していましたが、声もビジュアルも撫子に似てるよねとがっつきたいかさんに言われていました。友達からも見た目が似てるよねと言われたことがあるそうです。
アピールタイムの時は、にわとりの鳴き真似を披露していました。学校で演劇をした際にもやったと語っていましたが、その時の舞台が、卵焼きにされた卵の姉という設定(?)のにわとりを演じたとのこと。バックボーンが細かすぎる設定に伊波さんもがっつきさんも終始ツッコミを入れていたのが印象に残っています。
⑥戸谷菊之介さん<18才>
歌唱曲:「君の知らない物語」演技:「ジョジョの奇妙な冒険」3部「俺が裁く!」
花京院と戦う時の承太郎のセリフですが、がっつきたいかさんがジョジョ好きだったのか「だいぶ序盤のセリフだな!」とツッコミを入れていました。「肉の芽がどうの…」というディープな話を始めたがっつきさんらに、「ちょっと分からないですね。笑」と少し辟易てしながらも笑ってる様子で伊波さんが応えていました。
アピールタイムの時に披露したのが早口言葉。「あんちゃんは早口言葉できますか?」というがっつきさんからの指名も入り、「ちょっと待ってくださいよ笑」と苦笑いでうなだれながら、「隣の客はよく柿食う客だ」を3回繰り返して成功させていました。直後、「こんなつもりじゃなっかった〜泣」と、してやられたと言わんばかりの表情を浮かべていた伊波さんの姿が印象に残っています。
⑦吉田恋香さん<15才>
歌唱曲:「タッチ」演技:「心が叫びたがってるんだ」
タッチはおばあちゃんとおじいちゃんが大好きでカラオケで歌ったら褒められたと語っていましたが、がっつきさんが「タッチっておじいちゃん、おばあちゃん世代の曲なの?」とツッコミを入れていました。
彼女がアピールタイムで披露したのはフィンランド民謡。
⑧みさんぬさん<16才>
絶対音感を持っていて、小学生の頃に聞いた音はピアノで弾けると誰でも思っていたそうですが、友達に誰しもが持っているものではないことを伝えられた時初めて自分が特別だということに気づいたそうです。
その特技を生かして、がっつきさんのリクエストで披露してくれたのが、ファミマ入店時のメロディ。がっつきさんが入店するジャスチャーに合わせて歌ってくれたのですが、「ファミチキひとつ!」と言い、「これはファミチキ買ってしまいますわ」と言っていました。
唇を切ってしまった時に医者に行く前に自ら抜歯をしてしまったという恐ろしいエピソードも語っていましたが、それを聞く伊波さんが終始「ひぃいいい‼︎」と言いながら、恐る恐る聞いていたのが印象に残っています。
⑨音葉ななみさん<14才>
歌唱曲:「My Soul,Your Beats!」演技:「Re:ゼロから始める異世界生活」
声の演技をしたことで嬉しかったことが「アニメの世界に入ることができたような気持ちになった」ことだと語っていましたが、以前同じ旨を語っていた伊波さんは「それが一番ですよね」と言っていました。
好きな作品を聞かれた時に「Angel Beats!」を挙げていましたが、それを最初に見た時が7歳の時だと語っていたこともあり、「7歳⁉︎」と伊波さんも驚いていました。伊波さんも「私もAngel Beats!が好きで」とも語っていました。
彼女は伊波さんとやりたかったこととして「ドレミファゲーム」という学校で流行ってるゲームを提案して、それを受けた伊波さんが身構えながらも、がっつきさんと4人でやることになりました。指名された人が音階はキープしたまま「ファはファイトのファ♪」というように順番に言っていくというシンプルなゲーム。結局がっつきさんが「ソは青い空」が出てこず決着がつきましたが、ゲームの感想を聞かれた時に「やっぱ伊波さんは声の出し方が違う」と答え、お褒めの声を貰った伊波さんは照れながらも「いい声で振られたから、いい声で返しました笑」と返していました。
⑩小山拓也さん<20才>
歌唱曲:「君じゃなきゃダメみたい」演技:「創聖のアクエリオン」
アピールポイントの時に物語シリーズのアララギ君のセリフを言っていましたが、「似てる!」とがっつきさんからお褒めの声も。最近はFGOのコスプレをやっていたことが講じて雑誌に取り上げられたという凄いエピソードも語っていました。
「伊波さんはコスプレやったことありますか?」と聞かれた時に、3秒くらい考えた挙句「んー、いやー無いですね。笑」と言っていました。
⑪長尾玲奈さん<21才>
歌唱曲:「約束」演技:「キルラキル」
大学に通っているという彼女は、大学でも珍しいアニメの授業を取っているとのこと。サザエさんから学ぶその時代に流行っていたものを研究する講義や、仮面ライダーから学ぶ演出の授業があるらしいです。そのうえ、声優の授業もあると言っており、今の大学が扱う講義の幅広さには驚きました。
彼女は話の中で自分はファイナリストの中で21歳で最年長だと悩みを打ち明けていましたが、そんな彼女に対して優しく少しはにかみながら「大丈夫ですよ、隣にも21歳いますよ。笑」と声をかけていました。
彼女がはけた後で伊波さんが「好きなものに全力になるって輝いてる」と言い、そんな姿を見ていると「自分も楽しくなる」と言っていたのが印象に残っています。
