きりんログ

-愛と青春と声豚の記録-

EMUSIC~始まりの場所から見えるケシキ~

新田恵海1st Live「EMUSIC〜始まりの場所〜」。本当に素敵なひとときだった。新田さんの歌と想いで心が満たされていく時間。会場にいる全員で音を作り上げて音を共有していく空間。新田さんの音楽に対する想いがあり、それに答える多くの人がいたからこそ、あの幸せなひとときは生まれたのだ。

【セットリスト】
EMUSIC
笑顔と笑顔で始まるよ!
Dear everyday
想いよ届け
言葉より強く
Rainy*flower
WONDER! SHUTTER LOVE
探求Dreaming
優しい世界そして未来へ
スピカ
想像を超えた世界
OURS POWERS
NEXT PHASE

—アンコール—
きらめきを夢みて(キーボード弾き語り)
タイムカプセル
EMUSIC

EMUSIC

新田恵海さんの1stライブ「EMUSIC〜始まりの場所〜」。そのライブを象徴していたのが、表題にもなっている『EMUSIC』。聞いた人が笑顔になるようにという意味を込めて、10年前から新田さんが暖めていた造語らしい。「笑み+MUSIC」。そして、「恵美+MUSIC」「E(良い)+MUSIC」。

EMUSIC!」。会場の全員で叫ぶ一体感。新田さんが意図した通り、そのフレーズを口にすると自然と笑顔が湧き上がってくる。

自由になりたくて 翼へとあこがれて

気がついた時には 歌声が羽になっていた

心に湧き上がるしあわせの感情をみんなに届けようと誓った新田さんが、気がつけばマイクの前で多くの人に歌声として届けていた。音楽に対する新田さんの想い、そして新田恵海という人間がこれまでに歩んできた生き様。それがこの歌詞に凝縮されている気がする。

みんなが笑顔になれるという意味での「EMUSIC」。しかし、ライブで語られた彼女の音楽に対する想いや、これまで歩んできた道程を省みると、アンコールの『EMUSIC』では、笑顔だけでなく感涙せざるを得なかった。それについては、この先で述べることにしたい。

 優しい世界そして未来へ

新田さんの底力が計り知れないことを再認識した曲。もちろん彼女の歌の魅力はただ上手いことだけではないのは百も承知だが、純粋に歌声の素晴らしさを堪能できたのが、「優しい世界そして未来へ」。モニターには宇宙、銀河の映像が流れていたが、壮大な曲のイメージが伸びのある管楽器のような歌声と見事に調和していた。シンガーソングライターを志して音大を出た新田さんの歌の確かな技術と、彼女自身が培ってきた人間力、そして声優としての表現力が一曲の中に凝縮されていたような気がする。是非、ライブで一人でも多くの人に聞いてもらいたい。個人的には「世界ノ全部ガ敵ダトシテモ」も生で聞いてみたいところである。

NEXT PHASE

NEXT PHASEはやはり問答無用に盛り上がれるが、アンコール前のラストにこの曲を持ってきたことは実に相応しい。新田さんの明るい声を受けて、一緒にCHA-CHA-CHAして、体中からパワーが漲ってくる感覚。多くの人がイメージする明るい「新田恵海」らしさが全面に出ている曲だと実感することができた。

きらめきを夢みて

アンコール中にステージにピアノが用意され、新田さん本人が弾き語りで歌ってくれた。「きらめきを夢見て」は新田さんが作詞した曲であり、この曲に込めた想いを自身の半生と絡めて話してくださった。

「実は私、今日が20代最後のライブで…」。会場から起こる笑い。「ちょっと待ってそこ笑うとこじゃないよ!さらっと年齢言ったとか言わないで!」。おどける新田さんの無邪気な表情も彼女の魅力の一つである。

20代最後と言ったのは、学生時代はシンガーソングライターになることが夢で、10代最後の記念に小さいライブハウスで歌ったことが思い出としてあるからだそう。20代最後のライブで自分が作詞した曲を歌うことができて幸せだという心情を語ってくれた。

また、この曲は、ありのままの自分を出した歌詞で、新田さんは誰かの気持ちを書くことは苦手で、自分の気持ちに正直に歌詞を書くことしかできないとのことである。また、多くの人が抱いている「新田恵海」のイメージとは一見かけ離れている歌詞で、「明るくて元気」だけではない部分も出しているという。本当は弱虫で臆病でよく転んでしまうという彼女。時には歌うのを辞めようと思ったときもあるそうだ。

でも、そんな自分の負の気持ちを、多くの人の前で語ることができるのは、やはり本当の強さのあらわれではないだろうか。10代の頃からシンガーソングライターを志して、色んな道を通ってきて、今は声優の仕事を続けていて。そのどれもが通ってこないと今の場所へはたどり着けないと語っていた。

EMUSIC~始まりの場所から見えるケシキ~

多くの人に歌を届けることを夢に見てきた新田さんが実現した最初で最後の1stライブ。今日はひとつの目標を達成できたと語っていた。しかし目標をひとつ達成すると、またその先の景色が見えてくる。新しい目標に向かって、また始まりの場所からの旅立ちが始まる。いつかは「10周年記念ライブをやりたい」と語る新田さん。彼女の夢のストーリーはまだ始まったばかりのようだ。

「一人でも応援してくれる人がいる限り歌い続ける。」とも語っていた。彼女の歌に対する熱い思いは半端ではないようだ。

そして再び披露された『EMUSIC』。新田さんがライブで歌ってきた曲やMCで語った言葉によって、一曲目は笑顔で聴くことができた『EMUSIC』は、涙なしに聞くことはできなかった。

そして曲の間奏で音が止まってからの語り。

(どこまでも  FLY!……)

音楽を諦めなくてよかった…!本当に、本当にありがとう……!!

この瞬間に、感動と共に、「EMUSIC〜始まりの場所〜」に参加できたこと。そして、新田さんの夢が叶った瞬間に立ち会えたこと。感謝する気持ちと涙で前が見れなくなった。

最後に、締めの挨拶が終わって新田さんが客席の方に手を振りに来てくれた時に『EMUSIC』が流れた。観客が「EMUSIC!」と叫ぶと、新田さんが乗って歌ってくれる場面も。新田さんと会場のみんなで音を作っていく時間。新田恵海1st Live「EMUSIC〜始まりの場所〜」。素敵な時間をありがとう。

P.S.ひろみ社長出身の岩手の和菓子屋さん製作のえみつんまんじゅうを早く賞味したい