きりんログ

-愛と青春と声豚の記録-

僕たちはひとつの光~μ'sの旅立ちに寄せて~

 

μ'sにとって最後のライブが幕を閉じた。

他の何ものにも代えられない尊い6年間をくれた18人のμ's。

アニメで高らかに終わりを宣言した9人の姿を見て、心の準備は整っていた筈だった。

それでも、彼女たちに声を与えて命を吹き込んだもう9人のμ'sが、大きな蓮の花の上で肩を組んで、お互いを讃え合う姿には溢れる涙を禁じ得なかった。

「楽しかったね」

その瞬間に全てを悟った。

彼女たちが歩んできた6年間は何一つ間違いではなかったこと。

他の誰も代わりが利かない9人だけのかけがえない絆が紡がれてきたこと。

そして、全てをやり遂げ終えたこと。

その言葉は、この世で最も重みがあり尊い一言だった。

 

終わらせたこと

 

多くの歓声を浴びながらも続きの物語を描くことなく、ラブライブ!は最高のまま全てを終わらせた。

そして、現実のμ'sたちの物語にも終止符を打った。

 

何度考えてもあり得ないことである。

 

四方から反対を受けたことは想像に容易い。

それでも尚終わらせる方向に動いたこと。

そして、現実に全てを終わらせたこと。

 

永遠に輝き続ける青春の物語が完成した瞬間である。

 

終わらせることで凝縮された時間の輝きが尊いものになる。

終わらせることで新しい夢が生まれる。

 

あらためて我々は、プロジェクトに関わる多くの人の決断に感謝しなければならない。

 

MOMENT RING

 

MOMENT RINGには全ての瞬間が凝縮されていた。

 

歌詞も振付も6年間のかけがえない瞬間の連続。

μ'sに纏わる全ての想い出が走馬灯のように脳裏を駆け巡る。

 

「これからはもっとよろしくね だって離れたりできるはずないんだよ」

 

9人が身を寄せ合うところで涙が溢れだすのを止められなかった。

 

18人で紡いだ軌跡(奇跡)の歌。

ステージ上で想いを詞に乗せて歌い繋いでいく9人の隣には、確かにもう9人の少女たちの姿があった。

 

最後の言葉

 

6年間、このメンバーと応援してくださった皆さんと、一緒にここまで来れて幸せでした。

 

いつかまたμ'sの歌を聴きに来てくれますか?約束です!

 

凛ちゃん見てましたか?私やりきったよー!

 

みなさん、ラブライブ!のこと好きですか?μ'sのこと愛してますか?希のこと好きですか?これからもずっと好きでいてくれますか?私も大好きです。

 

素敵なステージに連れて来てくれたメンバー、ファンの方々、そして真姫ちゃんにありがとうを言いたいです。

 

出会いは一枚のイラストでしたが、6年間の間みなさんが応援してくださった結果、9人の女の子は同じ時間を生きる命を貰えました。

 

μ'sのみんなと出会えて、ファンのみんなと出会えて、そして園田海未ちゃんと出会えて本当に幸せです。

 

これからもみなさんの心に、私たちのことを宝物のように閉じ込めておいてください。

 

みんながラブライブ!のことを大好きでいたら、こういう形では会えなくなるかもしれないけど、私たちはずっとμ'sです。それは穂乃果たちも同じ気持ちだと思います。

 

僕たちはひとつの光

 

思い出すのは星空のなか大きな蓮の花の上で踊る笑顔の9人の姿。

 

「いまが最高!」と手を繋いで大空に飛び上がる瞬間。

 

手を振り合って交わした万感の想い。

 

時計の針を描き、時を巻き戻す9人たち。

 

壇上の9人は再び少女たちの手を取り、18人で夢の中で描いた絵のような景色を目にした。

 

そこには確かに、劇場版のその先の物語が描かれていた。

 

後記

 

ファイナルライブが終わった後の喪失感は想像を絶するものがあった。

「皆さんの心に残り続けたら」という内田さんの願いは、大きな形で叶っている。

ただ、今は心のなかにそれが大きく残り過ぎて辛い気持ちがあることは事実だ。

そんな時に徳井さんのつぶやきで少し気持ちが軽くなった。

 

 

μ'sメンバーでこれからも定期的に会おうねという約束。

自分が本当に聞きたくて、無意識に救いを求め、それを満たしてくれるような言葉が確かにあった。

現実に活動するμ'sのお陰でラブライブ!は本当にリアルな作品だと何度も思わされたが、劇中の「僕たちはひとつの光」を再現したμ'sメンバーたちが、劇中の穂乃果たちくらい尊い存在になったように今は感じられて、現実感が沸かないような、どこか遠い場所に来てしまったような不思議な感覚さえある。

でもいつか、そんな不思議な感覚や喪失感が消え去って、μ'sの最後の晴れ舞台を純粋に楽しかった思い出として振り返ることが出来たら、それは本当に素晴らしいことだと思う。