⑫皆本茉莉愛さん<15才>
彼女はダンスが特技でローカルアイドルをやっていたとも語っており、アピールタイムの時にはその特技のダンスを披露していました。想像していたより激しいダンスに一同驚きの声が。がっつきさんが演技の中にもあったアイカツのセリフを元に「心のペンライトが光ったよ!」と叫んでいました。
トークセッション
こちらは、ファイナリスト12名の方とMCのがっつきさんと伊波さんでお題に沿ってトークを行うというコーナーになります。
最初のお題は「アニメが好きすぎてついしてしまう癖は?」というもの。
ファイナリストの方が、つい道端で好きなアニメの台詞を言っちゃう癖があるというお話をして、「特に『ラブライブ!サンシャイン!!』だと曜ちゃんが1番好きで「ヨーソロー!」って、つい言っちゃいますね…あ、千歌ちゃんも好きなんですけど…!」
すかさず伊波さんが「(千歌ちゃんが1番じゃなくても)大丈夫だよ、私が1番曜ちゃん好きだから(笑)」と返していたのが印象に残っています。
台詞の覚え方のお話で、伊波さんが「お風呂やトイレでもセリフは練習します。セリフを覚えられれば、ゲームをしながらでも言いますね」とお話されており、ゲームをしながらでもするのかという驚きがありました。
次のテーマが「最近したプチ贅沢」。
好きなグッズを買うだったりアニメを一気見するなど人によって様々な意見が飛び出してくる中で、ちなみにと聞かれた伊波さんは次のように答えていました。
「贅沢かはわかりませんが、父と外食する時がいい時間だなって思いますね。甘いもの、パフェとかはあまり好きじゃないんですよね。でも、コージーコーナーのスフレは食べちゃいます」
ライブコーナー
ゲストMCによるライブコーナー。ライブの前にはがっつきさんのコントも見ることができました。
トークセッションを終え再び登場した伊波さん。伊波さんステージ向かって右側には、伊波さんのボイストレーナーもされている多田先生が伴奏としてキーボードを携えておりました。
君をのせて/天空の城ラピュタ
昨年はハルヒの「God knows...」と、LiSAの「シルシ」だったので、意外な選曲に驚きました。
薄暗いステージでライトに照らされる中情感豊かに歌われていました。伊波さんは歌う前にスッと表情が変わるんですよね。上から何かが降りてきたかのような。
そして、ひとつひとつの言葉の意味にこれでもかというくらいに気持ちを込める。それが表情にも歌にも表れる。表現することが生業であり、それに打ち込めるほど好きなものであるからこそ、できる歌い方だなと思うと同時に、彼女の歌を見て聴く人は「彼女がつくる世界」の中にどっぷりと引き込まれるのだと思います。
MC
「天空の城ラピュタ」の主題歌を歌ったということで、実は伊波さんのライブの前にがっつきさんがムスカ大佐とコンビニ店員に扮したネタをされていたこともあり、「まさかのラピュタかぶりをしました」と笑っていました。
次の歌に入る前には、「短い時間ですが、この場で歌うことが出来てとても嬉しく思います。ひとつひとつ大切に届けます。」と話されており、歌うことが好きだということが滲み出ていました。
Let it Go/アナと雪の女王
ディズニー好きの伊波さんらしい選曲。
歌が進んでいくのに従って盛り上がっていく感じが感情表現豊かな伊波さんの歌い方にピッタリとマッチしており、曲の主人公でもある強い気持ちで立ち上がる女性像が歌声や表情からはしっかりと伝わって来ました。
曲が終わり、がっつきさんが再び登場。
「あー!死ぬほど緊張しました!」
先程堂々と歌っていたのが嘘かのように等身大の伊波さんに戻り、それはそれで不思議な安心感がありました。
グランプリの発表
いよいよ、「アニストテレス vol.6」ファイナルステージの栄えあるグランプリの発表。
今年も「特別賞」の方がいることが告げられ、それが2名いるとも告げられます。緊張感漂う中、特別賞を受賞されたのが、
エントリーNo.1:悠月ひまりさん
エントリーNo.6:戸谷菊之介さん
そして、栄えあるグランプリに輝いたのが
エントリーNo.5:田中みずなさん
『アニストテレス vol.6』
— SMAオーディションスタッフ(公式) (@sma_audition) 2017年11月2日
ファイナルステージ終了いたしました!
グランプリ:田中みずな
特別賞: 悠月ひまり
戸谷菊之介
雨の中お越しいただきありがとうございました!ファイナリストの方、お疲れさまでした!#アニストテレス pic.twitter.com/i7lr6AI3lf
グランプリストの田中さんは、受賞の瞬間、驚きの表情を浮かべた後すぐにとめどなく涙を流していました。それは、もう受賞の言葉を語れないほど。トロフィー授与の際も足取りがおぼつかない程でした。すかさず伊波さんが「大丈夫、持てる?」と田中さんを気遣い、「大丈夫だよ」と語りかけ続けずっと背中をさすり頭を撫でていた姿が印象的でした。オーディションの時の記憶や優しさがある伊波さんだからこそできる行動。
見に来ていた親御さんにもがっつきさんの方から受賞報告が告げられ、また「夢が生まれる瞬間」に今年も立ち会うことができました。